- 「Galaxy S23 Ultra」が最もスペースを有効活用したビッグフォンとして選ばれました。
- ASUSの「Zenfone 10」が搭載機能と小ささからベストスモールフォンに、iPhone 15 Proは万能なカメラからベストカメラフォンに選ばれました。
- デザイン面での評価が高かった「HONOR Magic V2」がベストデザイン、高性能で価格が抑えられている「Pixel 8」がMVPに選ばれています。
チャンネル登録者1800万人を誇る海外YouTuberのMKBHDこと、Marques Brownleeが2023年のベストスマートフォンを発表しました。
ベストスマートフォンはベストビッグフォン」「ベストスモールフォン」「ベストカメラフォン」「ベストバリュー」「ベストバッテリー」「ベストデザイン」「ベスト折りたたみスマホ」「MIP」「MVP」の9部門で選出されています。
日本では法改正によって12月27日以降、スマートフォンの割引規制が実質的に強化されて値上げされる可能性が高いこともあって、スマホの買い替えを考えている人もいるはず。選出された機種と、その理由をチェックすることで自分にとって最適な1台を見つけられるかもしれません。
目次
- ベストビッグフォン:Galaxy S23 Ultra
- ベストスモールフォン:Zenfone 10
- ベストカメラフォン:iPhone 15 Pro
- ベストバリュー:Galaxy A54
- ベストバッテリー:iPhone 15 Plus
- ベストデザイン:HONOR Magic V2
- ベスト折りたたみスマホ:OnePlus Open
- MIP:Nothing Phone (2)
- バストオブザイヤー:Solana Saga Phone
- MVP:Pixel 8
ベストビッグフォン:Galaxy S23 Ultra
MKBHDはスマートフォンは年々大型化する一方で進化は止まっていると指摘。ビッグフォンでも画面サイズが7インチを超えることはなく、メーカーは7インチに近いサイズにできるだけ多くのものを収めようとしていると指摘。そういったなかで、望むものをすべて備え、最もスペースを有効活用したことを理由に「Galaxy S23 Ultra」がベストビッグに選出されました。
超高輝度のクアッドHD、LTPO/リフレッシュレート120Hzの6.8インチディスプレイを搭載。2億画素レンズや光学3倍/10倍ズームを含む他の追随を許さないクアッドカメラ、大容量の5000mAhのバッテリー、Snapdragon 8 Gen2 for Galaxyを搭載。スタイラスを収納するポケットも備えるなど、犠牲にするものが何もないと評価されています。
筆者のレビュー記事では、Galaxy S23 Ultraをカメラと電池持ちのダブルモンスターと表現しました。望遠圧縮が楽しめるズームカメラは、スマートフォンのレベルを大きく超えるもので、チップとディスプレイの効率化によって530枚ほど写真を撮影してもトータル利用時間は9時間を記録し、画面ONの時間は5時間20分にもなりました。
次点としてボディを開くとタブレットクラスの8インチディスプレイにアクセスできる折りたたみスマートフォンのOneplus Openが選出。折りたたみスマホは最上位モデルよりも少し下のスペックを備えることがほとんどですが、全部入りのハードウェアに、欲しいソフトウェアもすべて揃っていると評価されています。
ほかにはROG Phone 7とOPPO Find X6 Proが挙げられていますが、ワイヤレス充電器や乏しいカメラのズーム機能によって表彰はされていません。
ベストスモールフォン:Zenfone 10
スマートフォンが年々大型化するのに合わせて、片手に収まるコンパクトサイズのスマートフォンは母数が減少しています。
なかでも小型ボディにすべての機能・性能を詰め込んだコンパクトフラグシップは絶滅しそうな状態。AppleはiPhone 13 miniを最後にコンパクトカテゴリを早々に諦めて、SonyもコンパクトなXperia 5シリーズをフラグシップから徐々に遠ざけています。
コンパクトスマートフォンを望む声は確実にあるものの、縮小する理由は多くの人がスマホで動画を見たり、ゲームをプレイするため、画面サイズが小さく、大容量バッテリーを搭載できず電池持ちで不利であることから敬遠されてしまうことです。
そういったなかで小型ボディにフラグシップの機能をすべて搭載したことを理由にASUSの「Zenfone 10」がベストスモールフォンに選出されています。
画面サイズは片手で操作できる5.9インチで、昨年発売されたZenfone 9で足りなかったワイヤレス充電が追加され、耐久性に問題のあった背面の素材とソフトウェアが改善されました。MKBHDはZonfone 10を「ほぼ完璧」と表現しています。
なお、今年夏にASUSがZenfoneブランドを終了させると報じられ、Zenfone 10が最後のZenfoneデバイスになると報じられました。のちにASUSが正式撤回し、2024年も製品ラインナップにご期待くださいとコメントしていることから最高のコンパクトフラグシップは今後も続くものと思われます。
