Googleが5月に開発者向けのビッグイベント「Google I/O 2022」にて、同社およびPixelブランド初のスマートウォッチ「Pixel Watch」(ピクセルウォッチ)を正式発表しました。
一般的なスマートウォッチとは大きく異なる大胆なドーム形状のデザインに、パーフェクトフィットするカーブエッジのディスプレイ、触覚的に時計を操作できるリューズを備え、リサイクルされたステンレス素材を使用。気分に合わせて簡単に交換できるバンドも用意されるGoogle初のスマートウォッチです。
この記事では、Pixel Watchがいつ発売されるのか、価格や新機能、何ができるかなど詳細をまとめています。記事の情報は発売日まで随時更新します。
1分でわかる「Pixel Watch」
- 大胆な丸型のドーム形状のデザイン
- 本体の半分を覆うカーブエッジのディスプレイ
- 触覚的に操作できるリューズ
- リサイクルされたステンレス素材のボディ
- 気分に合わせて交換できるカスタマイズ可能なバンド
- 丸みを帯びた特徴的なデザインに合わせてスムーズな使用感を提供する新しいWearOS
- Fitbitの業界最先端のヘルスケアとフィットネス機能
- タッチ決済にも対応
- 発売日は今年秋
- 販売価格は未発表
デザイン:ツルっと美しい斬新なドーム型
Pixel Watchの形状は一般的な時計と同じ丸型で、ぷっくり膨らんだドーム形状の斬新なデザインを採用。時計の上半分がカーブディスプレイで覆われたツルッとした美しい見た目です。
手首に触れる下半分には、環境に優しいリサイクルされたステンレス素材が使用されます。
Apple Watchでは、アルミニウムやチタン、セラミックといった素材を価格に応じて選んだり、カラーを選べる楽しさがありますが、ボディの大部分をガラスで覆うPixel Watchでは素材のコストもそれほどかからないでしょう。
なお、画面の大きさは発表されていませんが、ベゼル(黒いフチ)は厚めであることが確認できます。
バンド:気分に合わせて交換できるバンド
Pixel Watchのバンドは、その日の気分やワークアウト(スポーツ)などの利用シーンに合わせて簡単に交換することができます。
用意されるバンドの種類やカラーについてGoogleはほとんど言及していませんが、Apple Watchのスポーツバンドのようなシリコーン製のバンドが用意され、ブラック・グレー・ベージュ・ライトグリーンなど多彩な色が用意されることがわかっています。現在は発表されていないシリコーン以外のバンドも用意されることに期待できます。
なお、Apple Watchのバンドは本体と接続する金属の素材と色が不揃いになることがありますが、ステンレス素材のPixel Watchは本体とバンドの統一感がより高いことが予想されます。
また、手首を曲げたりしてもリューズが手首に刺さることはなく、シリコン製のバンドは柔らかく、指紋や油も目立たず気に入っている。長時間の使用や夜間でも問題なく腕に巻けることから、睡眠トラッキングにも使える(機能として搭載されるかは不明)操作方法:触覚的なリューズとサイドボタンを装備
ドーム形状のボディ側面には、触覚的なリューズと縦長のサイドボタンが装備されています。
どのように操作するのかGoogleは明かしていませんが、リューズを前後に回して画面をスクロールしたり、リューズやサイドボタンをプッシュすることで、アプリや項目の選択、1つ前の画面に戻るといった操作が可能なはず。
なお、操作感はApple Watchに非常に似ていて、リューズはスカスカではなくタイトな感触でゆっくりクリックできるようです。
もちろんディスプレイをタッチして操作したり、音声操作にも対応。Googleアシスタントで天気予報を確認することもできます。
Pixel Watchで何ができる?機能全まとめ
Pixel Watchでは、健康・フィットネス機能に加えて、便利なタッチ決済(非接触決済)、Googleマップを使ったルート案内、スマート家電の操作などが可能です。
それぞれの機能について詳しくまとめています。
決済:NFCのタッチ決済に対応。Suica対応は?
