2022年最も注目を集めたスマートフォンとして間違いなく上位にランクインする「Nothing Phone (1)」の販売台数が50万台に到達したことが明らかになりました。
CEOのカールペイは、注目される次回作について「すぐには発売しない」とコメントし、他のAndroidメーカーのように1年のうちに大量のデバイスを発表する路線は取らないことを明言しています。
3商品の累計販売台数は100万台を突破
Nothing Technologyによると、同社が販売する3商品の累計販売台数が100万台を突破したとのこと。
100万台のうちの約半分となる50万台は今年7月に発売したAndroidスマートフォンの「Nothing Phone (1)」によって記録されており、オーディオデバイスのイヤホン「Nothing Ear (1)」と「Nothing Ear (stick)」の販売台数は合計60万台を記録。
これにより、Nothing Technologyの収益は前年に比べて約10倍となる2億5,000万ドルに到達したと報告されています。
一方で、CNBCのインタビューでカールペイCEOは為替の影響(ドル支払い、ポンド・ユーロ・インドルピー・円で利益を上げているため)もあって業績がまだ赤字であり、黒字化は2024年を目標にしていることを明かしています。
インタビューでは「Nothing Phone (1)」の苦労話としてAppleとiPhoneの最大のサプライヤーであるFoxconnに取引を拒否されたことも語られています。
FoxconnがNothingとの取引を拒否したのはスタートアップが失敗し、その度にFoxconnもお金を失った(おそらく倒産してお金を回収できなかった)ことが理由とのこと。
Nothing Phone (2)は米国でも販売か
デザイン性が高く評価されているNothingの商品ですが、「Nothing Phone (1)」は、iOSからの乗り換え率も高く、競合のAndroidデバイスに比べて平均3〜4倍となる最も高い割合を記録したとのこと。日本や香港では半分以上がiOSから乗り換えているそうです。
忘れてはいけないのはイギリスのメーカーが作るスマートフォン「Nothing Phone (1)」は、最も売上が見込めるアメリカでまだ発売されていないということ。アメリカで発売していればもっと多くの販売台数を積み上げることができたはずですが、その選択を拒否しています。
アメリカでの販売を選択しなかった理由についてカールペイCEOは、キャリアの独自カスタムをサポートするために多くの技術サポートが必要になることをあげています。
Nothing Technologyによれば、従業員数は176人から433人まで増加したとのことで、この問題はすぐに解消されるかもしれません。
カールペイCEOは「Nothing Ear (stick)」の販売台数の1/3はアメリカで記録されていることを理由にNothingブランドがすでにアメリカで多くの関心を集めていると説明。さらに、アメリカのキャリアと“新しいスマートフォン”について交渉を行なっていることを明かしています。
“新しいスマートフォン”の正体は明かされていませんが、Nothing Phone (2)でしょう。開発が噂されていた廉価版の「Nothing Phone Lite」の存在は同社によって否定されています。