Appleが2017年9月13日のスペシャルイベントで正式発表する新型iPhone
今年はiPhone 7シリーズのアップグレード版である「iPhone 8」「iPhone 8 Plus」に加え、10周年モデル「iPhone X」が登場するようだ。性能・スペックアップはもちろん、数年使い回しされてきた古いデザインの刷新、Touch ID廃止による顔認証搭載など機能性も含めて大幅なアップデートが実施されると報じられている。
この記事では発売日や発表日、特徴、価格、デザインなど「iPhone X」および「iPhone 8」の噂と最新情報をまとめる。
目次
- 特徴
- 発売日
- 発表日、予約開始日
- 価格
- ディスプレイ
- カメラ
- プロセッサ
- ストレージ容量とメモリ
- バッテリー
- ホームボタン、Touch ID(指紋認証)、Face ID(顔認証)
- Dock
- サイズ・デザイン
- まとめ:iPhone 8とiPhone 7の比較
- アップデート情報
iPhone X/8の特徴
「今日、革命を起こす新たなデバイスを3つ発表する。1つ目は大画面でタッチスクリーンのiPod、2つ目は革命的な携帯電話、3つ目は画期的なインターネットコミュニケーションデバイス。これらは分かれていない。1つなんだ。名前をこう呼ぶ・・・iPhone」
スティーブ・ジョブズによって2007年1月にMacworld Expo 2007で発表された初代「iPhone」の登場から今年で10周年となった。ちょうど10年後の2017年1月には、ジョブズに変わってAppleのCEOになったティム・クックが「iPhoneの発表から10年間でモバイルコンピューティングの標準を確立し、日常生活に欠かせない存在になったものの、ベストはまだこれから」とコメントするなど、iPhoneはこれからも魅力的なデバイスへと進化を遂げていくことになる。
まずは2017年に発売される「iPhone X」がその第一歩となる。10周年の記念モデルとなるだけに大幅な進化を期待しているユーザーは多いはずだ。
これまでに報じられた「iPhone X」および「iPhone 8」に関する噂は、4.7/5.5インチのディスプレイを備えた従来モデルのアップグレードモデルに、サイズそのままに大画面を実現した10周年モデルを加えた全3ラインナップになること、有機ELの採用、Touch ID(指紋認証)の廃止、顔認証・虹彩認証の採用、ホームボタンの廃止、ほぼベゼルなしのデザイン、ワイヤレス充電の対応、防水機能の強化、強化ガラスを採用したボディ、カメラレンズのレイアウト変更など、実現すれば大いに歓迎されるものから、不満が出そうなものまであるが大幅な進化は間違いなさそうだ。
次期iPhoneに関して当初は4.7/5.5インチのモデルを「iPhone 7s」「iPhone 7s Plus」、10周年モデルを「iPhone 8」と呼称されていたが、確たる情報はなく特に10周年モデルにおいてiPhone 8/iPhone Edition/iPhone Pro/iPhone Xなど多くの候補が存在していた。
しかし、正式リリース直前のバージョンとなるGM版「iOS 11」は、10周年記念モデルが「iPhone X」であること、他2機種が「iPhone 8」シリーズになることを示している。
iPhone X/8の発売日
iPhoneの発売日に関する噂には、毎年前倒しになる、もっと遅くなるといった報道があるが結果的に大きく前後したことはない。
iPhone 7シリーズでは新色のジェットブラックやブラックが供給量不足に陥り、特にiPhone 7 Plusのジェットブラックは発売日にApple Storeやキャリアに入荷しないほど深刻な状況になったが、発売日は9月16日となった。
10周年モデルの発売日が大幅に遅れるとの噂も報じられたが、実績あるリーカー@OnLeaksは9月発売に向けて大量生産が開始されたと伝えた。また、Appleは今年7月〜9月の売上予測を前年同期比5〜10程度と立てている。もし、10周年モデルの発売日が遅れるのであれば7〜9月の売上予測に大きな影響を与えるはずだが予測はそうなっていない。
さらに、iPhone 8の発表が濃厚なスペシャルイベントが日本時間9月13日に開催することが決定した。これまでの法則では発表から約10日後の金曜日となっていることからiPhone 8の発売日は9月22日(金)になる可能性が高い。
ただし、発表直前になって10周年モデルの「iPhone X」については生産工程の初期段階で1ヶ月の遅れが生じ、スチールフレームに歩留まり等の問題があることから発売日が10月下旬以降になるとも報じられている。
歴代iPhoneの発売日
iPhone 2007年6月29日 |
iPhone 3G 2008年7月11日 |
iPhone 3GS 2009年6月19日 |
iPhone 4 2010年6月24日 |
iPhone 4s 2011年10月14日 |
iPhone 5 2012年9月21日 |
iPhone 5s 2013年9月20日 |
iPhone 5c 2013年9月20日 |
iPhone 6 2014年9月19日 |
iPhone 6s 2015年9月25日 |
iPhone SE 2016年3月31日 |
iPhone 7 2016年9月16日 |
iPhone10周年、Apple Storeに行列は?
