Appleが2021年6月開催のWWDC 2021で最新のソフトウェア「iOS 15」を発表し、2021年9月21日にリリースしました。
年の一度のビッグアップデートとして登場したiOS 15では、Safariや天気、マップアプリのデザインと操作性が大幅に変更され、要約機能が追加された通知機能はその時に必要なものを見やすく優先順に並べ替えます。
通知は勉強や作業、ゲームをしている時、睡眠中、運転中など集中したいシーンに合わせて細かく管理し、ホーム画面に表示するアプリもカスタムできる「集中モード」も追加されました。
ビデオ通話のFaceTimeは、メールやLINEでカンタンに送れる参加用のリンクが作れるようになり、ついにAndroidとWindowsにも対応。iPhoneの画面を共有しながらビデオ通話することも可能。住所や電話番号など写真に写り込んだあらゆる文字をテキストとしてコピーできる「ライブテキスト」も便利です。
フルワイヤレスイヤホンのAirPodsは探すネットワークに対応。自分のiPhoneから離れた場合でも全世界のiPhone、iPad、MacがAirPodsを追跡し、アプリ上に表示される地図でどこにあるのかを確認できます。事前に紛失を防ぐためにAirPodsから離れると警告を表示する機能は必ず利用したいところ。
地味に便利な新機能も多数追加されています。例えば、iCloudの容量が足りなくても一時的に容量無制限でバックアップができるiPhoneの買い替え時に役立つ機能や紛失してしまったiPhoneの電池が切れても落とした場所を地図上に表示できる機能などがあります。
iOS 15.4では、ついに顔認証Face IDがマスクに対応します。これにより、マスクを着けたままでもApple Watch不要で画面ロックを解除できます。
この記事では、iOS 15の新機能や変更点、最新の情報をまとめています。情報は随時更新します。
目次
- iOS 15の配信はいつ?
- iOS 15の対応機種
- 大幅パワーアップのビデオ通話「FaceTime」
- メッセージ
- 通知デザインが一新
- 細かく通知を管理する「集中モード」
- 写真の文字もコピーできる「ライブテキスト」
- 超安全なコピペ機能「セキュアペースト」
- AppleのGoogleレンズ「ビジュアルルックアップ」
- ホーム画面であらゆる検索を「Spotlight」
- 写真のメモリーがApple Musicに対応
- ホテルの鍵や身分証明証の管理も「ウォレット」で
- 大規模なデザインアップデート「天気」
- 美しく便利になった「マップ」
- 離れると警告で紛失防止「AirPods」
- 追加料金不要でVPNが付いてくる「iCloud+」
- iPhone買い替え時に役立つ容量無制限の一時ストレージ
- 紛失したiPhoneが電池切れでも探せるように
- 大不評のアラームなどの時間入力が改善
- ついに顔認証Face IDがマスクに対応!!
- アダプティブリフレッシュレートが非標準アプリに対応
- iOS 15をいち早く利用する
iOS 15の配信はいつ?
バージョン | 配信日 | アップデート概要 |
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iOS 15.0 | 2021年9月21日 | 初期リリース |
iOS 15.0.1 | 2021年10月2日 |
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iOS 15.0.2 | 2021年10月12日 |
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iOS 15.1 | 2021年10月26日 |
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iOS 15.1.1 | 2021年11月19日 |
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iOS 15.2 | 2021年12月14日 |
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iOS 15.2.1 | 2022年1月13日 |
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iOS 15.3 | 2022年1月27日 |
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iOS 15.4 | 2022年?月?日 |
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iOS 15の対応機種
iOS 15の対応機種は以下のとおりです。A9チップを搭載したiPhoneとiPod touchであれば最新版にアップデートできます。
