“スマートフォンの未来”として2017年に登場した「iPhone X」は、初代iPhoneから10年以上搭載されてきたホームボタンを廃止し、新たにフルスクリーンのベゼルレスディスプレイや顔認証「Face ID」を搭載するなど、デザイン・機能性を含め大幅に刷新されました。
今年、2018年に発売される新型iPhoneは、昨年ほどの進化の幅はないものの“未来のスマートフォン”の完成度を高めた、かつての「S」シリーズのような存在になりそうです。
この記事では今秋発売が噂される「iPhone 9」または「iPhone Xr」、「iPhone Xs」「iPhone Xs Max」の発売日・発表日・特徴・価格・デザインなどの噂と最新情報をまとめています。
日本時間9月13日にAppleがスペシャルイベントを開催し、「iPhone XR」、「iPhone XS」、「iPhone XS Max」を正式発表しました。
詳細は以下の個別記事でどうぞ。
・「iPhone XR」の新機能・スペック・価格・発売日まとめ
・iPhone XS/iPhone XS Maxの新機能・スペック・価格・発売日まとめ
・どれを買う?iPhone XR・iPhone XS・iPhone XS Maxの違いを比較
目次
アップデート記録
日付 | 内容 |
---|---|
7月19日 | 記事公開 |
7月29日 | 「iPhone 9」の発売日遅延・延期情報を追記 |
8月5日 | ベータ版の「iOS 12」からデュアルSIMのコードが発見される |
8月5日 | デュアルSIM対応モデルは中国でのみ販売か |
8月5日 | 予測された発表日と発売日を追記 |
8月5日 | 新型iPhoneの名前を追記 |
8月5日 | ダミーモデル動画を追記 |
8月5日 | Lightning – 3.5mmヘッドフォンジャックに関して追記 |
8月18日 | 新型iPhoneの名前を追記 |
8月18日 | Apple Pencil対応に関する噂を追記 |
8月25日 | 予約開始日に関する情報を追記 |
8月25日 | まとめを最新化 |
9月2日 | スペシャルイベントの開催告知に伴い発表日を最新化 |
9月2日 | Twitterでのライブ配信に関する情報を追記 |
9月2日 | 発売日に関する新情報を追記 |
9月2日 | 新型iPhoneの名前を最新化 |
9月2日 | 今年のiPhoneは当たり年の「Sの年」? |
9月2日 | Apple Pencil非対応に関する噂を追記 |
9月2日 | 販売価格の新情報を追記 |
9月2日 | バッテリーの最新情報を追記 |
9月2日 | デュアルSIMの情報を更新 |
9月2日 | 「iPhone XS」のデザインが明らかに |
9月9日 | 新型iPhoneの名前は「iPhone Xs」「iPhone Xs Max」に? |
9月9日 | 販売価格の新情報を追記 |
9月9日 | 流出した「iPhone 9」のダミーモデルを追加 |
9月9日 | 流出したデュアルSIMカードトレイを追記 |
9月12日 | 高速充電に対応した電源アダプタは同梱されない? |
9月12日 | 6.1インチ新型モデルの名前は「iPhone Xr」に? |
9月12日 | 「iPhone 9」の発売日は10月以降に? |
9月12日 | 「iPhone 9」はブルー・レッド・シルバー・スペースグレー・ゴールドの5色展開? |
9月12日 | 「iPhone Xs Max」はシリーズ史上最重量に |
特徴
今年も3機種の新型iPhoneが登場
Photo by wylsa.com
Appleは、初代iPhoneを発売した2007年から2012年まで毎年1機種ずつ新型iPhoneを発表・発売しましたが、2013年にiPhone 5s/5cを発売して以来、毎年2機種以上を発表するようになり、2016年(iPhone SE/7/7 Plus)、2017年(iPhone X/8/8 Plus)には3機種の新型iPhoneが発売されています。
2018年も3機種の新型iPhoneが発売される可能性が非常に高いようです。当初はアナリストの予測や関係者からのリークが情報源でしたが、ロシア・ベラルーシ・カザフスタンなどの加盟国において電子製品の販売許可を与える権利を持つ機関であるユーラシア経済委員会の販売許可リストに未発表のiPhoneが登場。過去、同リストに発表前のiPhone 7/MacBook/iMac Pro/AirPods/第6世代のiPad/MacBook Pro(2018)が掲載されるなど複数の実績があることから信ぴょう性は非常に高いと言えます。
今年は「Sの年」。スピードアップとカメラ改善に注力か
