楽天のオリジナルスマートフォン「Rakuten Mini」の先行販売が2020年1月23日からスタートしている。
この記事では3.6インチのディスプレイを搭載した世界最小・最軽量のFeliCaスマホ「Rakuten Mini」をレビューする。
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目次
わずか79gのコンパクトボディ
「Rakuten Mini」最大の特徴はわずか79gのコンパクト・軽量ボディにある。
最近のスマートフォンは、動画視聴やゲーム需要の高まりによって画面サイズの大型化やバッテリーの大容量化が進み、それに合わせてボディサイズも大きくなっているが、「Rakuten Mini」はiPhone 4を一回り小さくしたサイズを実現。
横幅はわずか53.4mm。75.7mmのiPhone 11、68mmのXperia 5、70.4mmのGalaxy S10mなどハイスペックモデルと比べて10mm以上も横幅が小さいため片手操作も快適。パンツや胸のポケットに入れていることを忘れてしまうほどのサイズ感だ。
超コンパクトサイズでFeliCaを搭載しているのもポイント。PayPayなどの普及によってFeliCaを搭載していないスマートフォンでもキャッシュレス決済できるようになったが利便性ではタッチ決済に敵わない。
おサイフケータイ対応で「モバイルSuica」も利用可能。今年春には「モバイルPASMO」がスタートする。「Rakuten Mini」が対応機種になればカード式PASMOの代わりとして利用するのも良さそう。カード式PASMOよりもサイズは大きいが、スマートフォンからチャージしたり定期券を購入することが可能だ。
個人的にはジムでよく利用している。iPhone 11 Proはウェアのポケットに入らないが、「Rakuten Mini」であればトレーニングウェアの小さなポケットにも入る。ワークアウト中に動画を見たり、音楽を聴いたり、タイマーをセットして筋トレできるほか、休憩中に通知の確認や自販機でドリンクを購入できるなど超コンパクトスマホならではの使い方ができる。
小さくても打ちやすい文字入力
ボディサイズが小さくなるほど片手操作は快適になるが、キーボードのサイズは小さくなるため文字入力が難しくなる。
「Rakuten Mini」ではどうか。Androidの標準キーボードであるGboardとは別にプリインストールされているiWnn IMEが小さい画面に最適化されていて使いやすい。最適化の内容はスペースキーや確定キーなど左右に配置されたサブキーのサイズを小さくして、文字入力に利用するメインキーのサイズを大きくするというもの。
Gboardに比べて圧倒的に誤入力は少なくなるが、独特なキー配置が残念。ほぼすべての文字入力アプリにおいて右上には削除キーが配置されているが、iWnn IMEはカーソルキーが配置されているため、文字を削除したつもりがカーソルを動かしていたという誤操作が頻発する。
慣れれば解消されそうな問題だが「Rakuten Mini」はメインではなくサブとして利用していることもあってそうカンタンに慣れそうにない。色々な文字入力を試してみたところATOKがしっくりきた。以下の動画はiWnn IMEによる文字入力。
Rakuten Miniで文字入力。カメラ構えながらとしてはまあまあ pic.twitter.com/mTLy6OvPLQ
— Yusuke Sakakura🍎携帯総合研究所 (@xeno_twit) January 23, 2020
超小型画面に最適化されたインターフェース
「Rakuten Mini」のホーム画面には超小型の画面でも使いやすい独自インターフェースが採用されている。
ホーム画面は横3ページ構成。左には楽天が運営するInfoseekニュースで配信されている最新記事が並び、真ん中にはアプリ、右にはウィジェット専用の画面が並ぶ。いずれのページも縦スクロール形式を採用。
アプリは1つの画面に最大7つしか配置できないが、かわりにビッグサイズのアイコンが表示されるため、小さい画面でも誤タップすることなく正確にアプリを起動できる。
Rakuten Miniの独自インターフェース。小さい画面でも操作しやすいビッグアイコン pic.twitter.com/PLW6AyVTmX
— Yusuke Sakakura🍎携帯総合研究所 (@xeno_twit) January 29, 2020
気になる電池持ちは?