iOS 15の対応機種 |
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iPhone 13 / iPhone 13 mini / iPhone 13 Pro / iPhone 13 Pro Max |
iPhone 12 / iPhone 12 mini / iPhone 12 Pro / iPhone 12 Pro Max |
iPhone 11 / iPhone 11 Pro / iPhone 11 Pro Max |
iPhone XR / iPhone XS / iPhone XS Max |
iPhone X / iPhone 8 / iPhone 8 Plus |
iPhone 7 / iPhone 7 Plus |
iPhone 6s / iPhone 6s Plus |
iPhone SE(第2世代) / iPhone SE(第1世代) |
iPod touch 第7世代 |
大幅パワーアップのビデオ通話「FaceTime」
新型コロナウイルスの感染拡大で地方に帰省できなくなったことやリモートワークの増加に伴い、ビデオ通話の利用も増えるなかで、iOS 15ではFaceTimeが大幅にパワーアップします。
空間オーディオでより自然に
FaceTimeが「空間オーディオ」に対応することで、同じ空間で顔を合わせて会話をしているかのように、相手の声が聞こえるようになります。
通常のビデオ通話では、音声の方向が失われますが、空間オーディオによってビデオ通話内で示されている方向から音声が聞こえるため、より自然に会話できるとのこと。
騒音を除去する「ボイスアイソレーション」
FaceTimeで通話をするとマイクが雑音を拾うため、会話が聞こえにくいことが多々あります。
そこでiOS 15のボイスアイソレーションが機械学習を活用して、雑音を認識して遮断することで、自分の声を優先的に届けてクリアな音声で会話のやり取りができます。
Appleが披露したデモ動画では、巨大な送風機の音で会話が聞こえにくくなったときにiPhoneの画面をタップするだけで雑音が遮断されていました。周りの音を相手に聞かせたい時、聞かせたくない時をユーザーが操作できるということです。
全員の顔が見れる新しい「グリッドビュー」
FaceTimeのグループ通話に新しいグリッドビューが追加されます。ビデオ通話に参加している全員の顔が確認できる新しい表示方法です。
これまでのFaceTimeでは喋っている人物が大きく表示されていました。新しいグリッドビューでは全員が同じ大きさで表示されますが、話している人のタイルが白い枠で囲われるため、誰が話しているのかを明確に判別できます。
背景をぼかせる「ポートレートモード」
iOS 15のFacetimeでは、背景をぼかして自分の顔にピントが合う「ポートレートモード」が追加されます。
ZoomやTeamsといったサードパーティのビデオ通話アプリで利用できる機能がFaceTimeでも利用可能になることで、片付いていない部屋など背景をぼかすことでプライバシーを保つことができます。
FaceTimeがAndroidやWindowsに対応
リモート会議など事前に計画されたビデオ通話を行う時に便利な「FaceTimeリンク」が登場します。
FaceTimeのリンクを作成してメッセージやメールなどで共有することで、スムーズにビデオ会議を開けるようになります。
共有されたリンクをカレンダーに追加すれば、ビデオ通話をどこで・いつ始めるのか参加者全員に伝言することも可能に。
さらに、FaceTimeリンクで共有されたビデオ通話にはAndroidやWindowsからも参加できます。AndroidやWindowsから参加する場合は、専用のアプリではなくウェブから参加することになりますが、エンドツーエンドで暗号化されているため安全にビデオ通話できます。
友だちと感想を言いながら映画や音楽を楽しめる「シェアプレイ」
iOS 15のFaceTimeでは、友だちや家族と同じ音楽や映画を見ながらビデオ通話することも可能になります。新機能「シェアプレイ」です。
例えば、配信が始まったばかりの新曲や映画を友だちとFaceTimeしながら聴いて・見て感想を言い合うなどして感想を共有できます。再生位置は完全に同期されているので、位置がズレることがなく、シーンを合わせるために同じタイミングで再生ボタンを押す必要もありません。曲の操作は誰でも可能。5秒早送りした場合は、通話相手の位置も5秒早送りされて同期されます。
また、音楽をシェアプレイする場合は、共有リストに曲を追加することで、自分のお気に入りのアーティストや曲をスムーズに友達や家族におすすめできます。
映画をシェアプレイしているときは、ピクチャ・イン・ピクチャを使って映画を見ながらピザを注文したり、メッセージアプリを使ってテキストでやり取りすることも可能です。