昨年の「iPhone X」は“スマートフォンの未来”として大幅な改善・変更が実施されましたが、今年は昨年ほどの進化幅はなく、スピードアップとカメラの画質改善に注力するようです。
ただ、iPhone史上最大となる新しい画面サイズが追加されるなど新しい要素もあり、一般的には「Sの年は当たり年」「Sの前年はハズレ年」とされているので昨年購入を見送った人は今年は買いになるでしょう。
iPhone SE2は販売見送りか
ちなみに、3機種の未発表デバイスが最初にリストに掲載されたのは2018年春で搭載するOSのバージョンがiOS 11であったことや当時、販売情報が多く出回っていたことから「iPhone SE2」ではないかと予想されていましたが、6月に開催された世界開発者会議「WWDC18」でiPhone SE2が発表されることはなく、その後、AppleはiPhone SE2の発売を取りやめた報じられました。「春に掲載された未発表デバイスは何だったのか」、「リーク情報を不確実にさせるためのフェイク」と噂されていましたが、リストの掲載情報がアップデートされると、搭載するOSのバージョンが今秋リリース予定の「iOS 12」に変更されたことや型番の規則性からそもそもがiPhone SE2ではなく、秋に発売される新型iPhoneだったと結論付けられました。コンパクトサイズの新型iPhoneを望む声は少なくありませんが、今年発売する可能性は低そうです。
新型iPhoneの名前
新型iPhoneの名前は、これまで続いてきたナンバリングが「iPhone X」で廃止されたことで正確に予測することが非常に難しく、8月後半まで信ぴょう性の乏しい情報のみが報じられていましたが、ようやく有力な情報が入ってきました。
8月初頭には信頼できる情報筋とは言えないものの、「iPhone(2018)」「iPhone XS」「iPhone XS Plus」になると主張するメディアが登場。
さらに、フランスのメディアが信頼できる情報筋から入手した資料には「iPhone 9」「iPhone XS」「iPhone XS Plus」と記述されている報じました。
イベントが開催される9月に入り、“公式のマーケティングイメージ”とされる画像を流出させた9to5Macは、Appleが有機ELディスプレイを搭載する2機種の名前を「iPhone XS」に決定したと報じましたが、その後、同メディアがAppleのマーケティングプランに精通する人物から得た最新情報によれば、6.5インチの有機ELディスプレイを搭載した新型iPhoneは「iPhone Xs Max」になる可能性が高いようです。Appleは大型のディスプレイを搭載したモデルを投入してから「Plus」を採用してきましたが、今年から廃止になるかもしれません。
ちなみに、iPhoneにこれまで採用されてきた「SE」や「Plus」は過去に販売した製品(Macintosh SE、Macintosh Plus)にも採用されていましたが、「Max」が採用された例はなくiPhone Xs Maxが初となるかもしれません。
情報が錯綜している6.1インチの液晶ディスプレイを搭載したモデルの名前については発表直前になってBloombergが「iPhone Xr」と報じています。アルファベット順で「s」の前に来ることから連続性を意識したネーミングになっているのでしょうか。
個人的にiPadやMacなど他の製品と同じように「iPhone」で統一されると予想していましたがハズレるようです。なお、当記事ではわかりやすいように「iPhone 9」「iPhone Xs」「iPhone Xs Max」と記述しています。
ホームボタンと指紋認証を完全廃止
3機種の新型iPhoneはいずれもホームボタンを廃止し、ベゼルレスのフルスクリーンを搭載し、指紋認証「Touch ID」から顔認証「Face ID」に完全移行すると報じられています。昨年までは「マスクをするため顔認証が利用できないから」といった理由であえてiPhone 8/iPhone 8 Plusなどを選択した人もいるはずですが、今年からニューモデルを購入する場合は顔認証が強制されることになりそうです。
一方、3機種の画面サイズや性能、機能は大きく異なり、それに合わせて販売価格も異なるようです。
発表日・予約開始日
かつて新型iPhoneの発表の場となるイベントは初夏に発表されていましたが、2012年に発売されたiPhone 5以降は、9月初旬〜中旬に開催されています。また、火曜日〜木曜日に設定されていることを考えれば、今年は9月4日〜6日、9月11日〜14日、9月18日〜9月20日が発表日になる可能性が高いと予想されます。
