Anker Power Bank (10000mAh, 30W)レビュー:ポケットに入れて持ち運べるモバイルバッテリーの決定版
2023年夏、注目されるべきモバイルバッテリー「Anker Power Bank (10000mAh, 30W)」が発売されました。
iPhone 14を約2回充電できる大容量の10000mAhバッテリーと、iPhoneを含む多くのフルスピードで充電できる30W出力のUSB-Cポートを2つ、USB-Aポート1つを手のひらサイズに収めた超小型のモバイルバッテリーをレビューします。
アンカー・ジャパン
ポケットにスッと収まる画面付きの大容量モバイルバッテリー
本体の大きさは手のひらサイズ。ポケットにスッと収まり、片手でしっかりとグリップできます。前面はツルツルしているのに対して、側面と背面はマットな質感。
10,000mAhの大容量バッテリーを、手のひらサイズに収めているため、ずっしりとした重さがあります。
特徴の1つである前面ディスプレイは側面のボタンを押すと約2秒後に点灯し、本体のバッテリー残量をパーセント形式で確認できます。
他のデバイスを充電している間は残量の横に時間が表示されます。
多くの人が期待しているのは、充電中のデバイスをフル充電するまでにかかる時間かもしれませんが、実際の値はモバイルバッテリーの電池残量がゼロになるまでの時間を示しているようです。
時間は供給する充電量をもとにリアルタイムに算出されているようですが、スマートフォンを含む多くのデバイスでは、バッテリーへの負荷を軽減するために状況に応じて充電量/入力を調整することもあって時間が大きく変化することからあまり参考になりません。
この時間表示が役立つのはモバイルバッテリーを充電している時です。
本体のバッテリーがフル充電になるまでの残り時間が割と正確に表示されるため、モバイルバッテリーをフル充電にしてから出かけたい時に、あとどれぐらいで充電が完了するのかを確認するのに便利です。
3台同時充電・最大30W出力の急速充電
本体の上部にはUSB-Cが2つ、USB-Aが1つ配置。3つのポートすべて使用すれば、手のひらサイズのモバイルバッテリー1つで3台同時充電が可能です。
USB-CポートはUSB Power Deliveryに対応。最大30W出力によって、iPhoneなど多くのスマートフォンをフルスピードで充電できます。USB-AポートはHUAWEI製品のみ最大22.5W出力に対応します。
複数ポート利用時の出力は最大24W。USB-Cポートを2つ使ってPixel 7 ProとiPhone 14 Proを2台同時充電したところ、どちらのポートでも10〜12W前後の出力を記録していました。
充電時間も確認してみましょう。
本体のバッテリーはUSB-Cポートを使って最大18W入力で充電できます。30分間の充電で28%、60分間で50%、90分間で75%、120分間で95%に到達し、0%からフル充電までには130分かかりました。
本体のバッテリーを使ってiPhone 14 Proを充電したところ、最大24W出力/多くの時間で20W出力を記録。充電30分で55%に到達して0%からフル充電までには約90分かかりました。
Pixel 7 Proは最大23W出力を記録。30分で75%に到達して0%からフル充電までには約100分かかりました。Xperia 1 Vは最大25W出力を記録。30分で45%に到達して0%からフル充電には95分必要でした。
iPhone 14 Pro | Pixel 7 Pro | Xperia 1 V | |
---|---|---|---|
対応出力 | 非公表 | 最大23W | 最大30W |
実測出力 | 最大24W前後 | 最大23W | 最大25W |
30分 | 56% | 50% | 45% |
60分 | 85% | 76% | 80% |
90分 | 100% | 95% | 97% |
フル充電 | 90分 | 100分 | 95分 |
発熱も心配なし
これから迎える暑い夏、発熱が気になるのでサーモグラフィカメラを使って充電中の表面温度を計測してみました。
本体のバッテリーを充電している間は本体の中心が常時35°C前後、最も熱くなるポート付近は40°Cを計測。スマートフォンの充電中は中心が35°C前後、ポート付近は40~47.5°C前後を記録しました。いずれも手に持った感じでは、それほど熱く感じず過度な発熱の心配はないようです。
