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「Soundcore Liberty Lite」レビュー

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Yusuke Sakakura更新日:2018/07/17 22:41
「Soundcore Liberty Lite」レビュー

スマートフォンアクセサリーの人気メーカー、Ankerが展開する新しいオーディオブランド「Soundcore」からフルワイヤレスイヤホン「Soundcore Liberty Lite」が発売された。販売価格5,999円ながら音質良し・スタミナ良し・音漏れ良しを実現。圧倒的なコストパフォーマンスを誇る左右独立型の完全ワイヤレスイヤホンだ。今回はアンカー・ジャパンよりサンプル品を提供してもらったSoundcore Liberty Liteをレビューする。

「Soundcore Liberty Lite」レビュー

「Soundcore Liberty Lite」とは?

Ankerがクラウドファンディングで3億円の資金を集め、2017年に製品化したのが左右のスピーカーが独立したフルワイヤレスイヤホンの「Zolo Liberty+」だ。後に発売された「Zolo Liberty」と共に人気を集め、複数のレビューサイトで5点満点中4.0〜4.5を獲得している。

「Soundcore Liberty Lite」は、それらの派生モデルにあたる。ブランド名が異なるのはZoloブランドの発表後にオーディオブランドの統一されたことが原因。位置づけは上位モデルのZolo Liberty+、ミドルモデルのZolo Liberty、下位モデルのSoundcore Liberty Liteといったもの。「Soundcore Liberty Lite」は、5,999円と手の届きやすい価格ながら圧倒的なコストパフォーマンスを実現している。なお、下位モデルながら一部性能・仕様は上位モデルよりも優れている。

「Soundcore Liberty Lite」のスペック・Zoloシリーズとの違い

Soundcore Liberty LiteZolo LibertyZolo Liberty+
価格5,999円7,999円14,980円
最大使用時間(本体+ケース)12時間24時間48時間
本体使用時間(本体)最大3.5時間
ドライバー6mm5.5mm6mm
周囲音取り込み××
防水性能IPX5
音声アシスタント呼び出し
BluetoothVer 5.0Ver 4.2Ver 5.0
PUSH AND GO
コーデックAAC、SBC
周波数応答20 Hz – 20 KHz20Hz – 20KHz20Hz – 20KHz
連携アプリ××
マイク?MEMS with CVCノイズ低減MENS with EC/NRテクノロジー

現在、3モデル存在するLibertyシリーズの違いは上記のとおり。今回レビューする「Soundcore Liberty Lite」は、ケースで充電しながら利用する使用時間は劣るが、本体単体の使用時間は上位とモデルと同じ。一方で音質や使用の快適さに関わるドライバーサイズやBluetoothのバージョンなどは「Zolo Liberty」よりも優位となっている。

デザイン

防水・防汗対応のボディ

「Soundcore Liberty Lite」のデザイン 「Soundcore Liberty Lite」のデザイン

イヤホンはプラスチックとゴムを組み合わせた素材で“Soundcore”のロゴが刻まれた表面はマット仕様になっている。ロゴの部分はボタンになっていて操作することも多いため指紋が目立ちにくいマット仕様は嬉しい。スピーカーはAirPodsのように耳に引っ掛けるインナーイヤー型ではなく、耳穴に挿入して仕様するカナル型。耳穴のサイズは人それぞれだが、パッケージにはS/M/Lの3サイズのイヤーチップが同梱されていて自分の耳に合わせることができる。

ボディは雨水などの侵入を防ぐIPX5の防水性能に対応するだけでなく、塩分を含む汗による腐食を防ぐためのナノコーティングも施しているため、ワークアウトでの使用も安心。ただ、フルワイヤレスイヤホンのため運動中に耳から外れて紛失する恐れはあるが、パッケージに同梱されるS/M/Lの3サイズのイヤーウイングを装着することで落下を防げる。

ポケットからサッと取り出せるコンパクトなケース

「Soundcore Liberty Lite」のケース 「Soundcore Liberty Lite」のLEDライト

上位モデルにあたるZolo Liberty/Zolo Liberty+のケースはかなり大きく携帯性があまり良なかった。対する「Soundcore Liberty Lite」のケースは厚みはあるものの、横・縦の幅はUSBメモリぐらいでポケットに入れて持ち運べる。音楽を聞きたい時にバッグやバックパックからケースを取り出す面倒さは皆無だ。

メガネケースのようにフタを開けると、3つのLEDライトが点灯する。〜30%の残量がある時は1つ、30〜70%は2つ、70〜100%は3つのライトが白く点灯する。充電はヒンジ部分の少し下に配置されたフタを開け、同梱されたmicroUSBケーブルで充電する。イヤホン本体を充電する場合はケースに収納するだけで良い。

音質、音漏れ、装着感、遅延

ケースからイヤホンを取り出すだけで自動接続

ワイヤレスイヤホンを使うにあたって最も面倒なのがペアリングや再接続。使用機器ごとに手順や内容が異なり、ネットで検索して実際に試したけどつながらない、もう一度やったなら何故か繋がった・・・これの繰り返しでストレスを感じることも少なくなかった。

「Soundcore Liberty Lite」は、PUSH AND GOによって一度ペアリングしてしまえば、あとはケースからイヤホンを取り出すだけでスマートフォンに自動で接続され、接続を解除したい時はイヤホンをケースに戻すだけ良い。とてもカンタンで迷うことはないはず。

