OPPO Find N6 レビュー/折り目ほぼゼロ、折りたたみスマホの新基準
Yusuke Sakakura
Yusuke Sakakura
ブログメディア「携帯総合研究所」を運営しています。学生時代に開設して今年が16年目。スマートフォンの気になる最新情報をいち早くお届けします。各キャリア・各メーカーの発表会に参加し、取材も行います。SEの経験を活かして料金シミュレーターも開発しています。

重い、分厚い、価格が高い、耐久性が不安——折りたたみスマートフォンを買わない理由として、よく挙げられるものです。
ここ数年で、こうした課題はかなり改善されてきました。ヒンジやディスプレイ構造の見直しによって、薄型化と軽量化が進み、耐久性も向上。ようやく折りたたみスマホが日常でも使えるスマートフォンになってきたと感じます。
それでも、多くの人が拒否反応を示すのが、画面の真ん中に走る折り目ではないでしょうか。
折り目も目立たなくなっていますが、これまでは小さな改良の積み重ねでした。慣れるとはいえ、初めて折りたたみスマホを手にする人にとっては、どうしても目に入りやすいネガティブな部分です。
今回レビューする「OPPO Find N6」は、その折り目に真正面から向き合った折りたたみスマートフォンです。OPPOは“Zero-Feel Crease”をうたい、折り目をほとんど感じさせないと説明しています。
正直、大げさにも聞こえる表現ですが、実機に触れてみると、折り目ほぼゼロは決して嘘ではありません。筆者がこれまで触れてきた折りたたみスマホのなかで、最も折り目の違和感が少なく、理想形に最も近づいた1台と評価できます。
気にならない折り目は本当か
折りたたみスマホの最大の魅力は、本体を開いたときに現れる大画面のメインディスプレイです。そして最大の違和感が画面の真ん中に走る折り目です。
この違和感、折りたたみスマホを使っている人は意外と気になりません。動画や電子書籍、ウェブサイト、SNSに没頭していると、折り目はまったく目に入らなくなります。スマホのベゼルと同じで、使っているうちに視界の外へ消えていく感覚です。
ただ、折りたたみスマホを使ったことのない人は、折り目が気になって動画や電子書籍の内容が頭に入ってこないのではないかと不安になるもの。より多くの人に届けるのであれば、解消しなければいけない課題です。

OPPO Find N6は、いくつもの最新技術を導入することで、折り目を大きく改善させています。
特定の角度や光の当たり方、ディスプレイをオフにしてじっくりみると、折り目が浮き上がってきますが、基本的には目に見えません。
間違いなく、これまで使ってきたどの折りたたみスマホよりも折り目が気にならないモデルです。むしろOPPO Find N6を使ったあとでは、これまで気にならなかった他の折りたたみスマホの折り目が、以前より深く見えて気になってしまうほど。これが新しい折り目の基準になりそうです。

ただ、折り目が厄介なのは、購入直後は目立たなくても、折りたたみを繰り返すことで少しずつ深くなることです。
この点について、OPPOは折り目の自己修復によって99.8%が回復し、長期間使っても折り目が深くなるのを抑えられると説明しています。正直、本当か?と思うところですが、これはOPPOが根拠なく主張しているものではありません。認証機関のテュフが60万回の開閉を繰り返してもフラットさを維持すると認めたものです。
毎日100回開閉しても約16年分に相当するため、折り目を気にする必要はないはずです。
窮屈さを感じないマルチタスキング
大きなメインディスプレイの魅力は、ただ大きな画面でドラマやスポーツを迫力のある映像で観戦できるだけではありません。複数のアプリを並べて、試合を見ながらSNSで反応を追ったり、メールの内容を確認しながらカレンダーに予定を登録することも、折りたたみスマホならでは魅力です。