Pixel Watchは新しいGoogle Wallet(旧:Google Pay)によって、タッチ決済(非接触決済)にも対応します。
スマートフォンを持ち歩かず、手首にPixel Watchを手首に巻いてワークアウトに出かけても、コンビニや自動販売機でドリンクを買って水分補給したり、ポケットやカバンからスマホを取り出さずに支払いができます。
重要なのは対応サービスですが、現時点でわかっているのはNFCを利用したVISAのタッチ決済が利用できることのみ。おそらく、PayPayなどのコード決済も対応アプリをリリースするため、多くの店舗で支払いには困らないでしょう。
ただ、日本人にとって最も重要なことはFeliCaが搭載されるかどうかです。Suicaやおサイフケータイに対応しないのであれば、買わないという考えの人も多いでしょう。
現時点でPixel WatchのFeliCa搭載については一切の情報が出ていません。日本から発信されるリーク情報は圧倒的に少ないため、おそらく正式発表までわからないと思います。
それでもGoogleが買収したFitbitのデバイスがSuicaをサポートしているのに、Pixel WatchがSuicaをサポートしていないなんてことはあるのでしょうか。そう考えるとFeliCaを搭載する可能性は低くないと考えていますがどうでしょう。
健康・フィットネス機能:心拍数の測定、運動や睡眠のトラッキングが可能に
スマートウォッチの機能において健康管理とフィットネス機能はとても高い人気があり、もちろんPixel Watchにも健康管理とフィットネス機能が搭載されます。
GoogleはPixel Watchを発売するにあたって数年前から準備を進めていて、健康とフィットネス管理で高い人気を人気を誇るスマートバンドメーカーFitbitを買収。Pixel WatchにFitbitを深く統合して、業界をリードする健康とフィットネス体験を提供すると発表しています。
具体的な機能としては、連続的な心拍数の測定と睡眠トラッキングによる健康状態の把握、5日間で何日エクササイズしたか、7時間のうちに何時間動いたか、ワークアウト中のアクティブゾーン(運動量)の確認、フィットネスの成績・進捗のトラッキングが可能とのこと。もちろん歩数計もついています。
また、Fitbitアカウントに接続してデータを共有したり、別のデバイスからPixel Watchで計測した詳細なデータを確認することも可能です。
Googleマップ:スマホなしでルート案内が可能
Pixel Watchのディスプレイで目的地へのルートを確認することもできます。このルート案内機能はスマートフォンがなくても利用できるとのこと。
スマホをポケットから取り出すことなくルートを確認できるため、自転車やバイクに乗っているときは信号待ちの時間に道を確認するなど便利だと思います。
家電操作:リモコン不要。手首から家電を操作
WearOS用に新しいGoogle Homeアプリも提供されます。
Pixel Watchとスマート家電が連携して、手首から照明を消したり、温度を調整したり、玄関前に設置したカメラやセンサーが人や荷物を認識すると、手首に通知が届きます。
連動性:Pixelデバイスとの優れた連携機能も
Pixel Watchには、スマートフォンやタブレットなど、他のPixelデバイスとの優れた連携機能も利用できます。
聴いている音楽や見ている動画の再生や一時停止、音量調整をPixel Watchから操作できるのはもちろん、スマートフォンがどこにいったかわからなくなった時に、Pixel Watchから音を鳴らして発見したり、置き忘れたPixel Watchの位置を地図上で確認することも可能です。
Pixel Watchの対応機種。iPhoneでも使える?