また、CNETのライターが過去6年間のデータを分析したところ、発表日は第2週までの火曜日または水曜日に設定されていること、祝日であるレイバーデイが9月3日以前に設定されたときは翌週以降に発表されていることなどを理由に9月12日が発表日になる可能性が高いと主張していました。
そんな予想が立つなか、8月31日にAppleは公式サイトにて日本時間9月13日午前2時からスペシャルイベントを開催し、サイト上にてライブ配信することを正式に発表しました。スペシャルイベントのタイトルは『Gather round』で“周りに集まる”という意味。
『Gather round』の意味や新製品に関するヒントはティザー画像からいくつか得られることができます。例えば、○のイラストが表現しているのは“round(周り)”で、おそらく会場となるスティーブ・ジョブズ・シアターでしょう。となると、“集まる”のはイベントに参加するプレスであり、ライブ配信を視聴する全世界のAppleファン、そして会場で発表される新製品でしょう。
○のイラストがゴールドに輝いてるのは新色ゴールドの追加または復活でしょう。昨年発売された「iPhone X」はホワイトとブラックの2色展開で生産上の問題からゴールドは発売が見送られていましたが、今年はゴールドカラーの復活が確実視されています。また、「Apple Watch Series 4」では、ゴールドカラーのステンレススチールケースが発売されることも有力になっています。
2年連続での会場となるスティーブ・ジョブズ・シアターは、Apple新社屋の敷地内にある巨大なホールで最大1000人を収容することができます。もちろん、スペシャルイベントに参加できるのはAppleから招待された一部のプレスだけですが、イベントの模様はリアルタイムで全世界に配信されます。
今年のスペシャルイベントはTwitterでもライブ配信されるとの噂があり、実現すればティム・クックの「Good morning!」がTwitter上で響くことになります。
予約開始日についてはスペシャルイベントの翌日または2日後になる例が多く、ドイツメディアによれば、同国の携帯電話事業者が9月14日から新型iPhoneの予約受付を開始する計画をもっていると報じています。
歴代iPhoneの発表日、予約開始日まとめ
iPhone 発表日:2007年1月9日(火) |
iPhone 3G 発表日:2008年6月10日(火) |
iPhone 3GS 発表日:2009年6月9日(火) 予約日:2009年6月18日(木) |
iPhone 4 発表日:2010年6月8日(火) 予約日:2010年6月15日(火) |
iPhone 4s 発表日:2011年10月5日(水) 予約日:2011年10月7日(金) |
iPhone 5 発表日:2012年9月13日(木) 予約日:2012年9月14日(金) |
iPhone 5s 発表日:2013年9月11日(水) 予約なし |
iPhone 5c 発表日:2013年9月11日(水) 予約なし |
iPhone 6 シリーズ 発表日:2014年9月10日(水) 予約日:2014年9月12日(金) |
iPhone 6s シリーズ 発表日:2015年9月10日(木) 予約日:2015年9月12日(土) |
iPhone SE 発表日:2016年3月22日(火) 予約日:2016年3月24日(木) |
iPhone 7 シリーズ 発表日:2016年9月8日(木) 予約日:2016年9月9日(金) |
iPhone 8 シリーズ 発表日:2017年9月13日(水) 予約日:2017年9月15日(金) |
iPhone X 発表日:2017年9月13日(水) 予約日:2017年10月27日(金) |
発売日
新型iPhoneの発売日に関してCNETのライターは過去6年間のデータ分析を元に発売日は9月21日(金)になると主張しています。
Appleは日本時間9月13日にスペシャルイベントの開催を正式にアナウンスしており、例年、約10日後の金曜日に発売日が設定されていることを考えると、9月21日(金)は発売日として非常に有力な日付になります。
新型iPhoneに関して最も信頼できる情報を伝えるアナリストのMing-Chi Kuoは3機種すべて9月に発売するとレポートしていましたが、発表直前になって6.1インチモデルについては“やや遅れる”とレポートしており、一部モデルのみ発売日が10月以降に設定されるかもしれません。
アナリストによればベゼルレス式の液晶ディスプレイを初めて採用する「iPhone 9」は、生産を手がけるジャパンディスプレイとLGディスプレイがバックライトの光が漏れる不具合の解消に苦慮し、2ヶ月の遅れが発生したとのこと。
Kuoは発表直前のレポートでも液晶ディスプレイの不具合から「iPhone Xr」の量産が9月下旬から10月上旬に延期されると報じている。