一方で今後のコンパクト需要は折りたたみスマートフォンが受け継ぐかもしれません。
MKBHDはその筆頭候補としてポケットに余裕で入るコンパクトなボディに片手でも余裕で操作できるカバーディスプレイを搭載し、動画やゲームもプレイできる6.7インチのビッグスクリーンを備えた折りたたみデバイスの「Galaxy Z Flip5」を選出しています。
予約注文数は前作比191%で過去最高を記録。韓国ではZ Fold5と合わせて予約台数が過去最高の100万台を記録した際に7割がZ Flip5でした。これまで価格がネックだったものの、Z Flip5は端末の返却を条件にした負担金は6-7万円ほど。携帯総合研究所からもかなり売れるなど大きな勢いを感じます。
ベストカメラフォン:iPhone 15 Pro
ここ数年、スマートフォンの進化が遅いと指摘される一方でカメラは進化を続けています。今年もハードウェアとソフトウェアの両面で進化し、Googleは特にAIを活用して他社とは異なる方法でカメラを進化させました。
MKBHDがベストカメラフォンに選んだのは「iPhone 15 Pro」です。今後5年間、1台しかスマートフォンのカメラを持てないとしたら即決でiPhone 15 Proを選ぶとし、“スマートフォンカメラのキング”と表現しています。
iPhone 15 Proよりも良い写真を撮影できるスマートフォンは他にもある(特にズーム撮影)ものの、さまざまなシチュエーションにおける総合的なパフォーマンスや写真とカメラの使いやすさなどを総合的に考えてiPhoneがキングだと評価しています。
動画においてはiPhone 15 Proにログ撮影機能が追加され、AppleのキーノートがすべてiPhoneで撮影されたことで世界中から賞賛されました。なお、Samsungも同じ手法を用いたものの、MKBHDはiPhoneほどいいものではなかったと感想を述べています。
Galaxy S23 Ultraについても言及し、2億画素と1億画素に大きな違いはなかったものの、全体的には本当に良いカメラと評価しています。
また、MKBHDが毎年開催しているスマートフォンカメラのブラインドテストでは、標準的なシチュエーションでは「Pixel 7a」、低照度撮影では「iPhone 15 Pro」、ポートレートでは「Pixel 8 Pro」が最も高く評価されたことを明かしています。
ベストバリュー:Galaxy A54
ベストバリューとして選出されたのは「Galaxy A54」です。400ドル以下ながら必要なものが揃っていて、不要なものがない、カメラ、バッテリー、ディスプレイ、デザインなど何も問題ないと評価されています。
ほかにも169ドルながらリフレッシュレート90Hzのディスプレイを搭載した「Moto G play」、発売後に値上げされてしまったもののリフレッシュレート90Hzのディスプレイ、Pixel Aシリーズ初の顔認証とワイヤレス充電にも対応した「Pixel 7a」も高く評価されています。
ベストバッテリー:iPhone 15 Plus
ベストバッテリーは「iPhone 15 Plus」が受賞しています。
選出理由は4383mAhの大容量バッテリーに加えて、電池消費を大幅に増大させるリフレッシュレートを60Hzに抑えることで長時間の電池持ちを実現したこと。
充電においてはApple独自規格のMagSafeに加えて、標準規格のQiのワイヤレス充電にも対応しています。次世代のワイヤレス充電規格「Qi2」にも対応しているため、来年はMagSafe対応の充電器よりも安く、マグネットを活用することで効率的に充電できる製品が手に入るはず。
ほかにも6000mAhの超大容量バッテリーを搭載し、ワイヤレス充電には対応していないもののわずか42分間でフル充電が可能な「ROG Phone 7」、バッテリー容量は4300mAhでそれほど大容量ではないものの、消費電力の小さい5.9インチのコンパクトディスプレイやソフトウェア処理によって2日間の電池持ちを実現する「Zenfone 10」も高く評価されています。
ベストデザイン:HONOR Magic V2
デザインの良し悪しは性別や年代によって大きく好みが変わることから選出が難しいものです。
MKBHDは前の年と同じデザインや巨大なノッチ、ダイナミックアイランド、プラスチックボディ、カーブエッジのディスプレイは選出できないとし、良い意味でデザインだけで話題になった機種として折りたたみスマートフォンの「HONOR Magic V2」をベストデザインに選出しています。
デザインには単純な見た目だけでなく、設計的な観点もありますが、HONOR Magic V2は圧倒的に後者が高く評価される機種かもしれません。
折りたたみスマートフォンの問題の1つは閉じた時の厚さですが、HONOR Magic V2の厚さは10mm以下で一般的なスマートフォンと大差なし。
また、スリムなボディの外側と内側には2枚のディスプレイを備え、折りたたみスマートフォンでは最大であろう5,000mAhのバッテリーを搭載。60W出力による高速充電、トリプルカメラ、テラバイトのストレージを備えるなど、これまでの折りたたみスマートフォンでは不可能、またはもう少し時間がかかると思われていたものが驚きの早さで今年登場しました。
