MMD研究所が「2019年スマートフォンの料金に関する調査」を実施し、調査結果を発表した。
早ければ今年夏にも義務化される「分離プラン」にも及んでいて、通信と端末をセットにした割引が禁止される完全分離によってユーザーが支払える機種代金は大幅に減少するようだ。
分離プランやスマホ料金に関する調査
「2019年スマートフォンの料金に関する調査」の調査期間は2019年2月26日。13歳から59歳の男女563人を対象に調査された。調査項目は以下のとおり。
- 総務省が携帯電話会社に通信料金と端末代金を完全に分離することを求めています。通称「分離プラン」と言いますが、あなたの「分離プラン」への理解度を教えてください。
- 「分離プラン」が義務化になった場合スマートフォン本体の価格が高くなると予測されています。そうなった場合スマートフォン本体に支払える許容範囲の金額はいくらですか?お気持ちに近い金額をお答えください。
- あなたが現在契約されているキャリアでの1ヵ月の料金の総額を教えてください。(端末代、オプションを含む)
- あなたがスマートフォンを購入した時のスマートフォン本体の金額を教えてください。分割金額ではなく、本体代金でお答えください。
分離プランを完全に理解しているのはごくわずか
分離プランは、通信と端末を完全に分離させることでわかりにくい料金体系をシンプルにするもの。通信料の値下げが見込まれる一方で、分離プランによって通信の契約を条件に機種代金を割り引くことが許されなくなるため、月々サポートや毎月割、月月割といった割引が廃止になり機種代金は高くなる。
調査によれば、この分離プランを理解していると答えたのは39.6%で、半数以上が理解していないようだ。また、完全に理解していると答えたのはわずか8.5%になった。分離プランを含む電気通信事業法改正案は3月5日に閣議決定されていて、早ければ夏以降にも実施されるが、ほとんどのユーザーがプランが変わってから知ることになりそうだ。
分離プラン導入で支払えるスマホ代は約3万円の減少に
大手3キャリアと契約しているユーザーが支払っているスマートフォンの機種代金は「80,000円以上90,000円未満」が14.3%で最も多く、平均金額は70,268円となった。
機種代金が高額になる分離プランの導入によって支払える機種代金は「80,000円以上90,000円未満」が3.1%まで減少。「10,000円未満」が19.3%で最も多くなり、平均金額も大幅に減少して39,832円となったようだ。
分離プランが大きな影響を与えるのは5Gスマホの普及だ。SamsungやHUAWEIといったトップメーカーが5Gスマホを既に発表しており日本でも今年中にプレサービスがスタートする。ドコモは2020年春に商用サービスを開始するため、来年の春以降には多くの5Gスマホが発売される。
最新の技術や部品が使用される5Gスマホは当然のことながら機種代金が高額になる。とても10,000円未満では購入できないだろう。毎月の料金は安くなると見られているが、分離プランは5Gスマホの普及に小さくない打撃を与えそうだ。
なお、格安SIMユーザーが支払っているスマートフォンの機種代金は「20,000円以上30,000円未満」が23.7%で最も多く、平均金額は40,262円となった。分離プランの導入後も「20,000円以上30,000円未満」が23.1%で最も多く、平均金額が33,614円とあまり大きな変化はないようだ。
スマホの料金は月額8,451円。格安SIMユーザーは1/3に
端末代やオプションを含むスマートフォンの料金では、大手3キャリアと契約しているユーザーは「7,000円~8,000円未満」が13.6%で最も多くなり、平均月額料金は8,451円となった。
これに対して格安SIMユーザーは「2,000円未満」が43.1%で最も多く、平均月額料金は大手キャリアに比べて1/3の2,753円になっている。
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