iPhoneやiPadの小さい画面ではなく大画面で楽しみたい場合は、シェアプレイの映像をApple TVに転送することもできます。
シェアプレイできるコンテンツはApple MusicやApple TVアプリだけでなく、HuluやDisney+、TikTok、NBAなどがシェアプレイに対応しています。
画面共有しながらビデオ通話
iOS 15のFaceTimeは画面共有にも対応します。
同じ画面を見ながら旅行の計画を立てたり、ゲームをプレイしたり、iPhoneの操作方法がわからない場合は画面共有で助けることもできます。
シェアプレイや画面共有はiOSデバイスだけでなくiPadやMacなどの各Appleデバイスで利用できます。
ミュートのまま話すと通知でお知らせ
FaceTimeで通話中にその場を離れるときなど、マイクをミュートにすることがありますが、ミュートに設定していたことを忘れたまま喋って恥ずかしくなることがあります。
iOS 15では、ミュートのまま話し始めると、通知でさりげなく注意してくれるかゆいところに手が届く新機能が追加されました。通知をタップするとすぐにミュートが解除されます。
メッセージ
メッセージでは写真が複数送られてきたときのデザインが“束式”に変わります。束をスワイプしてめくったり、タップしてすべての写真を表示してそのままいいねなどの反応を返すこともできます。
メッセージに送られてきた記事や音楽をあとで読んだり、聴くときに役立つ「Share with You」が追加されます。
例えば、iPhoneでゲームをしているときにメッセージで「この曲聞いてみて!」と送られても後回しにしてそのまま聞かないことがほとんど。しばらくしてから音楽を聞こうと思ってApple Musicを起動した時はまた気分が違うはずですが、その時は友だちがおすすめの曲を送ってくれたことなんて忘れているかもしれません。
そんなときに「Share with You」がメッセージで共有された記事や音楽を勝手にメモしてくれています。写真アプリもShare with Youに対応しているので旅行の写真をメッセージで受け取れば勝手にアルバムが完成します。ほかにもSafari、ポッドキャスト、AppleTVアプリが対応しています。
通知デザインが一新
iOS 15では通知のデザインが一新されます。連絡先に登録した写真やアプリケーションのアイコンが大きく表示されるので見分けがつきやすくなりました。
勉強や仕事に集中するためにアプリやメッセージスレッドを1時間、今日1日など一時的に非表示にしたり、スレッド/グループの会話に関わっていない場合は、通知を非表示にする提案をする新機能も追加されている。
優先度の低い通知をまとめてくれる新機能
iOS 14までは緊急性のある通知と、いま見なくていい通知が同じ場所に膨大な数表示されていました。見なければいけない通知を見逃すこともありましたが、これを解決する通知の要約機能が登場します。
iOS 15では、アプリケーションをどのように利用しているのかなどを分析して、すぐに見なくても良い通知をまとめて朝/昼/夜など設定した時間に届けてくれます。
要約した通知は優先順に並べ替えされて重要度の高い通知が上に表示されます。なお、要約の対象になるのは自動通知だけが対象のため、人が発信した大事なメッセージなどは含まれないので重要な通知を見逃すことはありません。
おやすみモードを相手にお知らせ
すべての通知をオフにできるおやすみモードをオンにすると、メッセージアプリに“◯◯さんは、通知を受け取らないようにしています”とのステータスが表示されて、返信できないことを優しく伝えることができます。
もし相手がステータスを確認せずメッセージを送信しようとすると、メッセージアプリが注意を促す機能も備えています。どうしても緊急性の高いメッセージであればステータスを無視して送る手段も用意されています。
細かく通知を管理する「集中モード」
おやすみモードはすべての通知をオフにする強力な機能ですが、もっとマイルドでシーンに応じた機能が使いたいという人もいるはず。そこでiOS 15では「集中モード」が追加されておやすみモードも統合されます。
集中モードは、何に集中したいのかを選択すると、iOSが過去の利用状況を分析して通知を許可するアプリや人を提案します。例えば、「仕事」を選択した場合は同僚からの通知のみ、またはメールやカレンダー、Slackなど仕事関連のアプリの通知のみを受信することが可能。自分好みにカスタマイズしたモードを追加することもできます。
- おやすみモード
- パーソナル
- 仕事
- 睡眠
- 運転
- ゲーム
- フィットネス
- マインドフルネス
- 読書
また、集中モードに合わせて表示するホーム画面を隠すことも可能です。例えば、仕事をオンにしたときにゲームやTwitter、Instagram、YouTubeといったついつい使ってしまうアプリケーションを配置したホーム画面そのものを非表示にするといったこともできます。
