2017年、Appleは“スマートフォンの未来”として「iPhone X」を発表しました。初代iPadの登場から8年となる今年は“タブレットに未来”が訪れるかもしれません。
シリーズ史上最大のアップデートと噂される新型iPad Pro、この記事では今秋発売が噂される新型iPad Pro(2018)の発売日・発表日・特徴・価格・デザインなどの噂と最新情報をまとめています。
日本時間10月30日、Appleが新型iPad Proを発表しました。詳細についてはこちらの記事で紹介しています。
目次
特徴
iPad史上最大のアップデートに
2010年1月、サンフランシスコのYerba Buena Center of Artsで開催されたスペシャルイベントで初代「iPad」が発表されました。
その後、iPadは毎年のようにアップデートをかさねて薄型のAirシリーズ、コンパクトなminiシリーズ、Apple Pencilに対応したProシリーズなどの派生シリーズが生まれ、これまでに16ものiPadが発売されています。
今年発売される新型iPad Proはデザインの大幅な変更を伴うなど、これまでのすべてのアップデートを凌ぐシリーズ史上最大のアップデートになるとされています。
発表日
日本時間10月19日、Appleが公式サイト上でスペシャルイベントの開催を正式発表し、メディア向けに招待状を送付。『There’s more in the making』と題したスペシャルイベントを日本時間10月30日に開催することを明らかにしました。
開催場所は新社屋のApple Park内にあるスティーブ・ジョブズシアターではなく、ニューヨーク・ブルックリンのオペラハウスBAM Howard Gilman Opera Houseで開催されます。
不思議なのはやはりスティーブ・ジョブズシアターで開催しないこと。自社の施設で開催すれば会場費用はタダのようなもの。会場の選定なども不要で機械搬入などの手間もかからないはずですが・・・。理由があるとすれば収容人数です。BAM Howard Gilman Opera Houseの座席数は2,104でスティーブ・ジョブズシアターの2倍の収容人数を誇ります。
Appleは新型iPhoneを発表したイベントよりもさらに多くの人数を発表会場に招待するのかもしれません。Apple Pencilによってアートにも特化した新型iPad Proが登場する場にデジタル製品を取り扱うメディアだけでなく、アート界のメディアも会場に足を運ぶのかもしれません。
スペシャルイベントの会場になったオペラハウス / Photo by BAM
スペシャルイベントの開催告知ページにはいつものようにティザー画像が掲載されており、今回はページを更新するごとに画像が切り替わる特別仕様。
ティザー画像はAppleロゴがイラスト等で描かれたもので、メディア向けに送られた招待状にもそれぞれ異なる画像が添付されており、すべて合わせると370もの数になることがわかっています。
ティザー画像はイベントで発表される新製品のヒントにもなりますが、今回は非常にわかりやすく新型のApple Pencilと新型iPad Proの発表を示唆しているものと思われます。
10月のスペシャルイベント開催日
2011年10月5日(水) | 2012年10月24日(水) |
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2013年10月23日(火) | 2014年10月17日(金) |
2016年10月27日(金) | 2018年10月30日(火) |
発売日
発売日に法則があるiPhoneと違ってiPadには法則性がありません。スペシャルイベントでもXX月下旬と発表されることも多く、詳細な発売日は予測できませんが、噂では「2018年後半」「今秋」などと報じられています。
発表直前にMacお宝鑑定団Blogがアジアの情報筋から得た話として早ければ11月第1週末にも発売と報じました。もしかすると10月30日にイベント直後に予約受付がスタートするかもしれません。
ディスプレイ
Photo by mysmartprice
新型iPad Proに訪れる大きな変化の1つがディスプレイです。
ディスプレイについて最初に報じたのはBloomberg。2017年11月、複数の関係者から得た情報として新型iPad Proはホームボタンを廃止し、iPhone Xのようなベゼルレスのディスプレイを搭載すると報じました。
気になるのはフロントカメラや各種センサーを搭載するための“ノッチ”の存在。iOSデベロッパーによってベータ版「iOS 12」から新型iPad Proのアイコンが発見されましたが、iPhone Xの“ノッチ”は忠実に再現されていたのに対して、新型iPad Proのアイコンには“ノッチ”が存在せず、ノッチレスのディスプレイを搭載するのはではないか、との予測が立ちました。