オンラインでの予約受付がスタートしたiPhone 6シリーズ以降、Apple Storeから大行列はなくなったが、それでもApple Storeに当日購入を狙った小さな行列はできる。
オンラインで予約した場合は配送を待つ必要があるが、Apple Storeに並べば開店後すぐに購入できるし、いまだに行列の雰囲気を味わいたいという人もいる。
iPhone10周年となる今年は行列に少しの影響を与えるかもしれないが、iPhone 7シリーズではすべてのiPhone 7 PlusとiPhone 7 ジェットブラックは購入できない状況になったこと、今年も人気が集中しそうな10周年モデルの存在を考えると、行列に並ぶのはリスクが高そうだ。
iPhone X/8の発表日、予約開始日
Appleがスペシャルイベント『Let’s meet at our place.』を日本時間9月13日(水)午前2時から開催すると発表した。イベントの模様は全世界にライブ配信される。スペシャルイベントの会場はApple新社屋の敷地内にある1000人収容の大ホール「スティーブ・ジョブズ・シアター」。同会場でのイベント開催は初めてとなる。
長らくAppleは秋のスペシャルイベントで次期iPhoneを発表している。「iOS 11」が秋配信と案内されていることから考えても『Let’s meet at our place.』でiPhone 8が発表されるはずだ。
iPhoneの予約開始日には正式発表の1〜2日後の金曜日または土曜日といった法則がある。この法則に従えば予約開始日は9月15日(金)になる可能性が高い。実績あるリーカ―、Evan Blass氏もそのように伝えている。
予約開始時間は例年夕方4時1分からとなっている。キャリアのオンラインショップや実店舗、Apple公式サイトなどで予約受付が行われると予想される。SIMフリー版のiPhone 8をApple公式サイトで予約する場合は混雑するウェブからではなくアプリがオススメ。事前にダウンロードを済ませて支払情報、送り先などを登録しておこう。
歴代のiPhoneの発表日、予約開始日
iPhone 発表日:2007年1月9日 |
iPhone 3G 発表日:2008年6月10日 |
iPhone 3GS 発表日:2009年6月9日 予約日:2009年6月18日 |
iPhone 4 発表日:2010年6月8日 予約日:2010年6月15日 |
iPhone 4s 発表日:2011年10月5日 予約日:2011年10月7日 |
iPhone 5 発表日:2012年9月13日 予約日:2012年9月14日 |
iPhone 5s 発表日:2013年9月11日 予約なし |
iPhone 5c 発表日:2013年9月11日 予約なし |
iPhone 6 発表日:2014年9月10日 予約日:2014年9月12日 |
iPhone 6s 発表日:2015年9月10日 予約日:2015年9月12日 |
iPhone SE 発表日:2016年3月22日 予約日:2016年3月24日 |
iPhone 7 発表日:2016年9月8日 予約日:2016年9月9日 |
iPhone X/8の価格
新型iPhoneの価格は10周年モデルの「iPhone X」が高額になるようだ。具体的な価格として有力視されているのが全容量が10万円オーバーになるとの情報。最大容量が約13万円になるといった情報もある。最近ではそこまで高額にはならないといった情報もあるが、iPhone 8に比べて高額になることは間違いない。
販売価格が10万円以上になれば消費者の負担は非常に大きくなるが、バークレイズのアナリストは「iPhone X」の購入特典として定額制の音楽配信サービス「Apple Music」とクラウドストレージ「iCloud」の200GB利用権を1年間無料提供すると予想する。総額16,560円の特典でAppleユーザーにとっては魅力的な特典になるはずだ。
ディスプレイ
iPhone 7シリーズでは25%明るく、より多くの色で目で見た本来の色を再現できる広色域ディスプレイが採用されたが、正直なところ知識がなければわからない程度の小幅な進化に留まったが、10周年モデルの「iPhone X」では大幅な進化が期待できそうだ。