さらに、スマートフォンやタブレット、PCなど複数のデバイスとペアリングできるマルチペアリングにも対応している。マルチペアリング非対応のイヤホンはペアリング情報を1つしか保存できないため、複数のデバイスで利用する場合、毎回ペアリングを解除する必要があるが、「Soundcore Liberty Lite」はその必要がない。なお、マルチペアリングを利用すると、最後にペアリングしたデバイスが最優先になって接続される。

音漏れなし、装着感バツグンのカナル型

イヤホンはカナル型のため装着感はバツグンで日常使いはもちろん、ワークアウト時も「AirPods」のような落下の不安感は皆無でストレスなく使える。カナル型は音漏れにも強く、人が密集する電車や隣に並ぶ飛行機や新幹線での利用も問題ない。

ただ、「Soundcore Liberty Lite」に限らず、カナル型のイヤホンには独特の密閉感があるため、初めて利用する人は店頭でカナルイヤホンで試聴することをオススメする。また、カナル型の弱点として周囲の声が聞こえなくなるため、装着して自転車を走らせたり、空港の搭乗口で利用する場合など注意が必要。音楽も周囲の声も聞きたい場合は片方のイヤホンだけを耳に装着して利用すればいい(イヤホンの単独利用は親機となる右側のイヤホンのみ可能)。

十分な音質、問題なしの遅延、安定性も良好

肝心の音質は“業界最先端のグラフェン採用ドライバーによってクリアかつバランスのとれた豊かなサウンドと、ワイヤレスイヤホンとは思えない没入感のあるサウンドを実現”という謳い文句どおり、高音がキレイに抜けて、低音までしっかり聞こえる。約6,000円という価格を考えれば十分すぎるほどでAirPodsとは比べ物にならない。

ワイヤレスイヤホンの天敵となる遅延はYouTubeでの動画試聴やバトルロイヤルゲーム「PUBG MOBILE」で検証したところまったく問題なし。音ゲーでも試したが気になるものではなかった(検証環境は遅延が発生しにくい自宅)。遅延・音質に関わる対応コーデックは製品ページやプレスリリースには記載がなかったが、Anker Japanに問い合わせたところ他のモデルと同じAAC、SBCに対応しているとのこと。残念ながらaptX/aptX HDはサポートしていない。

ワイヤレス独自の問題として接続の安定性があるが、音の途切れやペアリングの途切れが発生しにくいLDSアンテナを採用。実際に電車での移動中などで使ってみたが、途切れることはなかった。“非常に安定したBluetooth接続が可能”といった謳い文句どおりの使い心地を実現している。

ボタンによる音楽操作、Siri/Googleアシスタントの呼び出しも

ロゴが刻印されたイヤホンのフロント部分はボタンになっていて音楽や通話を操作したり、音声アシスタントのSiriやGoogleアシスタントを起動することができる。操作方法は以下のとおり。操作内容は固定でアプリ等を使って入れ替えることはできない。また、長押しを伴う操作は反応が悪く、ボリューム操作ができないなどボタン操作はあまり快適ではなかった。

再生/一時停止ボタンを1回押す
次の曲右のイヤホンボタンを1秒間長押し
前の曲左のイヤホンボタンを1秒間長押し
着信に出る/終了するボタンを1回押す
着信を拒否する1秒間長押し
通話を保留→新規着信に出る右のイヤホンボタンを1回押す
保留中の通話と現在の通話を切り替える右のイヤホンボタンを1秒間長押し
音声アシスタントを起動するボタンを2回押す

圧倒的なコストパフォーマンスを実現した「Soundcore Liberty Lite」

「Soundcore Liberty Lite」の良いところ・悪いところ

圧倒的なコストパフォーマンスを実現した「Soundcore Liberty Lite」

GOOD

  • 5,999円の手ごろな価格
  • 価格帯以上の音質
  • 防水・防汗対応
  • 最新のBluetooth Ver5.0対応
  • カナル型によるバツグンの装着感と音漏れ防止
  • ケースから取り出すだけで利用開始。面倒な接続不要な
  • 持ち運びに優れたコンパクトケース

BAD

  • 最大12時間の電池持ち
  • イヤホンを外した時の自動停止機能なし
  • 難しいボタン操作

フルワイヤレスイヤホンの入門機としてもオススメ

左右のイヤホンが独立し、ケーブルが完全になくなったフルワイヤレスイヤホンを一度使ってしまうと、有線イヤホンやただのワイヤレスイヤホンには戻れない圧倒的な快適さがある。イヤホンを取り出して耳に装着するだけで利用開始。カバン内で絡まったり、電車などで引っかるなどケーブルの煩わしさがすべて解消される。音質や遅延は多少の引き換えになるが、それらを犠牲にしても譲れない圧倒的な快適さがフルワイヤレスイヤホンにはある。

ただ、ワイヤレスイヤホンを使ってみたいと思っても高い価格がネックになっていたかもしれない。AirPodsは約18,000円で失敗できない価格だ。その点、「Soundcore Liberty Lite」の価格は約6,000円で失敗しても「自分にフルワイヤレスイヤホンは向かなかったな」で済まされる価格でワイヤレスイヤホンの入門機としてもオススメできる機種だ。

なお、「Soundcore Liberty Lite」は、2018年7月17日まで開催されているプライム会員向けのセール「Amazonプライムデー」での先行販売となっていて、一般発売は明らかにされていない。

Soundcore Liberty Lite

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