温度管理と出力制限によって接続機器を安全に保護する最新技術「ActiveShield 2.0」にも対応しています。1秒あたり35回もの温度計測を行い、本体の熱が規定の温度に達すると、電流・電圧の負荷を調整して過度な温度上昇を未然に防ぐため、安心して利用できます。
Anker Power Bank vs Anker 733 Power Bankを比較
持ち運びしやすい500g未満の軽量ボディに、多くのスマートフォンを2回フル充電できる10,000mAhの大容量バッテリーと、ノートPCも充電可能な30W出力対応のUSB-C端子を備えた現在販売中のAnkerモバイルバッテリーは、以前レビューした「Anker 733 Power Bank」と、今回レビューする「Anker Power Bank (10000mAh, 30W)」の2製品に絞られます。
ということで何が違うのか以下の表にまとめました。
Anker Power Bank (10000mAh, 30W) | Anker 733 Power Bank | |
---|---|---|
デザイン | ||
バッテリー容量 |
|
|
ポート数 |
|
|
入力 |
|
|
出力 |
|
|
性能 |
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大きさ | 約99 x 52 x 26 mm | 約111 x 63 x 31mm |
重さ | 220 g | 320 g |
まとめ:
It's GOOOOD!!
- iPhone 14を約2回充電できる大容量バッテリー
- 手のひらに収まるコンパクトサイズ
- 最大30Wの充電出力・3台同時充電
- 比較的手ごろな5000円台
TOUGH...
- 屋外で見づらいディスプレイ
比較項目でも書いたとおり500g未満の軽量ボディ・ノートPCも充電できる最大30Wの高出力・10000mAhを兼ね備えた現在販売中のAnkerのモバイルバッテリーは、このほかにAnker 733 Power Bankのみです。
少し出力を下げたAnker PowerCore 10000 PD Redux 25Wという選択肢もありますが、発売から約2年が経とうとしていて、主要なスマートフォンの急速充電においても20Wから30Wへ徐々に高出力化していることを考えると、少し手が出しづらいです。
Anker 733 Power Bankは、コンセントに直挿して本体のバッテリーを充電できるだけでなく、高出力のUSB急速充電器としても利用できる便利な2in1の製品。USB急速充電器であればミドルクラスのノートPCも充電できる65W出力、モバイルバッテリーでも30W出力が可能と魅力的な製品ですが、価格は14,990円と高額であることから手が出ない人もいたかもしれません。
対して今回レビューしたAnker Power Bank (10000mAh, 30W)は、5,990円という比較的手ごろな価格ながらAnker 733 Power Bankと同じ容量のバッテリーとUSB-Cx2、USB-Ax1の同じポート構成。スマートフォンの充電あれば最大30W出力のUSB-C端子を世界最小クラス1のサイズに詰め込んだモデルです。
スマートフォンやタブレットはもちろん、MacBook Air(M2/2022)といったノートPCも充電できることから、Anker Power Bank (10000mAh, 30W)で手持ちのデバイスをすべて充電できる人も多いはず。持ち運びに優れた小型・軽量のボディに大容量バッテリーを搭載し、ノートPCも充電可能なモバイルバッテリーを求めている人にとっては第1候補と言える製品。
ポケットに入れても持ち運べる超小型モバイルバッテリーに、これ以上を求めるのは難しく決定版と評価したいと思います。
ちなみに、モバイルバッテリーは一般ゴミとして捨てることはできず、破棄が難しい製品の1つですが、Ankerで購入したモバイルバッテリーは郵送での回収が可能。Anker Storeに持ち込めば、回収に加えてモバイルバッテリーを購入する場合は300円オフになります。
パッケージや付属品のない本体のみ、保証期間が過ぎている、故障・破損している、中古で購入した製品も対象です。
10000mAhかつUSB-Cポートを2つ備えた3ポート搭載の製品で世界最小クラス(元の場所に戻る)
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