Fitbit Airレビュー/寝るときに画面はいらない、最高の睡眠トラッカー
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

Apple Watchに出会うまで、腕に何かを巻く習慣はなかったのに、今では、電車に乗るとき、遊びに出かけるとき、ジムでワークアウトするときなど、欠かせないものになっています。
それでも寝るときはどうしても外したくなります。
スマートウォッチは、寝ているときの心拍数などを記録して睡眠の質を分析し、アクティブに動くべきなのか、身体を休めるべきなのかまで教えてくれます。1日をどう過ごすか決める参考になる一方で、腕にデバイスを巻いている不快感が気になり、着けたまま眠ることはできませんでした。
バンドが腕を締め付け、本体裏面のガラスやセラミック素材が手首に密着する感覚も苦手で、これまでに何度もトライしましたが、結局は数週間で充電器の上に置いて寝るようになりました。
今回紹介するGoogle Fitbit Airは、そんな睡眠時の不快感を徹底的に抑えた、画面のない睡眠に最高のトラッカーです。寝るときに画面は必要ありません。
睡眠に最適、画面なしトラッカー
Fitbit Airは、薄くて細いバンドに、Googleがペブルと呼ぶ軽量の本体が付いているだけです。画面はないため、時間や通知を確認することはできません。
バンドから押し出すだけで取り外しできるペブルには、身体の情報を取得するセンサーが搭載されていて、心拍数、歩数、消費カロリー、睡眠などのトラッキングが可能です。


ペブルの側面には、LEDが搭載されていて、ペブル付近を2回しっかりタップすると、光り方でバッテリー残量を確認できます。アプリからアラームを設定したときも、2回タップすると振動によるアラームを止めることができます。
この画面を捨てた思い切ったハードウェア構成が、睡眠トラッカーとして最適な構成になっています。
画面なしのため、暗い寝室で腕が光ることはなく、細型・薄型・軽量で腕に窮屈感はありません。睡眠トラッキングに限定すれば、これ以上はないと感じます。Galaxy Ringのようなリングデバイスの選択肢もありますが、リングデバイスはバンドのような無段階の絶妙なサイズ合わせができません。


付け心地の良さはFitbit Airの大きな魅力ですが、課題もバンドにあります。
ワークアウト向けにはシリコン素材のアクティブバンドが用意されています。ただ、通気用の穴はなく、汗をかくとゴム特有の蒸れや不快感が気になります。スーツなどに合わせる場合はシックなモダンバンドを選べますが、高級感のあるレザーではなくポリウレタン製です。
標準で付属するパフォーマンスループバンドは4色から選べるものの、いずれも控えめなツートーンです。Fitbit Airは身につける時間が長いデバイスだからこそ、もう少しデザインのバリエーションが欲しいところです。
ちなみに、Fitbit Airの開発に携わったNBAのステフィン・カリーがデザインしたスペシャルエディションバンドも用意されています。吸湿速乾性に優れ、ワークアウトでも使いやすい仕様で、シンプルすぎないデザインも個人的にはベストに感じます。ただし、残念ながら日本では本体とのセットパッケージは発売されません。

Pixel Watch 4のレビューでも指摘したように、Googleのバンドは機能面ではよくできている一方で、デザイン面では「これだ!」と思えるものにまだ出会えていません。Fitbit Airの付属バンドも着け心地は良いものの、デザインやラインナップにはもう少し力を入れてほしいのが正直な感想です。
追加料金なしで使える。ワークアウトには不向き
こうしたフィットネストラッカーの大きな懸念のひとつがランニングコストです。なかには本体を買って終わりではなく、サブスクに加入して料金を支払い続ける必要があります。
Fitbit Airはサブスクに加入する必要はありません。16,800円で本体を手にしたらあとは腕に巻くだけで使い放題です。
また、身体を動かしたいけど何から始めればいいのかわからない場合は、Google Health Premiumに加入してAIコーチを使うこともできます。料金は月額1,580円ですが、Google AI ProまたはGoogle AI Ultraに加入していれば、追加料金なしで使えます。また、Fitbit Airには購入特典として3ヶ月の無料体験もついています。

目標を伝えると、AIコーチがプランを提案してくれます。ガチなワークアウトだけでなく、「椅子に座りながらやれるワークアウトはない?」といった軽い相談にも対応。
逆に、まったく運動していない状態で「1ヶ月後にフルマラソンを完走したい」と伝えると、今日からプランを大きくシフトする必要があると覚悟を試しに来ます。そこで「無理がある感じ?」と返すと、身体への負担や怪我のリスクを指摘しつつ、歩きと走りを組み合わせて制限時間内の完走を目指すような現実的なプランを提案してくれます。