さらに、別のアナリストも同じ問題で量産に1ヶ月の遅延が発生しているため、発売日が10月以降になるとレポート。サプライヤーからの情報では7月から生産を開始したものの、高い精度を求められる状況にも関わらず不具合のない完品率がわずか1%とのこと。予想ではあるものの11月末以降の出荷になるため発売日が大幅に遅れると報じられています。
アナリストの予測やサプライヤーからの情報は信ぴょう性が高いとは言えないが、リソース不足が原因でAirPods、iPhone X、HomePod、AirPowerなど発売日に遅れが生じたり、これまでのように新製品を発表してからすぐに発売または予約受付を開始するAppleではなくなっているため、発売日が遅れる可能性は低くなさそうです。
歴代iPhoneの発売日まとめ
iPhone 2007年6月29日(金) |
iPhone 3G 2008年7月11日(金) |
iPhone 3GS 2009年6月19日(金) |
iPhone 4 2010年6月24日(木) |
iPhone 4s 2011年10月14日(金) |
iPhone 5 2012年9月21日(金) |
iPhone 5s 2013年9月20日(金) |
iPhone 5c 2013年9月20日(金) |
iPhone 6 シリーズ 2014年9月19日(金) |
iPhone 6s シリーズ 2015年9月25日(金) |
iPhone SE 2016年3月31日(木) |
iPhone 7 シリーズ 2016年9月16日(金) |
iPhone 8 シリーズ 2017年9月22日(金) |
iPhone X 2017年11月3日(金) |
ディスプレイ、ボディサイズ
Photo by Ben Geskin
今年発売の新型iPhoneは、画面サイズ・表示方式が異なる3モデル「iPhone 9」「iPhone Xs」「iPhone Xs Max」がラインナップされる可能性が非常に高いです。
「iPhone 9」、ベゼルレスデザインx液晶ディスプレイの初搭載モデル
「iPhone 9」は、従来と同じ液晶ディスプレイになるものの、画面サイズが6.1インチに大型化され、iPhone Xのような縦長の“ノッチ”付きベゼルレスデザインに変化します。なお、リークされたディスプレイのパーツから他の2機種に比べてベゼル幅がやや厚くなることがわかっています。
ディスプレイが縦長になり、デザインがベゼルレスになることで見た目は他の2機種とほぼ同じになりますが、機能面ではディスプレイを深くプレスすることでアプリの特定の画面をショートカット起動したり、文字入力時のカーソルをカンタンに移動したり、LINEのトークを既読を付けずに読むことができる便利な「3D Touch」には非対応になるようです。
また、iPhone 8/8 Plusが非対応だった周囲の光に合わせて画面の色合いを調整する「TrueTone」やより鮮やかに映し出す「広色域ディスプレイ」、クッキリした光の明暗が楽しめる「HDRディスプレイ」に対応するかは現時点で不明です。
ボディサイズについては「HUAWEI nova lite 2」または「Moto G5 Plus」に近いサイズになるとのこと噂があります。
高精細、省電力、発色良しの有機EL搭載モデル
5.8インチの「iPhone Xs」と、iPhone史上最大となる6.5インチの巨大なスクリーンを搭載する「iPhone Xs Max」は、発色の良さ・高精細・薄さ・省電力といった特徴に加え、明るさ・広色域・色の再現性といった弱点も克服した有機EL「Super Retina HDディスプレイ」を採用します。
「iPhone Xs Max」の6.5インチディスプレイの解像度は、1,242×2,688の超高解像度仕様で、現在Plusシリーズでのみ利用できるランドスケープモード(iPhoneを横向きに回転させると専用のインターフェースで表示・操作できる機能)が利用できるとBloombergが報じている。
なお、「iPhone Xs」のボディサイズは前モデルと変わらず、最も巨大なスクリーンを搭載する「iPhone Xs Max」のボディサイズは、5.5インチのディスプレイを搭載する「iPhone 8 Plus」と変わらないとされていますが、フレームにアルミウムではなくステンレススチールを採用することで約6gほど重くなり、iPhone史上最重量になるそうです。
有機ELモデルは「Apple Pencil」に対応か
調査会社TrendForceが公開した新型iPhoneに関するレポートと經濟日報によれば、有機ELディスプレイモデルを搭載する「iPhone Xs」と「iPhone Xs Max」の2機種は「Apple Pencil」に対応するようです。