好発色、バッテリー長持ちの「有機EL」
これまでの噂では既にApple Watchで採用されている有機ELが「iPhone X」に搭載されると報じられている。有機ELの特徴は鮮やかな色を映し出せることと、低消費電力に優れることにある。有機ELはサムスンやGoogleなどが数年前に採用済み。真新しいものではないが、有機EL特有の発色の良さに驚くiPhoneユーザーも少なくないはず。特にバッテリーの持ち時間が長くなれば多くの人にとって嬉しい進化となるため期待したい。
画面サイズは5.8インチに大型化?
長らく変化のなかったディスプレイのサイズにも3年ぶりに変化がありそうだ。「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」に変化はないようだが、「iPhone X」は5.8インチの有機ELを搭載する。
ディスプレイは上下に分割されて上部の5.15インチ(2,436×1,125ピクセル)にコンテンツを表示し、残りの0.65インチが「ファンクションエリア」となるようだ。
ファンクションエリアをジェスチャー操作することでホームボタンと同じ機能を実現する。ホーム画面に戻ったり、アプリを切り替える「Appスイッチャー」を表示する機能を持ち合わせるようだ。
Image by 9to5Mac
「iPhone X」の解像度は2,436×1,125ピクセルとなる。これは画面サイズがGalaxy S8のように縦に長くなることを示している。画面が縦長になることでホーム画面に並べられるアプリのアイコンが1行多くなるようだ。
無駄なフチを削ぎ落とした「ベゼルレス」に
サムスンのGalaxy S8のインフィニティディスプレイをはじめとしてスマートフォンのディスプレイにもデザインの変化が起きている。その変化がiPhoneにも及びそうだ。
iPhone XのモックアップやGM版「iOS 11」に収録されたイメージからはディスプレイ周りのフチを無駄なく削ぎ落とした「ベゼルレス」仕様が確認できる。FaceTimeカメラやスピーカー、光センサーなど廃止が難しいベゼルのみを残す形になる。
Photo by Redmond Pie
ベゼルレスディスプレイによってステータスバーは分割式の新デザインになる。左には時間、GPS、ユニバーサルリンク(ユニバーサルリンクとは?)が、右には受信感度を示すアンテナ、Wi-Fi、機内モード、バッテリー残量などが表示される。バッテリー残量は充電器に接続した時に小さなアニメーションによって表示されるようだ。
画面をタップしてスリープ解除「Tap to wake」
HomePodのファームウェア内から新機能「Tap to wake」に関する記述も発見された。
「Tap to wake」を利用することでiPhoneの画面を2回タップするだけでスリープを解除してディスプレイをオンにできると見られている。Androidでは多くの機種が採用している機能だ。顔認証「Face ID」と合わせて利用することでスムーズな画面ロックの解除やApple Payを使って支払いができるかもしれない。
カメラ
iPhone 7シリーズではカメラが大幅に進化した。光学式手ブレ補正、より明るい写真と動画が記録できるようになった。特にデュアルカメラを搭載したiPhone 7 Plusでは、ズームしても劣化しない光学式の2倍ズーム、デジタル一眼レフのように背景をぼかした写真が記録できるポートレートモードなどスマホカメラの弱点を克服した両機能は高く評価されている。
3D写真をサポートする「デュアルカメラ」
iPhone Xに搭載されるデュアルカメラはレンズの並びが横並びから縦並びに変更され、両方のレンズが光学式手ブレ補正に対応するほか360度撮影が可能な3D写真をサポートするとみられている。
Photo by Benjamin Geskin
デュアルカメラを4.7インチのiPhoneに搭載して欲しいという声も少なくないが、実績あるKGI証券のアナリストは「iPhone 8 Plus」と「iPhone X」に搭載されると報告している。