Pixel Watchを利用するには、Android 8.0以降を搭載したスマートフォンとGoogleアカウントが必要です。また、すべての健康とフィットネス機能を利用するには、Fitbitアカウントが必要と案内されています。
残念ながらiPhoneでは利用できないようです。GoogleはiPhoneで利用できない理由を明かしていませんが、iOSをサポートするFitbitと差別化した買ったのかもしれません。
発売日と価格:Pixel Watchはプレミアムな価格で登場
Pixel Watchの具体的な販売価格については発表されていませんが、The Vergeに対して「プレミアムな価格帯の製品」であることを明かしています。
Googleは昨年発売したPixel 6シリーズについても同様にプレミアムな価格と予告していたものの、いざ登場してみれば他のスマートフォンよりも安い価格で登場しました。Pixel Watchについてもそれほど高額で登場しないことを期待したいです。
なお、発売時期については2022年秋にPixel 7シリーズと同時に登場すると案内されています。
Pixel Watchについてわかっていないこと・噂まとめ
Googleは2022年秋の発売に向けて、数ヶ月かけてPixel Watchの詳細を発表していく予定です。
現時点では、販売する国と地域、搭載するチップセットや時計のサイズ、色、心電図など高度な医療機能を搭載しているかはわかっていません。
Googleが発表していない現時点で噂されている情報を以下にまとめておきます。
日本発売の可能性は?
Pixel Watchが日本で発売されるのかどうかについてもわかっていません。
日本向けのGoogle Storeで専用ページが公開されていて、日本で商標出願もされたことから発売される可能性は高いでしょう。
4Gモデルは日本で発売される?
アメリカでワイヤレスデバイスを発売するために承認が必要なFCCを通過し、Bluetooth認証も取得したことによって、合計3つのモデル番号が存在することがわかっています。
3つのモデル番号の内訳は、対応バンドの異なる2つの4GモデルとWi-Fiモデル。4Gモデルはいずれも日本の主要バンドに対応していません。
日本にローカライズされた別のモデル番号が存在するのか、日本ではWi-Fiモデルのみ発売されるのかは今後明らかになります。
Pixel Watchの大きさ・重さ・画面サイズは?
GoogleはPixel Watchの大きさや重さ、画面サイズを明らかにしていません。
実機を拾った人物のレポートによれば、本体の大きさは40mmで周囲に5mmのベゼルが設けられているとのこと。画面サイズは1.2インチ、直径30mmのため、Galaxy Watch4とほぼ同じサイズです。
本体の厚さは14mm。Galaxy Watch4の9.8mmやApple Watch Series 7の10.7mmよりも分厚くなるようです。本体の半分をガラスで覆っていることもあって、他のスマートウォッチよりも重い36gです。
スペック | Pixel Watch | Galaxy Watch 4 | Apple Watch Series 7 |
---|---|---|---|
大きさ |
|
|
|
画面サイズ | 1.2インチ 30mm | 1.2インチ (30.4mm) | 1.61インチ |
チップセットは4年前の型落ち品?
Pixel Watchに搭載されるチップセットは、SamsungのExynos 9110になる可能性が高いと報じられています。
同チップセットはGalaxy Watch3|Watch|Active2|Activeといった旧モデルに採用された2018年出荷の型落ち品。処理能力に不安がありますが、コプロセッサを搭載して補強するようです。
同じスマートウォッチ向けのチップセットでは、QualcommのSnapdragon Wear 4100+が、コプロセッサを搭載することで、最大6万4000色の常時表示対応、健康管理のための心拍数トラッキングと睡眠、起床のための傾き検知、歩数計、アラーム、タイマー、触覚といった機能を追加提供しています。
Pixel Watchのコプロセッサの用途は不明ですが、各種センサーから受け取ったデータを処理するためのものかもしれません。
なお、メモリ不足が目立つWear OSですが、Galaxy Watch 4の1.5GBよりもわずかに多いメモリを搭載するようです。
電池持ちは?大容量バッテリー搭載か
最新のGalaxy Watch 4に採用されている5nmプロセスのExynos W920に対して、Exynos 9110は10nmプロセスなので消費電力と電池持ちが気になるところ。
噂によれば、同等のサイズのApple WatchやGalaxy Watchよりも大容量な300mAhとのことで電池持ちについてはそれほど気にしなくていいかもしれません。
なお、同梱されるケーブルの片側がUSB-C端子であることが判明しています。USB-Cケーブルでスマートフォンと直接繋げることで、Pixel Watchを充電できるかもしれません。
コメントを残す