さらに、時間・場所・起動するアプリを指定して、集中モードを自動でオン/オフするよう設定したり、場所や時間などによって集中モードの使用をiOS 15が提案してくれたりもします。集中モードはすべてのデバイスで同期されるため、MacやiPad、Apple Watchなどで1つずつ設定する必要はありません。
写真の文字もコピーできる「ライブテキスト」
黒板やホワイトボード、お店のメニューなど、iPhoneのカメラで撮影した写真に写っている文字を認識して、iPhoneでコピーや貼り付けが可能なデジタルテキストとして扱える「ライブテキスト」が追加されます。
例えば、ミーティング後のホワイトボードにiPhoneのカメラを向けて、右下に表示されるアイコンをタップすると、ホワイトボードに書かれた文字だけがハイライトされて文字をコピーできます。コピーしたテキストをメモに貼り付けて保存したり、LINEで友だちに共有することも可能。
カメラアプリだけでなく、写真アプリに保存されている写真やスクリーンショットを選択して同じように文字をコピーできます。
写真に住所や電話番号も自動認識するため、例えば住所をタップすると地図アプリが起動し、電話番号をタップするとそのまま電話をかけたり、連絡先に登録することも可能です。
非常に便利なライブテキストですが、残念ながら対応する言語は英語、中国語、フランス後、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語のみ。iPhoneの言語を日本語から英語に切り替えることでライブテキストを利用できます。日本語の識別には対応しているので、近いうちに日本語でも利用できるかもしれません。
超安全なコピペ機能「セキュアペースト」
iOS 14では、ユーザーの許可なくクリップボードにアクセスする怪しげなアプリが可視化されたことで、多数のアプリがクリップボードにアクセスする機能を削除しました。
一定の効果があったものの、クリップボードにアクセスできる状態は変わらないまま。クリップボードには、コピーしたパスワードなど重要な情報も保存されるため、セキュリティやプライバシーの懸念は残っていました。
この懸念を解消するのがiOS 15の新機能「セキュアペースト」で、ユーザーがペースト操作しない限り、アプリはクリップボードにアクセスできなくなります。また、ペースト操作をした時に起動しているアプリのみ許可されるため、セキュリティやプライバシーの懸念が解消されます。
AppleのGoogleレンズ「ビジュアルルックアップ」
テキストだけでなく写真に映った被写体をタップするだけで犬の種類や花の種類などがわかるGoogleレンズライクな「ビジュアルルックアップ」も追加されます。ほかにもアートや本、自然、ペット、ランドマークに対応します。
ホーム画面であらゆる検索を「Spotlight」
ホーム画面であらゆるものを検索できるSpotlightも強化されます。
Spotlightの検索対象に写真が追加されるため、写真に映っている人や風景、物体、土地の名前、さらにライブテキストによって写真に写り込んだ文字をSpotlightに入力するとヒットした写真がタイル状に表示されます。
連絡先にも新たに対応。連絡を取りたい相手の名前を入力するとメッセージや音声通話、ビデオ通話、メールといったあらゆる連絡手段のボタンが表示されてそのままスムーズにやりとりができます。
俳優やミュージションの名前を検索すると出演作や楽曲、ニュース記事などが表示されます。
写真のメモリーがApple Musicに対応
写真やビデオを集めてちょっとしたアルバムを作ってくれるメモリー機能がApple Musicに対応してBGMを付けてくれます。
新機能メモリーミックスによってフィルターを変更すると、フィルターに合わせたテンポやBGMが選択されるので手間を欠けずに印象的なメモリーを作れます。
もちろん特定の曲を検索したり、Apple Musicの再生履歴からBGMを指定することも可能です。
ホテルの鍵や身分証明証の管理も「ウォレット」で
ウォレットアプリで家の鍵や社員証、ホテルの鍵を管理できるようになります。
ホテルの鍵は客室が用意できるとホテルに到着する前に自動で鍵が受け取れてチェックインできます。今年秋からハイアットホテルが世界中の1000施設以上で導入を開始するとのこと。
さらに、今年秋からアメリカの対応する州でID(身分証明証)も追加できるようになります。IDを追加するには運転免許証や州発行の身分証明証をスキャンするだけ。
デジタル身分証明証が使える最初の場所は米国の空港の保安検査場になるそうです。身分証明証を見せると、どの情報が求められて提示されたのかが把握できるとのこと。
使い終えた搭乗券やチケットをアーカイブできる機能
Walletアプリに追加した飛行機の搭乗券や映画のチケットなど「パス」のアーカイブ機能が追加されます。
