GoogleがビッグイベントのGoogle I/Oにて「Pixel Tablet」が発表されました。
存在自体は噂されていたものの、当該イベントでの発表は予想外のことで世界中のGoogle Pixelファンを驚かせました。
Googleが最初にタブレットを発売したのは2012年でした。コンパクトタブレットの「Nexus 7」を日本を含めた世界各地で発売し、多くのファンに愛されたものの、その後はうまくいかず2018年発売のPixel Slateを最後にタブレットの開発をストップ。
Googleがタブレット向けのソフトウェア開発さえもストップしてしまったため、Androidタブレットで絶対的なポジションにいるメーカーやデバイスは存在しないことから「Pixel Tablet」は多くの可能性を秘めています。
日本でGoogleがAndroidタブレットを発売するのは「Nexus 9」以来、約9年ぶり(Pixel SlateはChrome OSかつ日本未発売)。この記事では、待望のPixelタブレットに関する機能や価格、デザインなどの最新情報と噂をまとめています。
目次
Pixel Tableの公式情報
Googleは2022年5月に開催したビッグイベントGoogle I/O 2022にて「Pixel Tablet」を初めてお披露目し、10月に開催した新製品発表イベントにてさらなる情報を伝えています。
ここではGoogleが発表している公式情報をまとめましょう。
発売日はいつ?
Pixel Tabletの発売日は2023年と案内されています。
通常、Googleが新商品を発表するのは5月開催のGoogle I/Oと秋開催の新商品発表イベントです。
Pixel Tableもどちらかのタイミングで発表日が正式案内され、数週間後に発売されるものと予想されます。
Pixel Tabletのデザイン
Pixel Tabletの見た目はスマートディスプレイとして展開するGoogle Nestシリーズのディスプレイ部分に非常によく似ています。Google Nestからスピーカーだけを切り離しても見分けがつかないかもしれません。
ラウンド形状の背面には、おなじみのGoogle Pixelのロゴがプリントされています。シングルレンズのカメラや専用ドックを接続するためのマグネット端子も確認できます。
側面にはスピーカーとUSB Type-C端子が確認できます。スピーカーは左右の側面に配置されることからクアッド仕様になるようです。映画やドラマなども違和感がなく迫力のあるサウンドで楽しめそうです。
カラーは少なくとも2色存在することがわかっています。1つはPixel 7 Proと同じ色合いの「Hazel」(ヘーゼル)、もう1つはPixel Watchのバンドと相性の良いベージュのようなカラーです。




スピーカー付きのドックに対応
Pixel Tabletの背面にはマグネット端子が備えられていますが、やはりアクセサリ向けの端子のようです。
GoogleはPixel Tablet向けのスピーカー機能付き充電ドックを発表し、マグネットによって簡単に着脱でき、タブレットをGoogle Nest Hubのように使用できます。
指紋認証は確認できず
Googleが公開した画像からは、タブレットの画面ロックを解除するための指紋認証センサーを今のところ確認できません。
Pixel 4で3D顔認証を実現したSoliレーダーを搭載して顔認証に対応する可能性もありますし、コストを抑えたいのであれば、Pixel 7 Proに導入された特別なセンサーを必要としない新しい顔認証に対応することも考えられます。これに関しては公式の情報を待ちたいところです。
Pixelスマホと一緒に使うのにぴったり
Androidタブレットの大きな弱点の1つにPixelスマートフォンとの連携機能ーーいわゆるエコシステムがあげられます。
Googleは優れたエコシステムの存在については明言していないものの、「Pixelスマートフォンと一緒に使うのにぴったりなタブレットとして、日々の生活に寄り添い、自宅でも外出中でも便利に使うことができる」と説明していることから何らかの連携機能を備えているようです。
Google Tensor G2チップを搭載
Pixel Tabletには、優れた写真や動画の撮影、安心のセキュリティ、便利な音声認識、役立つパーソナライズなどの機能を提供する独自チップのGoogle Tensorが搭載されることが正式発表されています。
Googleが今年発売したPixel 7シリーズと同じ第2世代であることが正式発表されています。
Google TVを搭載
Googleが公開した画像からPixel Tabletには、動画やゲームコンテンツが楽しめるGoogle TVが搭載されることがわかっています。
おすすめを表示するFor youのほかに、Highlight、Shop、Your stuffといったメニューも確認できます。
Google TVは1つのOSサイズの機能を備えているため、Androidとどのように切り分けがされるのか、どのようにインターフェースをスイッチするのかはわかりません。
Pixel Tableの噂
ここではGoogleが正式発表していないものの、Androidのソースコード管理プロジェクトAOSPやGoogle標準アプリの解析結果からの予測、リークなどによるPixel Tabletの噂をまとめます。
画面サイズは11インチ
開発者のWojciechowskiによると、Pixel Tabletには10.95インチのディスプレイと128GB/256GBのストレージが搭載され、Wi-Fi 6に対応するようです。
情報源ははっきりしていませんが、彼は主にAndroidのソースコードを解析して未発表デバイスに関する情報を発信しています。
未発表デバイスに関するソースコードは絶対的に信頼できるものではありません。当然バグもあれば、固まっていない仕様が一時的に実装されることもありますが、Pixel Tabletは、基本仕様どおりに動作するかを検証するEVTに進んでいるとのこと。