さらに、数々のリーク実績があるSteve H.(@OnLeaks)が公開した新型iPad Proのレンダー画像にも“ノッチ”が無く、新型iPad Proの開発に精通している人物などもノッチレスを主張するなど、ノッチレス&ベゼルレスディスプレイが搭載される可能性が高くなっています。
ただし、発色の良さ・高精細・省電力・薄型などのメリットをそのままに、有機ELの弱点を解消した「Super Reitna HD」ディスプレイの搭載は技術的な問題から搭載が見送られるようです。
ディスプレイの解像度・縦横比についてはモバイル解析プラットフォームが記録したログから従来のiPadと同じということが明らかになっています。画面サイズについては12.9インチと10.5インチまたは11インチと噂されていますが、解像度に変更がないため11インチではなく10.5インチになる可能性が高そうです。
顔認証「Face ID」
新型iPad Proに訪れるもうひとつの大きな変化はセキュリティです。
これまでは指紋認証「Touch ID」を搭載していましたが、ホームボタンの廃止に伴って顔認証の「Face ID」に置き換わることが確実視されています。
アナリストやリーカーからはもちろん、Appleが開発するベータ版のiOSからも顔認証の対応を示唆するコードが発見されました。
ベータ版の「iOS 11.3」では、顔認証に対応するiPhone Xの内部コード“Modern iPhone”に対して“Modern iPad”が見つかり、ベータ版の「iOS 12.1」からは端末を横にした状態での顔認証対応が発見されました。この機能はおそらくiPadのみで有効とされています。
iPhoneを横に持って画面をロック解除することはほとんどありませんが、iPadでは縦・横どちらでも画面ロックを解除することが多いため、顔認証の横向き対応は必須と言えるでしょう。
カメラ
新型iPad Proが顔認証に対応するということは3D顔認識に対応する「TrueDepthカメラ」が搭載されるということです。
「TrueDepthカメラ」は、顔認証だけではなく、自分の表情に合わせてキャラクターを動かせる「アニ文字」や自分そっくりのキャラクターを作れる「ミー文字」などにも使われているため、これらの機能が新型iPad Proで使える可能性は高いでしょう。
一方、アウトカメラに関する情報はありませんが、AR関連で何らかの進化があるかもしれません。「iOS 12」と最新のチップセット、カメラセンサーなどによって可能になったソフトウェア処理によるポートレート撮影にも期待したいところですが、そういった噂は今のところありません。
プロセッサ
プロセッサは、iPhone XS/XS Max/XRと同じ7nmプロセスで、3つの高性能コアと5つの高効率コアから構成される「A12X」の搭載が噂されています。実現すれば処理速度と描画性能の大幅な向上が期待でき、高い負荷がかかるARアプリもサクサク快適に動作するかもしれません。
なお、メモリ(RAM)はiPhone XS/iPhone XS Maxと同じ4GBと噂されています。
デザイン・サイズ
Photo by /LEAKS
新型iPad Proのボディサイズは、ベゼルレスディスプレイによる小型化が期待できます。
Macお宝鑑定団Blogがサプライヤーから得た情報によれば10.5インチモデルは247.5 x 178.7 x 6mm、12.9インチモデルは280 x 215 x 6.4mmとのこと。
さらに、/LEAKSで公開された新型iPad Proのイラストには10.5インチモデルが247.64 x 178.52mm、12.9インチモデルが280.66 x 215.00mmと書かれており、両方の情報がほぼ一致している。顔認証「Face ID」などを実現するTrueDepthカメラが配置されるベゼルの幅は6mm程度となるようだ。
また、iPhone XS / XS Max / XRの名前や重さ、電源アダプタの仕様など様々な情報を正確に予測していたリーカー、CoinCoin(@coiiiiiiiin)は厚さが5.9mmでイヤホン端子は廃止とツイートしている。
新型10.5インチ | 旧型10.5インチ | 新型12.9インチ | 旧型12.9インチ |
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247.5 x 178.7 x 6mm | 250.6 x 174.1 x 6.1mm | 280 x 215 x 6.4mm | 305.7 x 220.6 x 6.9mm |