iPhoneがApple Pencilに対応すれば、優れた筆圧・角度検知によって線の細さ・太さ、濃淡を忠実に再現したイラストを描いたり、メールで届いた画像や資料に注釈を加えたり、ディスプレイオフの状態からすばやくカンタンに手書きでメモを取れるようになるかもしれません。
業績好調なアクセサリ部門の収益もさらに大幅に伸びるはず。ライバルのSamsungが発売するGalaxy Noteシリーズにも大きな打撃を与えそう。一方、iPadに与える影響も大きく6.5インチモデルは7.9インチの「iPad mini」を置き換えるモデルになるかもしれません。
ただし、Apple関連のリークに関して最高の実績を誇るアナリストによれば、優れたユーザーエクスペリエンスを提供できないことを理由にApple Pencil対応は見送られるとの情報もある。
カメラ
画質に定評のあるiPhoneのカメラ。昨年は、より大きく高速化された新しいイメージセンサーを搭載することで画質が向上。
機能面では暗所で被写体を明るく照らしながら背景も適正な明るさで撮影できるフラッシュ機能「スローシンクロ」、24fpsの4K動画撮影、フルHD・240fpsのスローモーション撮影に対応しました。さらに、iPhone Xのデュアルカメラは広角・望遠レンズともに光学式手ブレ補正をサポートし、ƒ/2.4のレンズによってより明るい写真・動画が撮影可能になり、焦点距離が短くなったことで一眼レフのように背景をぼかして撮影できる「ポートレート」モード時に被写体により近づいて撮影可能になっています。
新型iPhoneでは、「iPhone 9」がシングルカメラを搭載するのに対して、有機ELディスプレイの「iPhone Xs」と「iPhone Xs Max」はポートレート撮影が可能なデュアルカメラを搭載する可能性が高い。iPhone Xs Maxについては世界最高のスマホカメラとなった「HUAWEI P20 Pro」と同じ3つのレンズを搭載することでARの体験を向上させ、3倍または5倍の光学ズーム撮影を実現するとの噂もありますが、現時点では2019年にトリプルレンズカメラを搭載するとの噂が多くなっています。
アニ文字・ミー文字をサポートする「TrueDepthカメラ」
バックに配置されるメインカメラについては今年もセンサーの改善やカメラ機能の向上に留まるかもしれません。
一方、フロントカメラはすべてのモデルが顔認証「Face ID」を実現するTrueDepthカメラを搭載する可能性が非常に高い。顔認証に加えて、「iOS 12」ではアニ文字が舌の認識に対応するほか、自分をアバター化できるミー文字にも対応するため、顔認識の精度が大幅に向上した第2世代TrueDepthカメラが搭載される可能性もありそう。
なお、ミー文字はフロントカメラが顔の特徴を認識して自動で作成するものではなく、手動でパーツをひとつずつ選ぶ必要がありますが、スペシャルイベントでは自動作成機能が追加発表されるかもしれません。
プロセッサ
昨年のiPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plusには、25%高速化された「性能コア」x2と、70%高速化された「効率コア」x4から構成される6コアの「A11 Bionic」チップが搭載されました。グラフィック処理は30%高速化され、消費電力は半分になり、電池持ちはiPhone 7の2倍に。
さらに、ニューラルエンジンを備えることで顔認識技術を利用する顔認証「Face ID」や3D絵文字「アニ文字」、空間認識やシーン認識を利用する拡張現実「AR」のクオリティを引き上げ、優れた画像認識によってシャッターを切るだけでベストショットが可能になっています。
iPhone 9/iPhone Xs/iPhone Xs Maxには、すべて新しい「A12」チップが搭載されるようで、7nmプロセスを採用することで微細化が進み、さらなる高性能化と省電力化が期待できます。信ぴょう性はあまり高くありませんが、GeekBench 4には登場したA12のスコアはシングルコアが5200、マルチコアが13000を記録。A11 Bionicに比べて最大30%の性能アップとなっています。
ストレージ・メモリ
これまで3種類あったiPhoneのストレージ容量は、昨年のiPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plusで64GBと256GBの2種類になりました。調査会社のレポートによれば「iPhone 9」は64GB/256GB、「iPhone Xs」と「iPhone Xs Max」が64GB/256GB/512GBの3種類がラインナップされるとのこと。