また、iOS 11では新たにAR機能がサポートされる。デュアルカメラにレーザーセンサーを使って深度を計測することでARの認識精度に加えてオートフォーカスの精度も向上させると噂されている。Androidでは赤外線を使って暗所でもオートフォーカスの精度、スピードを向上させているスマートフォンがいくつもあるが、iPhoneにも採用されるかもしれない。
革命的な進化を遂げる「FaceTimeカメラ」
自撮りで使うFaceTimeカメラは革命的な進化を遂げるようだ。
「iPhone X」に搭載されるFaceTimeカメラは新しいセンサーとの組み合わせで3D顔認識が可能になる。3D顔認識を使ってユーザー本人の顔を読取り・登録・照合して「顔認証」を実現する。顔認証はパスコードや指紋認証の代わりになって顔の表情だけでなく、顔の凹凸まで認識することで高い精度を誇るようだ。
高精度な3D顔認識システムを搭載することで「iPhone X」はユーザーの顔を正確に認識できるようになる。実現するのは顔認証システム「Face ID」だ。
プロセッサ
iPhone 7シリーズにはスマートフォンの中で最もパワフルなチップとして「A10 Fusion」が搭載された。iPhone 6シリーズに比べて約2倍の処理性能と約3倍の描画性能を実現、省電力化によってiPhone 6sシリーズに比べて最長2時間も電池持ちが向上した。
電池持ちがさらに向上か
iPhone 8の搭載が噂される「A11」チップはプロセスルールが16nmから10nmに変更され、処理性能と低消費電力がさらに向上するものと見られている。
なお、iPhone 6sシリーズに搭載された「A9」チップはサムスンとTSMCが製造を手がけたことから同じiPhoneでも性能が異なってしまう問題が発生した。これを受けてA10では再びTSMCの独占供給に戻っている。今のところ、A11もTSMCが独占供給すると報じられている。
ストレージ容量とメモリ
iPhone 7でストレージ容量は16GBと64GBが廃止、32GBと256GBが追加されて32GB/128GB/256GBといったラインナップになったが、iPhone X/8では容量が全て倍化した64GB/256GB/512GBとなるようだ。
メモリは従来どおり「iPhone 8」が2GB、「iPhone 8 Plus」と「iPhone X」は3GBになる。
iOS 11では、拡張現実「AR」が新機能として追加されるが、多くのメモリを必要とすることが考えられる。ARはゲームアプリをはじめとして多くの分野で利用できるようなので思う存分楽しみたいのであれば、「iPhone 8 Plus」または「iPhone X」を選びたいところ。
バッテリー
電池持ちが50%も向上か
iPhone 8のバッテリー容量に関する詳細な報道はまだないが、KGI証券のアナリストは10周年モデルの基盤は10層から20層に多層化され、バッテリースペースを広く確保することで2,700mAhの大容量バッテリーが搭載されると報じた。
iPhone 7のバッテリー容量が1,960mAh、iPhone 7 Plusが2,900mAhと考えると大幅な容量アップになるようだ。なお、バッテリー容量アップと低消費電力に優れた有機ELによって10周年モデルの電池持ちは50%も向上すると予測されている。
iPhone 7シリーズでようやく日本に上陸したApple Payだが、iPhoneのバッテリーが切れると利用できなくなる。電池持ちが向上すればこういった問題も改善されるだろう。
Lightningが急速充電に対応
3,000mAh近いバッテリー容量を備えるiPhone 8の10周年モデルでは充電時間も長くなることが予想できる。現在でも「iPhone 7 Plus」の充電時間は非常に長く、Quick Charge 3.0やUSB-Cによる急速充電が利用できるAndroidとの充電時間の差は大きい。特に純正充電器を使用した充電時間には耐え難いものがある。