iOS 14までは使い終わった搭乗券やチケットなどはアプリ内にどんどん貯まっていくので、今使いたい搭乗券が探しづらくなるため、都度削除する必要があります。ただ、搭乗券や映画のチケットは思い出の一部なので削除しづらいもの。
そこでiOS 15ではアーカイブ機能によって、使い終わった搭乗券や期限切れのチケットが別の画面にリスト形式で表示されるようになります。
アーカイブ機能はデフォルトでオンになっていて、アプリを起動すると画面下部に「XX枚の期限切れのパス」というリンクが表示されるので、このリンクをタップすることで使い終えた搭乗券や期限切れのチケットを確認できます。
これまでのようにすべてのチケットを表示したい場合は、設定画面の「WalletとApple Pay」からアーカイブ機能をオフにすることも可能です。
大規模なデザインアップデート「天気」
天気アプリは風や雨、空気質の悪化、晴天など状況に応じて表示するデータや配置が変化するなど、大規模なデザインアップデートが実施されます。
雪が降ったり、雨が降ったりアニメーションの背景も1から再設計されたほか、風やUV指数、気圧などの状態が把握しやすくなります。
美しく便利になった「マップ」
マップは地球儀表示や夜間表示モード、都市部のより詳細な3D表示に対応するほか、ナビ機能では右左折の車線や中央分離帯、バスやタクシーの専用レーン、横断歩道、自転車レーンなどの情報が追加。
さらに、高速道路では立体表示に対応することで、道路が複雑に入り交じる複雑なインターチェンジがわかりやすく表示されます。
電車を利用する場合は、最寄り駅がカンタンに探せるようになり、よく使う路線を一番上に固定表示することも可能に。Apple Watchと連携することでiPhoneを取り出さずに乗り換えが可能。また、目的地に近づくと乗り過ごしを防止するために通知してくれます。
駅を出てからの道がわからない場合は、iPhoneのカメラをかざして周囲の建物をスキャンすると、目的地までのルートをARで案内してくれるARナビゲーションが利用できます。
なお、現時点で対応するのはロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、フィラデルフィア、サンディエゴ、サンフランシスコのベイエリア、ワシントンD.C.のみ。日本では利用できません。
離れると警告で紛失防止「AirPods」
AirPodsを補聴器のように使えるライブリスニング機能では、会話している人の声が聞き取りやすいように強調する機能が追加され、電話やメッセージに加えて通知を読み上げてくれる新機能にも対応します。
AirTagですでに利用できる探すネットワークにAirPodsが対応します。自分のiPhoneから離れた場合でも全世界のiPhone、iPad、MacがAirPodsを追跡するため、いまどこにAirPodsをあるのかを地図上で確認できます。
音を鳴らして探す機能に加えて、AirPodsがどの方向にあるのか、どれぐらい離れたところにあるのかをiPhoneの画面で確認しながら探せる機能にも対応。
さらに、AirPodsから離れると警告を表示して紛失を防止できる待望の機能が追加されます。
追加料金不要でVPNが付いてくる「iCloud+」
iOS 15ではiCloudの有料サブスクリプションサービスが「iCloud+」にアップグレードされて4つの新機能が追加料金不要で追加されます。
最も注目の機能はVPNのような「iCloud Private Relay」で、この新機能によってSafariをより安全に、プライバシーが保護された状態でインターネットを利用できます。iPhoneから送られるデータを誰かが傍受したり、読み取ることはできないよう確実に暗号化することで、IPアドレスや位置情報、閲覧履歴からどういった人物かを予測することがAppleを含めて誰もできなくなります。
このほかにも独自のランダムなメールアドレスを作成することで、自分のメールアドレスを共有せず、安全にメールを受信できる「メールを非公開」や独自のドメイン名を使ってメールアドレスを作れる「オリジナルのEメールドメイン」などの機能が追加されます。
iPhone買い替え時に役立つ容量無制限の一時ストレージ
古いiPhoneから新しいiPhoneに買い換える時にデータを移行するために必要なバックアップ。
ほとんどの人が利用しているiCloudバックアップは、iCloudを無料で利用している場合、容量が5GBしかないため容量不足でバックアップできずにストレスを感じていた人も多いはず。
iOS 15では、iCloudの容量が足りなくても一時的なバックアップを完了するために必要な容量を最大3週間、無料で提供することで、すべてのアプリ・データ・設定をバックアップして新しいiPhoneに以降することができます。
紛失したiPhoneが電池切れでも探せるように
