旧Twitter(現X)が競合サイトや特定の報道機関へのアクセスを5秒間も意図的に遅らせていたことが明らかになりました。
ワシントンポストの報道によると、Facebook、Instagram、Bluesky、Substack、ロイター通信、タイムズなど、イーロン・マスクの怒りを買っている報道機関が狙い撃ちにされているようです。
なお、ワシントンポストがこの件を報じた数時間後に旧Twitterは一部サイトの遅延を解いたことがわかっています。
3秒以上の読み込みで約半数のユーザーが離脱する
5秒間の遅延がウェブサイトにとってどれだけ深刻なものかわかりにくいかもしれませんが、Googleの調査によると、スマートフォンにおいてサイトの読み込みに3秒以上かかった場合、約半数のユーザーが途中でリンクを開くことを断念するそうです。
調査を裏付けるように意図的な遅延によってタイムズ紙では、旧Twitterからのトラフィックが減少しているとのこと。
ウェブサイトにとって深刻な遅延はイーロン・マスクが嫌う報道機関だけではなく、個人的に対立するMetaのマーク・ザッカーバーグが運営するFacebook、Instagram、ThreadsやTwitterの創業者であるジャック・ドーシーが立ち上げたBluesky、競合サービスであるSubstackも対象になっていました。
Substackは旧Twitterの競合機能であるNotes機能を発表したことをきっかけに、Substackへのリンクを含むツイートに安全ではないことを伝える警告文を表示したり、ツイートをいいね・リツイートできなくする(現在は解消済み)など、今回の遅延以外にもさまざまな嫌がらせを受けています。
リンクを遅延させる嫌がらせには、Twitterの短縮URLサービスt.coが使用されており、t.coから正しいアドレスに転送するまでに約5秒の遅延が発生するとも報告されています。
旧Twitterでは、見かけ上は普通のURLに見えても実際のリンクはt.coによって短縮されたURLになっています。
普通であれば信じられない行為ですが、過去にイーロン・マスクは競合SNSのリンクやユーザー名すらも投稿を禁止するポリシー変更を発表しています。しかし、猛烈な批判を受けて競合SNSの宣伝を主な目的とする場合のみアカウントを停止するよう調整するなど、積極的な排除をためらわない人物です。
ちなみに、このポリシーの微調整についてもユーザーにアンケートを取りましたが、9割近くのユーザーが拒絶。現在、このポリシーがどう扱われているのかはわかりません。