ベスト折りたたみスマホ:OnePlus Open
今年は折りたたみスマホが熱かったということもあって新たなアワードが誕生しました。
MKBHDはタブレットサイズのディスプレイをポケットに収められるFoldフォンや一般的なスマートフォンを半分に折りたためるFlipフォンの形状や大きさ、バージョンが多種多様になったことをアワードに追加した理由に挙げています。
ベスト折りたたみスマホに選出されたのは、画面の縦横比や大きさなど、閉じた時に最も使いやすいディスプレイを備える「OnePlus Open」です。
本体を開いて大画面で動画やゲームが楽しめる7.82インチのメインディスプレイも折り目がほとんどなく「ほぼ完璧な正方形の折りたたみスクリーン」と評価されています。
折りたたみスマートフォンは一般的なスマートフォンでは窮屈なマルチタスキングが快適に動作することも特徴の1つですが、MKBHDはお気に入りの機能の1つとして、一般的なスマホと同じフルサイズウィンドウを横に並べ、3つのウィンドウを横にスクロールできる画期的なマルチタスキング機能を取り上げています。
次点には指が届きやすい幅広なサイズのカバーディスプレイを搭載した「Pixel Fold」が選出され、折りたたみスマートフォンに先行参入して徐々に品質を向上し、今では最も高い品質を誇るSamsungの折りたたみスマホ「Galaxy Z Flip5」、ベストデザインを受賞した「HONOR Magic V2」も名前が挙げられています。
MIP:Nothing Phone (2)
最も改善されたスマートフォン(Most Improved Phone)には、Nothing Phone (2)が選出されています。
生まれたばかりのブランドであり、アイデンティティを確立したばかりであることから、ハードウェアに大きな手を加えることはなかったものの、それでも解像度の高いLEDライトを背面に埋め込み、手にフィットするカーブデザインの形状を採用して改善。
特にソフトウェアはNothing OS 1.5で外注していたコードを内製化したことで、アプリの読み込み速度が最大50%も向上。Nothing OS 2.0では、より優れたGlyphコントロール、クローンアプリ、モノクロテーマを導入。Android 14ベースのNothing OS 2.5をリリースするなど、大幅な改善が高く評価されています。
また、充電端子をLightningからUSB-Cに変更することで、バッテリーの充電ストレスを解消し、対応アクセサリも充実化したiPhone 15も名前が挙げられています。
バストオブザイヤー:Solana Saga Phone
Bust of the Yearは「Solana Saga Phone」が受賞しました。バストとは失敗を表現するスラングで、MKBHDもファンであるNBAではドラフトで高順位で指名して獲得したものの活躍できなかった選手はバストと表現されます。
今の時代に販売されているスマートフォンは、値段の割に優れているか値段の割にまあまあか、どちらかであることが多く、本当に悪いスマートフォンを手に入れるのは本当に難しいとしながらも「Solana Saga Phone」が選出されています。
SagaはソラナモバイルとEssential元社員が創業したOSMOが共同で開発した“Web3スマートフォン”を謳う機種。プレスリリースを読んでも各メディアで噛み砕かれたスマートフォンの特徴を読んでも筆者には、このスマートフォンのコンセプトがどういうものなのか、どういう人が購入したいと思うのかまったく理解できませんでした。MKBHDは2秒間は良いアイディアだと思えるかもしれないが、2秒後はいかに酷いアイデアだったかがわかると評価し、セラミック製のボディだけが唯一の救いだと酷評されています。
MVP:Pixel 8
最も価値の高いMVPには、昨年MVPを獲得したPixel 7よりも大きくステップアップした「Pixel 8」が選出されています。
例年のように他の機種を大きく引き離しているわけではないとしながらもカメラを高く評価し、名前は覚えられないものの初めてブランディング化されたディスプレイは2000ニトの超高輝度とリフレッシュレート120Hzによるなめらかな映像とスクロールを実現。チップはPixel 8 Proと同じGoogle Tensor G3を搭載し、最上位機種に匹敵する(Gemini Nanoには対応していない)とんでもない量のソフトウェア機能が搭載されています。
そして7年間のソフトウェアアップデートが保証されており、セキュリティアップデートだけでなく、OSアップデートや3ヶ月に1度の機能追加アップデートも保証の対象。さらに、バッテリーなど交換が必要な部品提供も7年保証です。
MKBHDは今年登場したすべてのスマートフォンのなかで、Pixel 8はインパクト、価格、進化幅どれをとっても充実していると高く評価しています。
なお、Pixel 8はソフトバンクで負担金24円、auで負担金1万円+9,500円相当のau PAY残高還元など格安で購入できますが、12月27日以降のスマホ値上げの影響で大幅な値上げが予想されることから値上げ前に購入することをオススメします。
コメントを残す