メモリはiPhone 8が2GB、iPhone 8 Plus/iPhone Xが3GBでしたが、新型iPhoneでは、「iPhone 9」が3GB、「iPhone Xs」と「iPhone Xs Max」が4GBと噂されています。
バッテリー
iPhone 8/iPhone 8 Plusなど従来のiPhoneに搭載されていたバッテリーはストレート型だったのに対し、iPhone Xでは2つのバッテリーをつなぎ合わせた2セル・L字型のバッテリーが搭載されました。新型iPhoneのうち、有機ELディスプレイを搭載するiPhone Xs/iPhone Xs Maxの2機種はさらに新しい形状のバッテリーを採用することで電池容量がアップする可能性が高いようです。
最新のバッテリーは、継ぎ目をなくした1セル・L字型の形状となり、「iPhone Xs」が10%アップの2,900〜3,000mAh、「iPhone X Plus」はiPhone史上最大となる3,300〜3,400mAhになるそうです。なお、「iPhone 9」は、コストを抑えるために従来と同じ2セル・ストレート型になるものの、ロジックボードの小型化によってiPhone Xに比べて8.5%アップの2,850〜2,950mAhになるとのこと。
一方、最新のレポートによればバッテリーの構造変更は見送られ、「iPhone 9」は、1セル・ストレート型の2,600-2,700mAh。「iPhone Xs」は、2セル・ストレート型の2,700-2,800mAh。「iPhone Xs Max」は、2セル・ストレート型の3,300-3,400mAhとなるようです。
高速充電に対応する新しい電源アダプタをパッケージに同梱か
昨年発売されたiPhone X/iPhone 8/iPhone 8 Plusは、フル充電までに最大3時間30分もかかってしまうバッテリー充電を2時間足らずに大幅短縮する高速充電に対応しました。
充電を忘れた時など短時間で少しでも充電したい時に非常に便利な高速充電ですが、対応する電源アダプタ(充電器)とケーブルが必要でApple純正品で揃える場合は別途6,000円が必要になるため、利用している人はそこまで多くないかもしれません。
現在販売されている高速充電に対応した電源アダプタはMac・iPad向けのものですが、AppleはiPhoneのパッケージに同梱する高速充電対応の電源アダプタを開発しているようで、これまでにいくつかの写真がリークされています。
リークされたプロトタイプの写真を見ると、iPhone向けの新しい電源アダプタは現在のサイコロのような形から丸みを帯びた楕円形のラウンドデザインに変更され、アダプタの出力端子はUSB-AからUSB-Cになるようです。また、電源アダプタの入力は100-240V、50/60Hz、0.45Aで、出力は5V/3A(15W)、9V/2A(18W)になることが確認できます。
高速充電に対応した電源アダプタが同梱されると報じられていましたが、Appleの未発表製品に関して最も信頼できるMing-Chi Kuoのレポートによれば、従来どおり5Wの電源アダプタが同梱されるとのこと。また、発表発表直前に流出したラベルには、高速充電に対応した「USB-C to Lightning Cable」ではなく、従来と同じ「Lightning to USB Cable」とプリントされていることから高速充電を利用するには別途、電源アダプタと対応ケーブルを購入する必要がありそうだ。
セキュリティ
3機種が発売される新型iPhoneですが、すべてのモデルにおいて指紋認証「Touch ID」が廃止され、顔認証「Face ID」に対応する可能性が非常に高いです。
認証に顔を利用するFace IDは、指紋認証が苦手とする雨などで濡れた指や料理などで汚れた手、冬に手袋を付けた時でもスムーズに認証できるほか、メガネやサングラス、マフラーといったアクセサリを付けても正しく顔を認識して画面ロックを解除したり、Apple Payによる決済機能も利用できます。顔認証は登録時の顔と現在の顔を照らし合わせて認証を行いますが、機械学習によって顔の変化を記憶するため、髪の毛やヒゲが伸びても正確に認証します。
なお、他人の顔や指紋などで認証してしまう誤認識率は指紋認証の5万分の1よりも圧倒的に安全性の高い100万部の1を実現。人の表情を3Dで認識するため、自分が写った写真はもちろん、自分に似せた特殊マスク、双子でも認証できません。さらに、注視機能によってユーザーがiPhoneを見ているかどうかを認識できるため、寝顔で認証を突破することも不可能。寝ている間に指紋を読み取られて画面ロックを解除されてしまう心配もありません。
デザイン・カラー
Photo by 9to5Mac
