キャリアをのりかえても同じ電話番号が使えるMNP(モバイルナンバーポータビリティ)の利用経験がたったの24%であることがMMD研究所の調査で明らかになっています。
MNPは2006年に開始した制度で、それまではキャリアをのりかえると電話番号が変わってしまうという今では考えられないものでした。現在では、のりかえ後も同じメールアドレスが利用可能(1,2,3,4)になっています。
18歳~69歳の男女40,000人を対象に2023年2月3日~2月6日に実施されたMMD研究所の調査によると、MNPを利用したことがあるのは24.6%で3回以上の利用が5.6%、1〜2回の利用が19.0%になっています。
驚きなのは「全く知らない」が41.6%を超えていること。今年10月で制度開始から17年になるにも関わらず4割は存在すら知らないようです。多くの人が同じキャリアを使い続けていて、のりかえを検討すらしたことがないのかもしれません。
キャリア別では楽天モバイルとLINEMOユーザーの半数以上がMNPの利用経験ありと回答したのに対して、ドコモとauは利用率がかなり低くなっています。
MNPに関する認識を問う項目では全問正解はわずか2.0%に。最も正解率が高かったのは89.5%の「通信会社を乗り換えても、携帯電話番号をそのまま使うことができる」で、反対に最も低かったのは36.6%の「MNPを利用すれば、乗り換え先の通信会社のみで手続きが完了する」になりました。
契約種別ごとの契約場所は機種変更と新規契約が携帯ショップが最多になったのに対して、MNPは意外にも公式サイトが最多になりました。MNPを利用するユーザーのリテラシーが高い、手続きが面倒だからこそウェブでやりたいというユーザーが多いのでしょうか。
オンラインで手続きした場合、SIMカードの到着を待つことなく、すぐに利用開始できるeSIMの認知は38.9%で、利用経験は8.0%、現在利用は6.1%に。また、2つのSIMカードを1つのスマートフォンで利用できるデュアルSIMの認知は37.6%で、利用経験は6.0%、現在利用は3.7%となっています。
なお、総務省はMNPのワンストップ化を来月中にも試験導入する予定です。ワンストップ化でMNPの利用率がどれだけ高まるでしょうか。
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