7月12日、Nothing Technologyが2023年の最新スマートフォン「Nothing Phone (2)」を発表しました。
日本では複数のスマートフォンメーカーが端末開発から撤退・事業を大幅に縮小し、市場に参入しても2台目が出せなかったメーカーもあるなか、デビュー作のNothing Phone (1)は限られた市場ながら80万台を販売し、2台目となる「Nothing Phone (2)」の発売を実現させました。
発売日が7月25日(火)に設定されたNothing Phone (2)は、予告されていたようにチップセット・カメラ・ディスプレイ、そして最大の特徴である背面のGlyphインターフェースが“よりプレミアム”に進化しますが、最低価格は6,000円アップの79,800円から用意されます。
予約受付は7月21日(金)0時から公式サイトで開始
世界中から高く評価されているデザイン性を最大のストロングポイントにしているNothing Technology。
前作で大きなインパクトを与えたスケルトンボディは、デザイン・機能性・ユーザビリティを向上することで完成度を高めた“よりプレミアム”な仕上がりに進化しています。
スケルトンボディに感触が優しいカーブガラスを採用
目を惹くエレメントを覆う透明なクリアガラスは、前作のフラット形状からエッジに向かって緩やかにカーブを描く形状に変更されたことで、手に取った時の感触がより優しく、持ちやすいように改善。
ほかのスマートフォンにはない900超のLEDによってド派手な光の演出で通知するGlyphインターフェースは、LEDバーを前作の5個から11個に分割し、ライティングゾーンが12から33まで増加したことで、より多彩な光の演出を実現しています。
新機能としてGlyphの光でタイマーの進捗状況を確認したり、スピーカーの音量確認、Uberなどサードパーティと連携することでUberの配車やUber Eatsによるデリバリーの進捗状況を確認できる「Glyph Progress」、DJのようにGlyphを自分で作曲・作光できる「Glyph Composer」、消費電力の改善も期待できる明るさの自動調整も追加されるなど、機能性も大幅に向上。
さらに、スマホを開くまでGlyphが点灯し続けるEssential通知にも対応し、たとえば、TwitterやGmail、LINEの通知だけGlyphを点灯し続けることで、通知に素早く反応したり、大事な通知以外はスルーして目の前に作業に集中できます。
ソフトとハード両面で進化した50MPの2眼カメラ
Glyphに囲まれた50MPのデュアルカメラは、ほぼすべての撮影シーンをカバーする広角レンズと、被写体に数センチレベルで近づいて撮影できるマクロ機能と景色をダイナミックに記録できる超広角レンズで構成されます。
Nothing Phone (2)のカメラは、ハードウェアとソフトウェアの進化と融合によって“よりプレミアム”な画質になります。
ハードウェアの進化では、広角レンズとフロントカメラのセンサーがグレードアップ。新しい18ビットISPによって前作の4,000倍となるカメラデータをキャプチャし、鮮やかさ、色、トーンを最大限に引き出す高度なアルゴリズムが実現。
新しいAdvanced HDRによって、キャプチャ量は3フレームから8フレームに向上し、RAWデータをはるかに上回る露光量でキャプチャし、肉眼とほぼ遜色ない画像に仕上げます。また、子どもやペットなど動く被写体を撮影する際に有効なAI技術を採用した新しいMotion Capture 2.0も追加されます。
大幅に向上したHDRの威力はプロのカメラマンではなく、Nothing Technologyの社員らが公開した写真でも確認できます。
📸 #NothingPhone2 #withNothing https://t.co/ST7s7OYnsz pic.twitter.com/uCAi1JJ6fS
— Akis Evangelidis (@AkisEvangelidis) July 3, 2023
望遠レンズがないためズーム撮影が不安ですが、Nothing Technologyは離れた場所から鮮やかな画像が撮れるように、あらゆるシーンをディテールまで残せる”2倍のSuper-Res Zoomに対応したと説明しています。実際の画質については、後日に公開予定のレビューで確認してください。
また、フロントカメラは前作に比べて大きさも性能も2倍の32MPビッグセンサーを搭載。Nothing Technologyは“ゲームチェンジャーの登場”と評価しています。
動画撮影では、よりなめらかな映像を記録できる60fpsの4Kに対応。スローモーションは最大120fpsから480fpsに、タイムラプスは4K、さらに子どもを追いかけている時など激しい動きでカメラを撮影してもブレを大幅に低減できるアクションモードにも初めて対応しています。
狭小化されたベゼル。最初1Hzのリフレッシュレートの“最強ディスプレイ”
前面の“よりプレミアム”なディスプレイは、前作と同じ上下左右対称のベゼルを採用しつつ、ベゼル幅はわずかに狭くなりました。画面サイズは6.55インチから6.7インチに大型化しています。
新たなLTPOテクノロジーの導入によってリフレッシュレートは最低60Hzから最小の1Hzまで落とすことで消費電力が改善。特に常時表示ディスプレイを利用する人にとっては朗報です。Nothingは「バッテリー寿命を無駄にしない、最強のディスプレイ」と表現しています。
画面の明るさはピーク輝度が1,200ニトから1600ニトまで向上。日差しの強いこれからの季節も快適に利用できるはず。