ただ、正直なところ画面のないデバイスはワークアウトに向いていないと感じました。
スマートウォッチの場合は、画面を見てトラッキングを開始し、現在の走行距離や心拍数を確認しながら運動の強度を調整できます。一方、画面のないFitbit Airでは、インターバルを測るトレーニングに必要なタイマー機能すら利用できません。
ちなみに、Fitbit Airはワークアウトを自動検知して計測しますが、なぜか毎晩のように、ごく短いサイクリングが記録されることもありました。正確性にも疑問があります。GPSも搭載されていないため、ワークアウトするならスマホを持つか、スマートウォッチに変えた方が良いです。
電池持ちは6日間、また増える独自充電器
Googleは電池持ちを7日としていますが、約6日ぐらいで電池が0%になりました。
標準のパフォーマンスループバンドは、水で濡らすと乾燥するまで使用を控えるよう推奨されているため、お風呂に入るときに腕から外して充電するようにしています。わずか5分間の充電で1日利用することできるため、この運用なら電池持ちを気にする必要はありません。
問題は充電器です。ドキドキしながらパッケージを開けたら、予想どおり専用の充電器が出てきました。
せっかくスマートフォンはUSB-Cで統一できたのに、スマートウォッチは各メーカーが好き放題に独自規格を採用しています。
とはいえ、電池持ちは6日間なので、長期の旅行でも出かける前にフル充電にしておけば、充電器を持っていく必要はありません。
iPhoneでも使えるが、ヘルスケア連携に課題
Fitbit Airが嬉しいのは重ね付けしやすいことです。例えば、Fitbit Airを24時間つけっぱなしで、Suicaやより正確なワークアウト計測のために出かけるときだけスマートウォッチを追加で腕に巻く、といった使い方ができます。


重ね付けする場合、Google Healthアプリがどちらのデバイスで計測したデータを優先するのか気になるところ。
どのデバイスを優先するかについて、Googleは「デバイスのパフォーマンスに基づく」とだけで説明しています。
モヤモヤする説明ですが、どのデバイスで計測されたのかはアプリから確認できます。
試しにPixel Watch 4と重ね付けして生活してみたところ、歩行も心拍数もFitbit Airが優先されていました。ただし、Fitbit Airの値がそのまま採用されるわけではなく、複数デバイスのデータを統合したように見える数値になりました。
もう1つ嬉しいのは、Fitbit AirがAndroidだけでなく、iPhoneともペアリングして使えることです。
現時点ではGoogle HealthアプリからAppleのヘルスケアアプリに計測データを書き込むことはできないため、Fitbit Airで計測した睡眠データはGoogle Healthアプリで、その他のデータはヘルスケアで確認する形になります。
まとめ:寝るときに画面はいらない、念願のトラッカー誕生
Fitbit Airは1台ですべてをカバーするデバイスではありません。画面がないため通知も決済も地図も使えません。睡眠や日常の記録を続けることに振り切ったトラッカーだと感じます。
思い返してみると、遊びに出かけたり、取材に出かけたり、外出するときは常にスマートウォッチを腕に巻いています。一方で、家にいるときはまったく着けていません。時間や通知を確認するためだけに、腕に何かを巻いて窮屈さを我慢するのは割に合わないからです。家の中ならスマホで十分です。

それでも、睡眠の記録だけは別です。
睡眠による回復状態を確認できれば、その日どれくらいアクティブに動くべきか、身体を休めるべきかの参考になる重要な情報です。
ただ、スマートウォッチを着けて寝ると腕の違和感が気になり、眠りにつくまでの時間が長くなるように感じます。目が覚めたときに、すぐ通知を確認できてしまうのも良くありません。
10年以上前から、家にいるときもスマートウォッチを着けようと何度も試しましたが、定着しませんでした。
Fitbit Airはついに定着しそうなデバイスです。
発売前から製品に触れる機会をもらい、約2週間使っていますが、1日も欠かさず手首に巻いています。お風呂に入るときに外して、そのまま寝ようとしたときも、巻いていないことに気づいて取りに戻ったほどです。
外出するときは、Pixel WatchやApple Watchと重ね付けすることも多く、外したいと思うことはほとんどありません。常に着けていられるため、コンビニまでの短い移動や、少し歩いただけの活動量も漏れなく記録できるのが嬉しいところです。
これらは画面がないからこそのメリットです。通知や決済には画面が必要ですが、睡眠の記録に限れば、画面はもう不要だと思います。
寝るときにリストデバイスを着けるのが苦手な人にこそ、Fitbit Airをおすすめします。これ以上の睡眠トラッカーを見つけるのは難しいと思います。
























コメントを残す