ただ、どれだけ画面が大きいといってもスマホを横に2台並べた程度のサイズです。
単純に画面を区切るだけでは、アプリは小さく表示され、文字は読みづらくなり、操作もしにくくなります。無理に3つのアプリを並べても、それぞれの表示領域が狭くなりすぎて、かえって使いづらい。そのため、画面分割を2つまでに制限している機種もあります。
そうしたマルチタスキングの窮屈さを解消する機能が、OPPO Find N6の「ビュー分割」です。
通常の画面分割は、1枚の画面を左右または上下に区切ってアプリを並べます。表示割合を変えることはできますが、すべてを画面の中に収める以上、アプリごとの表示領域はどうしても小さくなります。
一方、OPPO Find N6のビュー分割は、表示領域を画面の外側まで広げ、広い作業領域に複数のアプリを並べる方式を取っています。
画面を小さく分けるのではなく、広い領域を動かしながら使う感覚で、NBAを見ながらSNSの反応を追ったり、スタッツを確認しても、従来の画面分割のような窮屈さはありません。


ビュー分割のほかにも、PCのウィンドウのようにアプリの大きさを自由に変えたり、好きな位置に並べたりできるマルチタスキングモードも用意されています。フローティング表示したアプリは、使わないときに画面端へ小さく収納し、必要なときだけ引っ張り出して使うこともできます。
一方で、Samsung DeXのように外部ディスプレイへ接続し、マウスとキーボードを使ってデスクトップ風のUIで作業できるモードは搭載されていません。
こうしたマルチタスキングを快適に利用するには性能も重要です。
OPPO Find N6のチップセットには、最高クラスのSnapdragon 8 Elite Gen 5、メモリには16GBのLPDDR5X RAMが搭載されています。複数のアプリを同時に開いても動作はなめらかで、アプリを切り替える場面でも引っかかりは感じませんでした。
よく使うのはカバーディスプレイ
折りたたみスマホの最大の魅力は、本体を開いたときに現れる大きなメインディスプレイですが、実際に使う時間が長くなるのは、本体外側のカバーディスプレイかもしれません。

もちろん、手にした最初の数週間は、メインディスプレイを使いたくて必要以上に本体を開くはずです。動画を見るときや、複数のアプリを並べて使うときはもちろん、LINEを確認して返信するときでさえ、とにかく開いて使いたくなる。折りたたみスマホを買ったのだから当然です。
ただ、使い続けていると少しずつ変わってきます。
ポケットからスマホを取り出して通知を確認する。メッセージを返す。地図を見る。電車の乗り換えを調べる。こうした日常的な操作の多くは、結局のところ閉じた状態で済ませることになります。
大画面のタブレット的な体験が足されても、あくまでもスマートフォン。だからこそ、閉じた状態で使うカバーディスプレイの完成度は、折りたたみスマホでも重要です。
以前の折りたたみスマホは、本体外側の画面が細長く、ベゼルが太く、あくまで通知を確認するためのオマケに近い印象で、メッセージを軽く確認する程度なら使えても、文字入力や地図、SNSまで快適にこなすには物足りなさがありました。
その点、OPPO Find N6は、閉じた状態で正面から見ると、左右非対称のフレームやわずかなベゼルは残るものの、パッと見では普通のスマートフォンと見分けがつかないほど。最大120Hzのリフレッシュレートによるなめらかな表示、屋外でも見やすい最大1,800ニトの明るさも備えており、通知確認、メッセージ返信、地図、決済といった日常的な操作はほとんど閉じたまま完結できます。

快適な操作には重さと厚さも重要ですが、OPPO Find N6は、閉じた状態の厚さが8.9mm、重さは225g。233gのiPhone 17 Pro Maxよりも軽く、厚さもプレミアムクラスのスマートフォンと大きく変わりません。
折りたたみスマホを持っているというより、少し重めのハイエンドスマホを使っている感覚に近いです。
超大容量バッテリーで長持ち
折りたたみスマホは大画面である一方で薄型であるために、搭載できるバッテリー容量が小さくなりがちです。
一方、OPPO Find N6は、シリコンカーボンバッテリーを採用することで、薄型の本体に6,000mAhの大容量バッテリーを搭載しています。
電池持ちはかなり優秀で、バッテリーを消費しやすいメインディスプレイで動画を長時間見るような日でも、寝る前に40%ほど電池が残っていることがほとんどでした。2日間しっかり使えるほどではありませんが、丸1日ならヘビーに使っても十分余裕があります。
付属の専用充電器を使えば最大80Wに対応。一般的な充電器でも最大55Wで充電できます。「Anker Prime Charger (160W, 3 Ports)」で充電したところ、最大で46Wを計測して1時間30分程度でフル充電になりました。

