【注意】iOS 11は機内モードでもWi-FiとBluetoothがオフにならない場合がある
飛行機の離陸前にある「電源をお切りいただくか機内モードにして電波を発しない状態にしてください」というアナウンス、iOS 11以降はもう通用しないかもしれない。
「iOS 11」では、機内モードにしてもWi-FiとBluetoothがオフにならない場合があることがわかった。これは不具合ではなくiOS 11の新機能であり、コントロールセンターでWi-FiとBluetoothを完全にオフにできなくなった仕様変更とは全く異なるものだ。
iOS 11で追加された機内モードの「設定の記憶機能」
前述したとおりiOS 11でWi-FiとBluetoothがオンの状態で機内モードをオンにすると、Wi-FiとBluetoothがオフにならない場合がある。
iOS 11の不具合と思い、Appleのサポートに連絡したところこれが仕様であることがわかった。
AppleによるとiOS 11から機内モードに「設定の記憶機能」が追加されたとのこと。iPhoneのユーザーガイドにも“機内モードのまま Wi-Fi または Bluetooth をオンにした場合は、次回機内モードにしたときにもオンの状態になります。”との説明がある。
機内モードの記憶機能は名前のとおり機内モード時のWi-FiとBluetoothの状態を記憶するものだ。iOS 10以前の機内モードはモバイルデータ通信とWi-Fi、Bluetooth、それらに関連する機能を問答無用でオフにしていたが、記憶機能が追加されたiOS 11では前回の機内モードの状態に復元する。
画像と共に説明する。iOS 11のアップデート直後に機内モードをオンにすると、Wi-FiとBluetoothがオフになる。
機内モードがオンの状態でWi-Fiをオンにする。当然、機内モードをオフにするとWi-FiとBluetoothが両方オンになる。
最後に機内モードをオンにすると、Bluetoothはオフになるものの、Wi-Fiだけはオンになる。つまり、前回の状態を記憶して復元していることがわかる。
機内モードに追加された「記憶機能」の危険性
一見便利な機能だが気をつけなければいけない。
例えば、旅行の行きの飛行機には無料Wi-Fiが設置され、Bluetoothの利用も許可されていたので機内モードをオンにしたあと、Wi-FiとBluetoothをオンにして無料でインターネットを利用してワイヤレスイヤホンで音楽を聴いた。
5日後の帰りの飛行機は無料Wi-Fiが設置されておらず、Wi-FiおよびBluetoothの利用も禁止されている機体。客室乗務員から「電源をお切りいただくか機内モードにして電波を発しない状態にしてください」とアナウンスされたため機内モードをオンにした。
ところが、iOS 11で追加された記憶機能によって前回の状態が復元されて機内モードがオンにも関わらずWi-FiとBluetoothがオンになって電波を発する状態のまま搭乗してしまった、という状況が発生するだろう。
Wi-FiやBluetoothの使用が許可された機体は徐々に増えてはいるが許可されていない機体も多い。iOS 11以降のiPhoneまたはiPadでは「機内モードにしたからOK」ではなく、機内モードをオンにしたあとでもWi-FiとBluetoothがオフになっているか確認する必要がある。
iPhoneだけで画面を動画撮影できる「画面収録」やQRコードの自動読み取り、複数アプリの一括移動、Wi-Fiのパスワード共有など便利な新機能が追加されたiOS 11だが、iCloudフォトライブラリのモバイルデータ通信による自動アップデート機能など注意すべき変更も多く存在する。
使用が制限される電子機器は、飛行機のドアが閉まり、客室乗務員からの案内がありましたら、機内モード等の電波を発しない状態とするか、電源をお切りください。違反した場合には、50万円以下の罰金が科せられることがあります。(航空法施行規則第164条15)