ウォール・ストリート・ジャーナルはiPhone 8でLightningが廃止、USB-Cを採用と報じたが、実績あるKGI証券のアナリストはMFi認証による収益とUSB-Cのサイズが大きいことから採用を否定した。さらに、すべてのiPhone 8においてUSB Power Deliveryに対応したLightningを搭載することで急速充電に対応し、充電時間を短縮させると報告している。
ワイヤレス充電対応も「革新的」なものにならない
長らく噂されながら採用されていないワイヤレス充電についに今年対応するかもしれない。
過去、Androidにワイヤレス充電が搭載され初めたころにAppleのフィル・シラーは「ワイヤレスといえど、充電器は電源と繋がっていなければならず、利便性が上がるとは思えない」と否定的な発言したが、知ってのとおりApple Watchに採用された。さらに、Appleは今年2月にワイヤレス充電の推進団体に加盟する動きもあったことからiPhone 8がワイヤレス充電に対応しても不思議ではない。
なお、ベータ版が配布されている「iOS 11」にはワイヤレス充電時の効果音とみられる音声ファイル「engage_power.caf」が追加されていることも確認されている。
iPhone 8が対応するワイヤレス充電だが、当初はAppleが数年前に特許を出願した広範囲で利用できる革新的なワイヤレス充電に対応するものと見られていた。しかし、iPhone 8での対応は間に合わず、Apple Watchと同じ狭い範囲のワイヤレス充電に対応するという見方が大半。なお、ワイヤレス充電は10周年モデルだけではなく、すべてのモデルに対応するとの報道もある。
ワイヤレス充電にはWPCが策定した「Qi」が採用されるとの報道もあるが、発売済みのQi製品が利用できるかはわからない。Apple WatchにもQiのワイヤレス充電が採用されているが、非純正製品が使えないようAppleが制限をかけている。
なお、これまで何度も正確なリーク情報を伝えてきたJohn Gruber氏は、ワイヤレス充電器は別途販売され、iOS 11.1が配信されるまで利用できないだろうとコメントするなど、発売直後には利用できない可能性もある。
I’ve heard that inductive charging will (a) be sold separately, and (b) might be late, waiting for iOS 11.1 (a la Portrait mode last year). https://t.co/N65dHMNQIJ
— John Gruber (@gruber) 2017年7月8日
ホームボタン、Touch ID(指紋認証)、Face ID(顔認証)
2013年に発売されたiPhone 5sで初めて搭載された指紋認証センサー「Touch ID」。認証スピードが高速化された第2世代がリリースされ、iPhone 7ではホームボタンがボタン式から感圧式に変更されたが、「iPhone 8」ではベゼルレス、フルディスプレイ実現のために様々な噂が報じられている。
Touch IDを背面に配置変更か
当初から報じられていたのはTouch IDが背面に配置変更されるという噂。Androidスマートフォンではよく見られる背面に指紋認証センサーを配置することで人差し指による指紋認証が可能になる。ベゼルレスやフルディスプレイを実現するためには最もカンタンな方法だが、机に起きながらiPhoneを操作する場合はパスコードで画面ロックを解除したり、決済認証のたびにiPhoneを持ち上げることになる。また、背面の見栄えも非常に悪くなってしまう。
Photo by Benjamin Geskin
顔認証に対応、Touch IDは廃止か
iPhone Xでは、指紋認証が廃止されて顔認証「Face ID」に対応する可能性が濃厚になった。3DセンサーとFaceTimeカメラを組み合わせた3D顔認識によって顔の特徴をあらゆる角度から認識して高速で認証を行う。
顔認証は持ち主の写真で突破されてしまうケースも確認されるなど誤認識率が高い。実際にGalaxy S8やGalaxy Note 8ではそういった問題が確認されている。また、画面ロックの解除やApple Payの決済時にFaceTimeカメラを覗き込む動作は非常に面倒だ。