バッテリー容量は前作から200mAh増加した4,700mAhに。わずか55分でフル充電できる45W出力による急速充電に対応しています。
ピュアなAndroidをベースに独自のインターフェースを導入することで、Nothing Technologyの世界観を作り上げるNothing OS。
Nothing Phone (2)には、最新のバージョン2が搭載されています。
大きな変更はアプリのアイコンが、すべてモノクローム表示にカスタムされること。機能面ではウィジェットが大幅に強化されました。
強化されたウィジェットを利用すれば、クイック設定パネルを開いてオン/オフできるスイッチをホーム画面に配置することも可能に。
たとえば、画面上部に指を伸ばしてクイック設定パネルを開かなくてもホーム画面でおやすみモードなどを簡単にオン/オフできます。さらにウィジェットはロック画面に配置することも可能。ロックを解除することなくアクセスポイント(テザリング)を利用できます。
前作と同様に3年間のOSアップデートと、4年間・2ヶ月に1回のセキュリティアップデートが保証されています。
総合パフォーマンスが80%向上。アプリの起動時間は半分に
Nothing Phone (2)で最も大きく進化した要素の1つがチップセットです。
前作はミドルレンジ向けのSnapdragon 778Gを搭載。Snapdragon 8 Gen 1を搭載した他のフラグシップスマートフォンが火を吹くように発熱するなかで、ミドルレンジ向けのチップセットを選んだことは賢明でした。
Nothing Phone (2)は、“Nothing史上最もプレミアムなスマートフォン体験”を可能にするSnapdragon 8+ Gen 1を採用しています。
同じTSMCが製造するチップとしては、最新のSnapdragon 8 Gen 2という選択肢もあります。Galaxy S23シリーズやXperia 1 Vといった搭載機種に触れた限りでは、かなり優秀なチップで問題のあった8 Gen 1とはまったくの別物と言える仕上がりです。
そういった選択肢がありながら、あえて型落ちの8+ Gen 1を採用した理由についてCEOのカールペイは「スペック競争で1位になることよりもユーザー体験を優先した」と明かしています。
ユーザー体験において多くの割合を占めるのが価格やコストパフォーマンス。
最も安い8GB+128GBモデルは6,000円値上げの79,800円に、12+256GBモデルは10,000円値上げの99,800円に設定されるなど、予告どおりユーザー体験が優先されている印象です。なお、新たに109,800円で512GBの大容量モデルも追加されています。
残念ながら今作もFeliCaには対応していません。
Nothing Phone (2)のカラーはホワイトとダークグレーの2色。7月21日(金)0時からNothing公式サイトにて予約受付がスタートします。
Nothing Phone (2)のスペック
Nothing Phone (2) | |
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デザイン | |
素材 |
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カラー | ホワイトダークグレー |
価格と容量 |
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大きさ |
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重さ | 201.2 g |
ディスプレイ |
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メインカメラ |
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フロントカメラ |
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写真機能 |
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動画機能 |
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チップ |
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メモリ | 8GB/12GB |
電池持ち |
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ワイヤレス充電 |
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5G | Sub6 |
SIM |
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Wi-Fi |
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Bluetooth | 5.3 |
FeliCa | X |
防水 | IP54 |
USB | USB-C |
セキュリティ |
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センサー |
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パッケージ内容 |
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