菅官房長官の「今よりも4割程度下げる余地がある」と述べ、今年は各社が“最大4割値下げ”を実現する新料金プランを発表したが、ユーザーが支払っている額が3年前に比べて上がっていることがMMD研究所の調査で明らかになった。
支払額は4割り値下げどころか値上げに
MMD研究所がスマートフォンを使っている15歳から69歳の男女を対象に調査を実施し、「大手3キャリア・格安スマホ別 月額料金の推移(2016年~2019年)」を発表した。
調査結果によると、平均月額料金は大手3キャリア・格安スマホユーザーともに2016年から増加しており、大手3キャリアは月額590円増加、格安スマホも月額822円増加している。
細かく見ていくと大手3キャリアでは「6,000円以上8,000円未満」と「8,000円以上10,000円未満」が毎年減少。一方で「2,000円以上4,000円未満」は3年前から2倍、「14,000円以上」が約5倍に増加している。
格安スマホでは「2,000円以上4,000円未満」と「4,000円以上6,000円未満」が増加した一方で「2,000円未満」が毎年減少して3年前に比べて半分になったようだ。
注意が必要なのは調査対象が料金プランではなくユーザーの支払っている月額料金ということ。もちろん、端末購入補助が規制されたことや端末価格の値上がりなども支払額の増加に小さくない影響を及ぼしているはずだが、3年前に比べて大容量のプランを求めたユーザーが増えたり、格安スマホにおいては普及するに連れてユーザー層が変わったことも考えられる。
間違いないのは4割程度下げの余地があるとの発言に多くの人が裏切られたことだ。
政府が言い訳にしている楽天の本格参入をキッカケにした価格競争に期待したいが、「無料サポータープログラム」として提供されているプレサービスは電波が入らない場所が多い*ため、まともに使えるにはまだまだ時間がかかりそうだ。5Gの商用サービス開始も迫っているが、当然5Gスマートフォンの端末価格は高く設定されるため、ユーザーの支払う月額料金が劇的に下がることは当面ないのではないだろうか。
「無料サポータープログラム」では、楽天回線が使えないエリアはローミングによってauの回線が利用できるが、どちらの回線も利用できない場所が多く存在している。
コメントを残す