セキュリティや利便性の問題はあるが「iPhone X」は3D顔認識によって誤認識と利便性の問題をクリアするものとみられている。これまでの報道によれば机に置いたままの状態でも認証可能。Apple Payの支払いやサードパーティアプリにも解放されるようだ。
画面内蔵式のTouch IDの可能性も
最も望まれているのがディスプレイにTouch IDを埋め込んだ画面内蔵式の指紋認証だろう。認証エリアが大きくなり、超音波で読み取るため指が濡れた状態でも認証できるなどこれまでよりも使いやすくなる。また、半導体メーカーのクアルコムは展示会で画面内蔵式の指紋認証をお披露目済み、2018年前半にも対応デバイスが登場すると案内するなど実現性は確保されている。Appleも特許を取得しているが、秋の発売、それよりも前の量産段階に間に合わず、2018年に搭載されるのではないかという報道もある。
電源キーにTouch IDを内蔵か
Appleの特許情報から電源キーにTouch IDを内蔵する可能性も噂されている。AndroidではソニーのXperiaなどが採用しているが、シャープは“よりスムーズに認証させるため”という理由でスグにホームボタンとの併用型に変更した。実際、側面に配置された指紋認証は握り直す必要があるため使い勝手が悪く、左手で操作する場合は反対側に配置されている電源キーまで指を伸ばす必要があるためセンサーを正確に抑えられずなかなかロックを解除できないためストレスを感じることも多い。
また、Appleが新しい特許を取得すると、次期iPhoneに採用されるとの報道は多いが数年先になり、実現しないことも多い。
ホームボタンは廃止
指紋認証は顔認証に置き換えられる可能性が非常に高い。また、初代iPhoneから10年続いたホームボタンは廃止になるようだ。
HomePodのファームウェアからホームボタンをバーチャル式で表示して機能する「Home Indicator」の存在が確認された。さらに、Bloombergはホームボタンが廃止され、画面上に細く表示されるバーをジェスチャー操作することによってアプリの切り替えやホーム画面に戻るといった操作が可能になると伝えた。
現在はホームボタンの長押しで起動する音声アシスタント「Siri」は電源ボタンの長押しに変更される可能性がある。既に電源ボタンの長押しはiPhoneの再起動などに割り当てがあるがボタンを押す時間によってどちらの機能にアクセスするか分けられるのかもしれない。
このことから10周年モデルではホームボタンが廃止される可能性が高い。
Dock
iPhoneのホームボタンにはよく使うアプリなどお気に入りを4つまで登録できる「Dock」が画面下部に表示されている。最も使う機能の一つだがデザインが刷新されるようだ。
現在のDockはすりガラスのようなぼかし効果の入った背景が横幅いっぱいに表示されているが少し短くなってホーム画面からDockが少し浮くようだ。どういった機能になるか具体的な報道はないものの、iOS 11のiPadではアプリの起動中などホーム画面以外でもDockにアクセスできるようになる。
デザインの変更によってDockがホーム画面から分離させた印象になるということはiPhoneでもホーム画面以外からDockにアクセスできるということではないだろうか。ただし、iPadの場合は写真や動画、ファイルなどのドラッグ&ドロップ操作に対応するためにどこからでもDockにアクセスできる機能は必要だがiPhoneにはその必要がない。
And this is what the floating dock looks like on iPhone when invoked in apps pic.twitter.com/542r1SWMAr
— Guilherme Rambo (@_inside) 2017年8月30日
サイズ・デザイン