一方で、ワイヤレス充電には対応しているものの、本体にマグネットは内蔵されていません。
折りたたみスマホとスタンド型のワイヤレス充電器は相性がよく、マグネットで固定できれば、充電しながら動画を見たり、ビデオ通話をしたりする使い方がかなり快適になります。ここは便利さを知っているだけに残念です。
また、防水防じんはIP56、58、59に対応。耐水性能は優れている一方で、Pixel 10 Pro Foldと比べると防じん性能は劣ります。
妥協なきカメラの実力
OPPOは折りたたみスマホにおいて何も妥協しなかったと語ります。カメラもその1つです。
バックカメラは、老舗のHasselbladと共同開発した2億画素のカメラ、50MPの望遠と超広角カメラで構成されるトリプル仕様。さらに、OPPOの折りたたみスマホとして初めてマルチスペクトルセンサーを搭載し、自然な色味で撮れるように設計されています。

老舗カメラメーカーとのコラボは、ブランド名だけで画質の良さを伝えられるプロモーションに加えて、協業によって画質が大きく向上した例を何度も見てきました。
一方で、独自の画作りが強く出すぎることもあります。雰囲気のある写真に仕上がる反面、何を撮っても同じような印象になったり、色味やコントラストがややピーキーに感じられたりすることもあります。
今回はすべてノーマルモードで撮影してみましたが、OPPO Find N6の写真はかなり自然でした。鮮やかさで目を引くのではなく、見たままの色に近く、空の青や木々の緑、料理の色も不自然に盛られている印象はありません。明るい場所ではしっかり解像しつつ、シャドウを無理に持ち上げすぎません。
コントラストや色味にブランドらしい個性を強く出して、雰囲気を出すのではなく、より自然で落ち着いた仕上がりに。撮った瞬間に驚きを感じるタイプではありませんが、あとから見返したときに違和感がなく、見たままに近い印象で残せます。















まとめ:折りたたみスマホの新しい基準
これまでの折りたたみスマホの基準は「Galaxy Z Fold7」だったと思います。薄く、軽く、スマートフォンとタブレットの体験を1台にまとめた、真の2-in-1デバイスで、日常利用も快適な折りたたみスマホです。
この基準をOPPO Find N6が塗り替えたように感じます。
折りたたみスマホとは思えないほど優秀なバッテリー持ち、画面の広さをきちんと活かせるマルチタスキングソフトウェア、そして初めて折りたたみスマホを手にする人でも拒否反応を示さないであろう、ほぼゼロの折り目を実現しています。
特に折り目については、今後の折りたたみスマホを評価するうえで新しい基準になりそうです。これより深い折り目があるだけで、見劣りしてしまう。そう感じさせるほど、メインディスプレイの完成度は一段抜けています。
一方で、価格も新しい線を引きました。これまでハイエンドの折りたたみスマホは20万円台が中心でしたが、OPPO Find N6は30万円台に突入しています。
予算が許すなら満足しやすい1台です。折り目、薄さ、重さ、バッテリー、耐久性といった折りたたみスマホに感じていた懸念がほぼすべて解消されています。
これから夏にかけて折りたたみスマホの発表が続き、秋には噂されるiPhone Foldも控えています。ただ、OPPO Find N6を上回るのは簡単ではなさそうです。折りたたみスマホの新しい基準は、しばらくこの1台になりそうです。






















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