バッテリー容量は1,250mAh。3,000〜4,000mAhを搭載するハイスペックモデルに比べれば半分以下だが、同じ手のひらサイズのPalm Phoneに比べれば約1.5倍だ。
公称値は連続待受時間が約160時間、連続通話時間が5.4時間。実測値はTwitterやブラウジングなどライトな使い方であれば2時間で約20%ずつ、動画視聴は1時間で約25%減っていく。
プロセッサはローエンド向けのSnapdragon 439を搭載しているため、高い処理能力を必要とする本格的なゲームは向かないが、小さい画面と位置情報ゲームのポケモンGOやドラクエウォークとの相性は良い。ただ、消費電力が高い位置情報ゲーは1時間で40〜50%ずつ減っていくため、長時間プレイするのであればモバイルバッテリーが必須だ。
現在のところ「Rakuten Mini」は、使い放題の無料サポータープログラム対象者のみが購入できるため、モバイルルーター代わりに利用する人も多いはず。テザリングを利用したところ1時間で15%〜20%ずつ減っていった。
充電にはUSB Type-Cケーブルを使用する。フル充電までの時間は約1時間30分だった。
画面ロック解除用の顔認証
「Rakuten Mini」には簡易的な顔認証が搭載されている。写真で顔認証が突破されることはなかったが、顔の登録時に指紋やパターン、パスワードよりもセキュリティレベルが低いと案内されるため使用する際は注意が必要だ。
認証スピードは電源ボタンを押してから1〜2秒後に画面ロックが解除される。Pixel 4の顔認証やiPhoneのFace IDに比べるとツーテンポぐらい遅く、環境によってはうまく認証されないこともある。また、AndroidのAPIに対応していないのかGoogle Playストアで有料アプリを購入する際の認証や1Passwordなどパスワード管理アプリでは顔認証を利用できない。
セキュリティのことを考慮しているのか顔認証は画面ロックを解除するためだけのものになっているようだ。
まとめ
It's GOOOOD!!
- 世界最小・最軽量のFeliCaスマホ
- わずか79gのボディ
- コンパクトスマホに最適化されたインターフェース
- 2.1万円の手ごろな価格
TOUGH...
- 短い電池持ち
- 画面のアンロックに限定された顔認証
- イヤホン端子なし
- microSDなし
- 32GBの小容量
“世界最小・最軽量のFeliCa搭載スマートフォン”の「Rakuten Mini」は、小型スマートフォンが好きな人をワクワクさせてくれるスマホだ。
ただ、保存容量がわずか32GB、microSD非対応といったこともあってメインのスマートフォンとして利用するのは難しい。電池持ちを考えるとおサイフケータイ用としても難しいかもしれない。
さらに、eSIM専用ということもあって無料サポータープログラムの終了と共に楽天を解約しようと考えている場合は、Wi-Fi専用機にするか選択肢が非常に少ないeSIMサービスを契約しなければいけない。
それでも税込み21,800円の販売価格は魅力的だ。購入と同時に18,000ポイントが戻ってくるため実質3,800円であることを考えれば、国内通話・国際通話・データ通信・国際ローミング(データ通信)・SMSをすべて無料で利用できるサポータープログラム用でも高くはない。
現在、「Rakuten Mini」は、無料サポータープログラム対象者(現在は応募締め切り)を限定に楽天モバイルショップ6店舗(恵比寿店、渋谷公園通り店、池袋東口店、名古屋栄店、心斎橋店、神戸三宮店)での先行販売となっている。現在はナイトブラックとクールホワイトの2色が販売されているが、4月以降には「クリムゾンレッド」が追加される。
「Rakute Mini」のスペック
OS | Android 9 Pie |
---|---|
サイズ | 106.2 x 53.4 x 8.6mm |
重さ | 79g |
ディスプレイ | 3.6インチ TFT液晶 HD(1,280x720ピクセル) |
カメラ | 16MP |
フロントカメラ | 5MP |
プロセッサ | Snapdragon 439 オクタコア(2GHz + 1.45GHz) |
メモリ | 3GB |
ストレージ | 32GB |
バッテリー | 1,250mAh 連続待受: 約160時間 連続通話: 5.4時間 |
防水 | IP52 |
Wi-Fi | 802.11 a/b/g/n/ac |
FeliCa | ○ |
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