iPhone 7はイヤホン端子を廃止することでボディサイズを維持しながら耐水に対応した。デザインにおいては、Dラインと呼ばれて酷評されてきたアンテナはiPhone 7で目立たないように変更されたものの、iPhone 6シリーズから長く続くデザインが変更されることはなかった。
iPhoneの販売台数が減少傾向にある原因としても挙げられるデザインの使い回しだが、iPhone 8では2.5Dガラスや丸みのあるデザインは残しつつ、ホームボタンの廃止、ベゼルレス、フルディスプレイ化、デュアルカメラのレイアウト変更などデザインが大きく変化しそうだ。
シリーズ史上最高評価のガラスボディに
ボディの素材もフルアルミボディからガラスに変更される。「iPhone 8」と「iPhone 8 Plus」はアルミフレームを採用するが、「iPhone X」はシリーズ史上最も高い評価を得たiPhone 4と同じくステンレススチールのフレームをガラスパネルでサンドイッチすると伝えられている。
カラーは4色展開、鏡のようなミラーデザインも?
ボディカラーは現在ジェットブラック/ブラック/レッド/ゴールド/ローズゴールド/シルバーの全6色がラインナップされているが、iPhone X/8では減少すると見られている。「iPhone X」では鏡面仕上げのカラーを含めた4色展開になると報じられたが最近ではそのような噂も聞かなくなった。
Photo by Benjamin Geskin
新色は「カッパーゴールド」または「ブラッシュゴールド」
Photo by Benjamin Geskin
iPhone Xのカラーラインナップはブラック、ホワイト、ブラッシュゴールドとなるようだ。ブラッシュゴールドはブロンズ系のカラーとなる。
なお、フロントパネルはすべてブラックで統一されるようだ。おそらく、ディスプレイ消灯時に凹型のいびつなデザインが目立ってしまうことをAppleが嫌ったのだろう。
Photo by RedmondPie
「iPhone X」の最終デザイン
米メディアBGRが独占入手した最終デザインとされる10周年モデルのモックアップ写真によれば、研磨加工されたステンレススチールフレームを湾曲した2.5Dガラスで挟み込んだデザインになるようだ。カメラは突起型のデュアルカメラでレンズが縦に並んでいる。机に置いた時のバランスが悪く、使い勝手は悪そうだ。
Photo by BGR
サイズは少し大きくなる?
iPhone 8のボディサイズに関して多くの情報が報じられているが、数値にバラツキがあって定まった情報はない。直近でリークされた図面によれば「iPhone X」のサイズは143.4×70.77×7.51mm。「iPhone 8 Plus」は若干大きくなり158.38×78.1mm(厚さは不明)となる。
なお、「iPhone X」は、「iPhone 8」と同じサイズになるとも伝えられていたが、ここ最近の情報では「iPhone X」が少し大きくなるとされている。参考までにiPhone 7のサイズは138.3×67.1×7.1mm、iPhone 7 Plusのサイズは158.2×77.9×7.3mm
iPhone 8の図面(左が10周年モデル、右が5.5インチ) / Photo by Benjamin Geskin
まとめ:iPhone XとiPhone 7の比較
iPhone X | iPhone 7 Plus | |
---|---|---|
デザイン | ||
Photo by Benjamin Geskin | ||
容量 | 64GB/256GB/512GB | 32GB/128GB/256GB |
価格 | 999ドル/1099ドル/1199ドル | 769ドル/869ドル/969ドル |
ディスプレイ | 5.8インチ 0.6インチのファンクションエリア 有機EL ディスプレイ ベゼルレス 2,436×1,125ピクセル |
5.5インチ Retina HD ディスプレイ |
サイズ | 143.4×70.77×7.51mm | 158.2×77.9×7.3mm |
重さ | ? | 188g |
プロセッサ | A11 | A10 Fusion |
Touch ID | 廃止 | 感圧式 |
