今年後半にNothing Phone(2)の発売を明らかにしたNothing。優れたコストパフォーマンスで発売されたNothing Phone(1)“よりプレミアムな”スマートフォンとして登場することが明言されています。
数ヶ月後に発売を控えた今、Nothingのトップであるカールペイは「今のNothing Phone(1)についてどう思いますか?買いますか?」と問われると「この価格帯では比較対象がいない」と回答。
他のユーザーから「Glyphインターフェースを除いてNothing Phone(1)が、Pixel 6aより優れている点は何ですか?」と再度問われると、Pixel 6aと比較されるのはおかしいとしながらも、Pixel 6aよりも優れている8つのことを答えています。
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Nothing Phone(1)がPixel 6aと比較されるのがおかしいと主張する理由について、カールペイは位置付けや顧客価値(他社にはない独自機能で顧客が求めるもの)がまったく異なることを理由にあげています。
また、Pixel 6aがエントリーレベルのスマートフォンである一方、Nothing Phone(1)はフラグシップスマートフォンで、部品コストはNothing Phone(1)の方がかなり高いとしています。
つまり、同じ土俵に上げるなということでしょうか。
CEOみずからが語ったNothing Phone (1)がPixel 6αよりも優れている点は以下のとおりです。
- ベゼルが4辺対称なのに対してPixel 6aには大きなアゴ(下辺のベゼル幅が厚いこと)がある。4辺対称のベゼルは優れたデザインを求める人にとっては満足度の高い要素になる
- Nothing Phone(1)がゴリラガラス5を使用しているのに対してPixel 6aはプラスチックの背面。より高級感がある
- 高速なパフォーマンスを実現するより優れたプロセッサを搭載している
- カメラのソフトウェアはキャッチアップする必要があるが、ハードウェアは優れている
- ディスプレイのリフレッシュレートは120Hzと60Hzで映像の滑らかさには大きな違いがある
- 画面サイズはPixel 6aの6.1インチに対して、Nothing Phone(1)は6.55インチで快適にエンタメを消費できる
- どちらも優れているが、美しさ、最適化、洗練さ、精巧さなどの観点で私はピュアなAndroidよりもNothing OSを好む
- 高速な有線充電とワイヤレス充電をサポートしている
カールペイがNothing Phone(1)の方が優れていると主張する点はほとんど正しいです。
デザイン、高級感、ディスプレイの滑らかさ、エンタメ消費に優れた画面サイズ、ワイヤレス充電を含めた充電性能・機能は明らかにNothing Phone(1)の方が明らかに優れていて「背面が光るだけ」と評価した人たちは一体何を見て、何を言ってるんだろうと感じるほどです。
一方で、カールペイの主張にも納得がいかないところがあります。特に気になったのはカメラの評価。
Pixel 6aに比べてNothing Phone(1)のハードウェアが優れているとのことですが、今のスマホカメラはどれだけハードウェアが優れていてもソフトウェアが優れていなければ、良い写真や動画は撮れません。
現在、カメラのソフトウェアにおいて頂点にいるのは間違いなくGoogleであり、世界中のユーザーがブラインドテストで見分けられるほどの違いがあります。
メーカーとして同じ価格帯でありながら優れたハードウェアを使っている点を評価して欲しいのはわかりますが、コストの高いハードウェアを使いながら、ソフトウェアで負けているというのが事実でしょう。ちなみに、Pixel 6aがトップになったカメラテストでNothing Phone (1)は下から3番目の評価でした。
より優れたプロセッサを搭載しているというのもどうでしょうか。
システム全体のパフォーマンスを計測するAnTuTuでは、Pixel 6aのGoogle Tensorが69700を記録しているのに対して、Nothing Phone(1)のSnapdragon 778G+は56700です。
Geekbenchでは、Pixel 6aのGoogle Tensorがシングルコア1000、マルチコアが2900に対して、Nothing Phone(1)のSnapdragon 778G+がシングルコア800、マルチコア2800と、より優れたプロセッサを搭載していると言われても納得感のいく人はいないでしょう。