機能が省略されたシングルカメラ
4K撮影やズームした方向の音をアップするオーディオズーム、スローモーションビデオ、アクションパンといった、近年発売されたPixelスマートフォンに搭載されている多くのカメラ機能がPixelタブレットでは利用できないことを示唆するコードがGoogle標準のカメラアプリから発見されています。
2種類のドックが存在する
Google Homeアプリの解析結果からPixel Tabletと合わせて使える2種類のドックが存在することがわかっています。
2つのドックに違いがあるかはわかっておらず1つは通常モデル、もう1つはPixel Tablet Pro向けと予想されていましたが、Pixel Tablet Proは存在しないことがわかっています。
また、Android 13からPixel Tablet向けのドックと思われる複数のアニメーションも発見されています。
Another animation called "Assistant OOBE – Tablet Works While Charging" pic.twitter.com/r1CUgJ4aXI
— Mishaal Rahman (@MishaalRahman) September 8, 2022
ペンデバイスに対応
USI認証(Universal Stylus Initiative)を受けた製品リストにPixel Tabletのコードネームである「Tangor」が追加されたことが確認されています。
これにより、USI認証のペンデバイスをPixel Tabletで使用できる可能性が高いことがわかりました。Pixel Slateが専用のペンデバイス「Pixelbook Pen」をサポートしていたことを考えれば、 Pixelタブレットのペンデバイス対応はまったく不思議ではありません。
AppleのiPadでは、エッジとApple Pencilをフラットにすることで本体側面に吸着させて充電・持ち運びが可能(一部モデルを除く)でしたが、残念ながらPixel Tabletの側面はカーブしていることからiPadと同じように持ち運ぶことは難しそうです。
なお、USIバージョン1.0では、ペンを充電するためにUSB端子または単6形の乾電池が必要でしたが、オプションとして提供されるバージョン2.0では、NFC(近距離無線通信)によるワイヤレス充電に対応しています。
さらに、カラーパレットが256色から1,600万色以上に拡張され、ペンの傾きサポート、インセル型タッチパネルの対応強化も実施されています。
GPSやモバイルデータ通信には非対応か
発見者のWojciechowskiは、AOSPからGoogle Pixel TabletはGPSやセルラーモデム、近接センサー、気圧センサーが搭載されないとレポートしています。
Google’s hardware team seems to have fully embraced the idea and designed the device around that concept. According to AOSP code, it will not contain any GPS hardware or a modem, making it only really usable at home, connected to WiFi. pic.twitter.com/LAmNEGA58T
— Kuba Wojciechowski⚡ (@Za_Raczke) September 1, 2022
64bit専用端末か
おなじみのMishaal Rahmanは、AOSPからPixel Tabletが32bitアプリに対応せず、64bit専用端末になるヒントを発見しました。
32bitアプリを切り捨てることによってメモリの使用量が減ることでパフォーマンスがアップします。
なお、Google Playでは2021年8月1日から64bitをサポートしていないアプリは提供できなくなっているため、起動できるアプリが激減するといったことはありません。
Interesting: "Move tangor to 64-bit only"
— Mishaal Rahman (@MishaalRahman) August 16, 2022
Tangor, the rumored Pixel Tablet, may ship with a 64-bit-only build of Android 13. That should reduce memory use, but it means the tablet won't be able to run any 32-bit apps.https://t.co/C3d3Y5pS24 pic.twitter.com/1SKh3pPcG6
価格はいくら?
Pixel Tabletは通常モデルだけでなく、価格の異なるProモデルがラインナップされると予想されています。
GoogleはPixel Tablet用のドックが存在していると案内していますが、タブレット単体で販売されるのか、ドックとセットで販売されるのかは発表されていません。
現在、Pixel Tabletの販売価格に関する具体的な情報はありませんが、円安であるにも関わらず、PixelスマートフォンやPixel Watchをお手ごろな価格で販売していることを考えれば、Pixel Tabletもそこまで高額にはならないはずです。
Pixel 7の購入特典やソフトバンクとのパートナーシップ、FeliCa搭載などのローカライズなどを考慮すれば、Googleが日本市場を優遇していることは明らかで、割高感のない価格になることが予想されます。
基準となるのは「Google Nest Hub Max」の28,050円です。Google Tensor G2、シングルレンズのメインカメラ、本体内蔵のクアッドスピーカーを搭載すると考えれば、3万円以上になることは間違いないでしょう。