お店に置き忘れるなどして無くなったiPhoneを探す時に役立つ「iPhoneを探す」は、iPhoneの電池が切れた場合、最後に検出された場所が地図上に表示されます。
誰かが盗んだり警察や駅員に届けられた場合など、移動した場合は役に立たなくなってしまいますが、iOS 15では電池が切れたり、誰かに電源が切られた場合でもiPhoneの位置を特定することが可能になります。
実はiPhoneは電池が切れた場合でも完全に動作しないわけではなく、予備電力を使った「パワーリザーブ」というモードに移行します。
パワーリザーブに移行したiPhoneは操作することはできないものの、最大5時間までSuicaやPASMOなどのエクスプレスカードを利用できます。iOS 15では「iPhoneを探す」がパワーリザーブモードに対応することで電池が無くなったiPhoneでも今ある場所を探すことが可能になります。
大不評のアラームなどの時間入力が改善
iOS 14では、カレンダーアプリで時間を追加したり、時計アプリでアラームを追加して時間を変更する場合、画面下部に表示される数字のキーボードをタップする操作方法に変更されました。
従来のドラムロールをぐるぐる回す方式に比べて少ない操作数で時間を入力できることから一部のユーザーは好意的な反応を示したものの、多くのユーザーから使いづらいと不満の声が出たことでiOS 15では改善されます。
iOS 15で時間を入力する場合、iOS 13以前と同じドラムロールをぐるぐる回転させて時間を入力する方式に戻り、さらにドラムロールをタップすることで数字のキーボードで時間を入力することも可能になります。
ついに顔認証Face IDがマスクに対応!!
iPhoneの顔認証「Face ID」はマスクを着けたままでは顔を正確に認識できないことから、新型iPhoneが発表されるたびに指紋認証の復活を求める声が数多くあがっています。
それでも指紋認証を復活させたくないApple。iOS 13.5ではマスクを着用していると判断した場合、顔認証をスキップしてすぐにパスコードを入力できるよう改善。iOS 14.5ではApple Watchのロックが解除されていて、マスクを着用していると判断した場合、パスコードの入力すらもスキップしてすぐにロック画面を解除できるよう改善されています。
これだけやっても不満の声は収まらないため、iOS 15.4ベータ1でついにFace IDがマスクに対応しました。これにより、Apple Watchなし・マスクを着けたままでもFace IDが動作します。
iOSをアップデートすると、マスク着用時にFace IDを使用するか、これまでどおりFace IDを拒否するかを選択します。「マスク着用時にFace IDを使用する」を選んだ場合は、顔全体ではなく目の周りの特徴を認識し、持ち主本人と判断した場合は、画面ロックを解除したりApple Payを起動できます。
「マスク着用時にFace IDを使用する」を選ぶと、メガネを着用した状態の顔を追加登録できるようになります。つまり、顔がメガネとマスクで覆われている状態でもスムーズな認証が可能になるということ。
残念ながら顔認証Face IDのマスク対応は、iPhone 12シリーズとiPhone 13シリーズの8機種のみ対象。iPhone X|XS|11シリーズは対象外です。
この待望の機能がいつごろ正式提供されるのかはわかりません。開発の段階で問題が発生した場合はリリースが先送りになる可能性もあります。
アダプティブリフレッシュレートが非標準アプリに対応
iPhone 13 Pro|13 Pro Maxで利用できる「アダプティブリフレッシュレート」がようやくサードパーティアプリに対応します。
アダプティブリフレッシュレートは、ゲームや動画などの映像コンテンツやアニメーション、スクロール時の動作を滑らかに表示する機能。アダプティブリフレッシュレートに対応したiPhoneは、1秒間における画面の書き換え回数を表すリフレッシュレートが最大120Hzーーつまり1秒間に120回画面が書き換えられます。これは一般的なスマートフォンに比べて約2倍の回数です。
しかしながら他のiPhoneに比べてあまりに滑らかに感じられないという声も多くありました。
これは、サードパーティアプリにおいて一部のアニメーションのリフレッシュレートが上限60Hzで動作する不具合が原因です。iOS 15.4 ベータ1ではこの不具合が解消されることで、サードパーティアプリでもすべてのアニメーションが最大120Hzで動作するようになります。
iOS 15をいち早く利用する
今日から開発者向けにベータ版「iOS 15」の提供がスタートしています。開発者でなくてもApple Developer Programに加入することでベータ版をインストールできます。
ベータ版のインストール方法はカンタンではありませんが、以下の記事では画像付きで優しく解説しています。