iPhone、iPad、Macには写真や動画、ウェブサイトのリンク、テキストなど様々なデータをカンタンに共有できる「AirDrop」が搭載されていて、認知度も高く幅広い層に知られています。
Androidにも共有機能として「ニアバイシェア」が搭載されていますが、2011年から提供されていたNFCを利用した共有機能のAndroid Beamを2019年に廃止し、2020年に今の形で立ち上げ直したこともあって歴史は浅く認知度も低いままです。
実際にiPhoneユーザー同士であれば「エアドロで送るね」と言えばほとんどの相手に通じますが、Androidユーザー同士て「ニアバイで送るね」と言っても通じることはなく、実際に交換した経験や交換方法を知っている人は多くないでしょう。
もっと言えばAirDropはAndroidユーザーでも知ってる人はいるはずですが、ニアバイシェアという名前を知っているiPhoneユーザーはほぼいないはずです。
Googleは各メーカーが提供している独自の共有機能を1つに統合することが共有機能の知名度や存在感を向上させるための近道と考えているのかもしれません。最新のレポートによれば、GoogleはSamsungと協力して共有機能を1つに統合する可能性があるようです。
過去に多数の実績があるKamila Wojciechowskaは、Google Play開発者サービスのベータアップデート(v23.50.13)を行ったところ、ニアバイシェアをクイック共有にブランド変更する通知が届いたと報告しています。
アップデート後は名前だけなくクイック設定等に表示されるアイコンやインターフェースも変更されたとのこと。
Samsungが提供するクイック共有とは名前こそ同じであるものの、刷新されたアイコンにはわずかな違いがあります。名前以外にSamsungが提供する共有機能と完全に一致するものも存在しないため、Googleがニアバイシェアをただ単にクイック共有に変更する可能性はあるでしょう。
ただ、Google Pixelにチップを提供し(脱Samsungの噂はある)、Androidの主要パートナーであるSamsungに何も知らせることなく、機能名をわざわざ一致させて、アイコンまで似せたブランド変更を行うとは考えにくく、2つの共有機能が同じ名前で今後も存在し続けるのあれば、ユーザーを混乱させるだけで利益を生むことは1つもないはず。
であればニアバイシェアが、Samsungのクイック共有に吸収される形になるのかもしれません。
クイック共有は、iOSやGalaxy以外のAndroidデバイスにQRコードを使って共有したり、遠くに離れていても共有したり、オプションや有効期限を設定したプライベート共有といったニアバイシェアにはない機能を備え、ニアバイシェアがようやく今年実現したPCとのファイル共有機能にも対応しています。
もし吸収統合される場合、またAndroidの共有機能はやり直しになるわけですが、Android Beamを廃止にしてニアバイシェアとして1から立て直した時と同じ道をたどるのではなく、Samsungユーザーにある程度、認知されているクイック共有に吸収統合される形でブランド変更されるのは良い選択だと思います。