先週3日に発表されたドコモの新料金プラン「ahamo」
5G対応で20GB、月額2,980円でサブブランドではなくメインブランドの提供ということもあって消費者からは高い評価を得ているが、メインブランドのような手厚いサポートがないことから実質サブブランドだと批判もある。
サブブランドの値下げを当初評価したものの、一転してメインブランドでなければ意味がないと痛烈に批判した武田総務大臣は実質サブブランドのahamoを高く評価した理由やサブブランドによる値下げとの違いについて「のりかえ時の手間と手数料」と答えた。
同じ事業者間のMNPの手間と手数料を問題視
武田総務大臣は12月8日の会見にて、ドコモが発表した新料金プラン「ahamo」を高く評価した一方でUQ mobileやワイモバイルを厳しく批判したことについて評価した理由を問われると「同じ事業者でありながらのりかえの時に手間と手数料を取るということはいかがなものかと常に問題視してきた」と述べ、「消費者の利益保護を考えたら看過できる問題ではない」と答えた。
UQ mobileやワイモバイルに対して、ahamoはドコモからのプラン変更が可能。システム対応が完了するまではのりかえの手続きが必要だが、手数料や解約金はかからない。
ただ、武田総務大臣が問題視しているのりかえ手数料についてはソフトバンクが無料化の方針を打ち出し、KDDIも前向きに検討している。サブブランドによる値下げによって海外に比べて日本の携帯料金が高すぎるとは言えない状況になり、残りの問題がのりかえ手数料や手続きであれば、大手3社にーーしかもメインブランドでの値下げを促す必要はなかったのではないか。
手数料や手続きの問題をクリアにすれば、安さをウリにした格安SIM/格安スマホを提供するMVNOや楽天モバイルへの流入が活性化し、大手3社の寡占化が解消されることによって総務省が目指してきた活発な競争が起きる携帯電話市場に繋がったはずだ。
今のままでは格安スマホや楽天モバイルだけではなくソフトバンクやKDDIのメイン・サブブランドのユーザーもahamoへの乗り換えを検討するというユーザーの声もあるなど他社が追従すれば大手3社による寡占化が促進されかねない。
こういった懸念があるなかで、3社が打ち出した新料金プランにおいて、のりかえ手数料以外に大きな差があるのは料金だけでドコモを評価したのは値下げ競争が活発化することなのか?と問われると武田総務大臣は「利用者が決める問題で事業者は競争の中でユーザーの獲得競争に努力して頂ければ良い。経営判断に委ねる」と回答をはぐらかした。
窮地に立たされるMVNOについて
日本通信がahamoに対抗したプランとして月額1,980円の新料金プランを発表したことについてNTTの一連の動きが携帯電話市場の本格的な競争に向けたキッカケになったことは間違いないとし、評価しなければいけないと述べ、MVNOも含めて事業者が公正な競争を通じて低廉で多用な料金サービスを提供することで利用者に安くなったと伝わることが重要とした。
ahamoの登場と予想される他社の追従によって今後、厳しい競争が迫られるMVNO。総務省はデータ接続料を今後3年で半減させることが目標として掲げており、コストが減ることでより低料金な新プランの打ち出しや利益獲得が可能になるが、この目標はahamoやサブブランドの新料金プランが登場する前に決まったもの。
わずか数ヶ月で大きく変化した市場に合わせて目標を変える考えはあるのか問われると「公共の電波の割当によって事業をなすMNOだけでなく、MVNOも競争市場における重要な軸として大いに活躍を期待している」とし、「接続料の低廉化は公正な競争を導く上で絶対条件であるためしっかりとサポートしていきたい。異常な寡占状況が続いた市場はようやくまっとうな競争原理が働くキッカケとなった。各社は頑張って競争に打ち勝ち、国民の信頼と期待に応えて欲しい」と述べた。
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