新型iPad Proのデザインは、エッジ部分のダイヤモンドカット加工がフロントだけでなくバックにも施され、iPhone SEを巨大化したようなデザインになるとされています。バックにはシングルレンズのカメラと配置がUSB-C端子の少し上に変更されるSmartConnectorを備え、両サイドに2つずつのスピーカーを備えた4スピーカーシステム、右サイドに音量ボタン・SIMカードトレイ、そして以前から噂されている奇妙なボタン、ボトムにはiOSデバイスに初めて搭載されるUSB-C端子、トップに電源ボタンが配置されるようです。
Photo by mysmartprice
なお、発表直前にベータ版のiOSから新型iPad Proのものと思われるアイコンが発見されました。アイコンはこれまでに報じられていた噂と一致しており、これまでに報じられてきた情報の信憑性を高めています。
Image by 9to5Mac
Lightning端子の廃止
これまでLightning端子が搭載されてきたiPad。新しいモデルではUSB-C端子に変わり、パッケージには、高速充電に対応したより大きな出力の18W電源アダプタが同梱されるそうです。
この情報を伝えたMing-Chi Kuoは、Appleの未発表デバイスに関して最も信頼できる人物。同じレポート内に記述していた新型iPhoneとApple Watchに関する情報は正確に的中させています。
Lightning端子からUSB-Cへの切り替えは大きな変化のひとつで、疑う人も少なくなさそうですが、9to5Macは新型iPad Proの開発に精通する人物からも同様の情報を入手、Macお宝鑑定団Blogが香港で開催されたエレクトロニクスショーで中国のアクササリーメーカーに取材した結果、すべてのメーカーがLightning端子からUSB-Cに置き換わっていると答えたそうです。
さらに、Lightning端子では実現できない4Kの映像出力をXcodeが示唆するなど信ぴょう性はかなり高そうです。
Lightning端子の廃止とUSB-Cへの置き換えはそう遠くないうちにiPhoneでも変化が起きそうです。
Apple Pencil
Image by Ben Geskin
新型iPad Proの発売に伴い、専用のペンデバイス「Apple Pencil」の新型モデルも発売される可能性が高いようです。
新しいApple Pencilはトップにあるシルバーのレールを削除し、シンプルな新デザインを採用。ペンをなぞることでブラシのサイズやカラーを変更できるジェスチャー操作に対応すると報じられています。
ジェスチャー操作のAPIが開発者に公開されればすべてのアプリにおいて同じ操作方法でブラシのサイズや色を変更できたり、もう少し柔軟性のあるAPIであればジェスチャー操作から得意の機能をショートカットで呼び出せるかもしれません。いずれにせよイラストレーターにとっては嬉しいアップデートになりそうです。
本体に収納できず持ち運びに困ることも多かったApple Pencilですが、新型iPad Proにマグネットで着脱が可能になるとのこと。ボタンのような奇妙なインターフェースを使ってApple Pencilを着脱できるのかもしれません。
なお、新型iPad ProはLightning端子を廃止してUSB-C端子を搭載することが確実視されており、これにともなってApple Pencilの充電方法も大きく変わる可能性があるようです。従来はキャップを外すと現れるLightning端子をiPadに挿入していましたが、批判的な声が多く改善の動きがあるのでしょうか。
第2世代となる新型Apple Pencilは、不満の多かったiPadのLightning端子に接続して実施するペアリングをAirPodsのようにiPadに近づけるだけで行えるように改善されるとのこと。
価格とストレージ
新型iPad ProのストレージはiPhone XS/XS Maxと同じく最大512GBがラインナップされ、ベースは64GBになると報じられています。販売価格は、10.5インチが54,999ルピー(日本円で約85,800円)、12.9インチは64,999ルピー(日本円で約101,400円)とのこと。
まとめ
iPad Pro 10.5インチ | iPad Pro 12.9インチ | |
---|---|---|
サイズ | 247.5 x 178.7 x 6mm | 280 x 215 x 6.4mm |
ディスプレイ | 10.5インチ ベゼルレス ノッチレス 液晶ディスプレイ | 12.9インチ ベゼルレス ノッチレス 液晶ディスプレイ |
顔認証 | ○ (横向き対応) | |
チップ | A12X 7nmプロセス オクタコア | |
メモリ | 4GB | |
充電端子 | USB-C | |
電源アダプタ | 18W 高速充電 | |
価格 | 64GB:約85,800円 | 64GB:約101,400円 |
ストレージ | 64GB / 256GB / 512GB |