特定の企業に対して米政府の許可なく部品やソフトウェア、技術を輸出できなくするエンティティーリストに中国の通信機器大手ファーウェイが掲載されたことを受けてGoogleはファーウェイとの一部取引を停止した。
これによってファーウェイはAndroidを限定的に使用することになる。現在は開発者向けにベータ版が提供されている次期バージョン「Android 10」だが、Googleはファーウェイ製スマートフォンへの公開を停止。今年秋に正式公開されるOSアップデートも提供されない可能性が高い。
こういった動きを受けてファーウェイはAndroidからOSをスイッチするのかもしれない。
AndroidベースのカスタムOSか
Global Timesは3つの中国メディアからのレポートとしてファーウェイがスマートフォン向けの独自OSを開発していると報じた。
Huawei's own-developed smart phone Operating System, reportedly named "HongMeng OS", is being trialled out and will gradually replace the Android system, according to three Chinese media reports. pic.twitter.com/GacM5xQMYJ
— Global Times (@globaltimesnews) 2019年5月20日
昨日、テレビに出ていたコメンテーターは「独自でOSを開発するんじゃないですかねぇ」とコメントしていたが、そんな簡単なものだろうか。
Windows Mobile/Phoneを開発したMicrosoftは「新機能も新機種も開発しない」とコメントして2017年に撤退。様々な企業が開発に参加したTizenは2018年にスマホ開発から撤退するとサムスンが表明。MozillaのFirefox OSは2016年にスマートフォン向けの開発を中止すると発表した。
スマートフォン向けのOSにおいてAppleのiOSとGoogleのAndroidの二大巨頭に割って入った存在はない。成功できない理由としてあげられるのがデベロッパーに自社OS向けのアプリを開発してもらうことだ。労力をかけてAndroidやiOSよりも遥かに小さな市場に向けたアプリを作ってもらうのは非常に難しい。
ファーウェイが独自OSを開発しているとの情報はこれまでに何度も報じられている。Mashableによれば2012年ごろから準備していたようだ。独自OSの名称は「Kirin OS」とも報じられたが、中国メディアは「HongMeng OS」になるとのこと。製品への搭載時期は今秋になると報じられている。
UPDATE:2019年5月22日 15:10HUAWEI CENTRALによれば、HongMeng OSでは、すべてのAndroidアプリが動作し、スマートフォンやタブレット、スマートウォッチなどのファーウェイ製品と互換性があるという。これが事実であれば、ファーウェイが開発しているのは独自OSではなくAndroidベースのカスタムOSとなりそうだ。