iSightカメラ | 12MP広角カメラ(f/1.8) 12MP望遠カメラ(f/2.8) 両レンズ光学式手ブレ補正 2倍光学ズーム 最大10倍のデジタルズーム レーザーAF AR |
12MP広角カメラ(f/1.8) 12MP望遠カメラ(f/2.8) 広角のみ光学式手ブレ補正 2倍光学ズーム 最大10倍のデジタルズーム |
FaceTimeカメラ | ? | 5MPカメラ |
バッテリー容量 | 2,700mAh | 2,900mAh |
急速充電 | ○ | × |
ワイヤレス充電 | ○ | × |
顔認識 | ○ | × |
カラー | ブラック/ホワイト/カッパーゴールド | レッド/ジェットブラック/ブラック/ゴールド/ローズゴールド/シルバー |
アップデート情報
日付 | 内容 | 情報元 |
8月1日 | ベゼルレス、顔認証「Face ID」の存在が明らかになる | HomePodのファームウェア |
8月1日 | ディスプレイ解像度が2,436×1,125ピクセルであることが明らかになる | HomePodのファームウェア |
8月1日 | Touch IDのディズプレイ内蔵には非対応? | HomePodのファームウェア |
8月1日 | 画面をタップしてスリープを解除できる「Tap to Wake」 | HomePodのファームウェア |
8月1日 | ステータスバーは左右分割に | HomePodのファームウェア |
8月1日 | FaceTimeカメラが深度測定に対応 | HomePodのファームウェア |
8月1日 | キーボードに新しいインターフェース「Dock」が追加される | HomePodのファームウェア |
8月1日 | バーチャル式のホームボタンの存在が明らかになる | HomePodのファームウェア |
8月3日 | 顔認証「Face ID」はApple Payでも利用可能に | HomePodのファームウェア |
8月4日 | iPhone 8の大量生産がスタート。発売日は9月に | リーカー |
8月6日 | 顔認証「Face ID」は机に置いたままでも利用可 | HomePodのファームウェア |
8月7日 | 新色「カッパーゴールド」がリーク | リーク |
8月13日 | 新色はピンク系の「ブラッシュゴールド」? | Foxconn内部 |
8月23日 | iPhone 8の容量は64GB/256GB/512GBに | リーク |
8月27日 | iPhone 8の販売価格は10万円以上に? | リーク |
8月30日 | ホームボタンは廃止。大体となるのは細いバーとジェスチャー操作? | リーク |
8月31日 | Siriへのアクセスは電源ボタンの長押しに? | iOS 11ベータ版 |
9月2日 | 10周年モデルの名前は「iPhone Edition」 | リーク |
9月2日 | 10周年モデルの名前に「iPhone X」の可能性が浮上 | リーク |
9月3日 | 発売日は9月22日、予約開始は9月15日から | リーク |
9月5日 | 10周年モデルの価格は10万〜13万円に | リーク |
9月6日 | 新色はブロンズ系の「ブラッシュゴールド」? | リーク |
9月6日 | 10周年モデルの価格は10万以下から? | アナリスト予測 |
9月7日 | 10周年モデルの名前は「iPhone X」に?広告が示唆 | リーク |
9月8日 | 「iPhone X」の発売日は10月。深刻な在庫不足も | リーク |
9月9日 | 「iPhone X」の発売日は10月下旬以降に | アナリスト予測 |
9月9日 | 「iPhone X」の購入特典にApple MusicとiCloudの無料利用権を付与? | アナリスト予測 |
9月9日 | GM版「iOS 11」からiPhone Xの新情報が続々と明らかになる | iOS 11 GM |
9月10日 | 10周年モデルの名前は「iPhone X」で確定 | iOS 11 GM |
9月10日 | 「iPhone X」のカラーはブラック、ホワイト、ゴールドの3色に | アナリスト予測 |
コメントを残す