ベゼルレスディスプレイによって大きく変化したiPhoneのデザイン。今年は大きな変化がなさそうです。不評な“ノッチ”が小型化するといった噂もありますが、2019年に持ち越しと可能性が報じられていて、これまでのリーク写真・動画を見る限りでは残念ながら小型化されていません。
ボディの素材は、「iPhone 9」がアルミニウム、「iPhone Xs」と「iPhone Xs Max」がステンレススチールをフレームパーツに採用し、3機種ともにワイヤレス充電を可能にするガラスパネルでサンドイッチするようです。カラーは、「iPhone 9」がグレイ、ホワイト、ブルー、レッド、オレンジの5色展開(ほかにイエロー、ピンクといった噂がある)で、iPhone 5cのようなカラフルなラインナップになるのかもしれません。
また、「iPhone Xs」と「iPhone Xs Max」では、FCCを通過しながらも生産上の問題から販売が見送られたゴールドの復活が確実視されています。日本で人気のあるゴールドが復活すれば発売日の入手は困難になる可能性もあります。
ワイヤレス充電に対応するガラスのバックパネルは「iPhone 9」のみデザインに変化があります。iPhone 8まではLEDフラッシュがレンズと横並びに配置されていましたが、新型モデルではレンズとLEDフラッシュが縦に並ぶようです。配置変更がホントであればiPhone 8以前で利用していたケースをそのまま使うことはできないと思われます。
Photo by Ben Geskin
9to5Macは、Appleが作成した公式のマーケティングイメージとして「iPhone XS」が写り込んでいる画像を公開しました。デザインは「iPhone X」と同じですが、ゴールドのステンレススチールが印象的なカラー・デザインになっています。
さらに、上記のマーケティングイメージを元に作成したことが予想されるレンダー画像をBen Geskinが公開しています。このレンダー画像は非常に評価が高く、「予約が待ちきれない!」「完璧なゴールド」「とても美しい!」と称賛する声が多数あがっています。
iPhone XS in new gold finish pic.twitter.com/yvITuWSPhT
— Ben Geskin (@VenyaGeskin1) 2018年9月1日
iPhone XS in Gold pic.twitter.com/X7VI6M12CS
— Ben Geskin (@VenyaGeskin1) 2018年9月1日
発表直前で「iPhone 9」とされる4色のダミーモデルも流出しました。4色はレッド・シルバー・ブルー・ピンク(ローズゴールド?)でバックパネルにガラスを採用、カメラはシングルレンズでフレームはアルミなどこれまでに報じられてきた噂と一致しています。
さらに、中国のSNSでは「iPhone 9」のものとされるSIMカードトレイがリークされ、レッド・ブルー・シルバー・スペースグレイ・ブラウンまたはゴールドの全5色ラインナップになることが確認されています。
イヤホン端子
iPhone 7シリーズで廃止されたイヤホン端子は今年の新型iPhoneでも復活する見込みはありません。また、バークレイズのアナリストは、これまでパッケージに付属されていた「Lightning – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ」が付属されなくなるとレポートしています。
お気に入りの3.5mm有線イヤホンを利用する場合はヘッドフォンジャックアダプタを別途購入する必要があるかもしれません。
デュアルSIM・デュアルスタンバイ(DSDS)
新型iPhoneでは、ついにDSDSーーデュアルSIM・デュアルスタンバイに対応すると複数の信頼できるアナリストやメディアが報じました。さらに、ベータ版の「iOS 12」からデュアルSIMに関するコードが発見されたことで新型iPhoneがサポートする可能性は非常に高くなっています。
DSDSは2枚のSIMカードおよび契約している回線を同時に待ち受けできる機能で、例えば、データ通信は契約している通信容量の多い回線や通信速度が高速な回線を使い、音声通話は通話し放題の回線を使うことが可能になります。Androidスマートフォンでは対応するモデルが多く、一部ユーザーに人気の機能です。
なお、信頼性の乏しいメディアが伝える情報としては通常のSIMカードと、eSIMの「Apple SIM」から構成されるDSDSに対応するとも報じられています。Apple SIMは、2014年に発売されたWi-Fi+Cellular版のiPad Air2/iPad mini3で初めてサポートされたSIMカードで、iPad上でキャリアやプランをカンタンに選んで契約ができます。一部を除くiPad Proシリーズでは物理的なSIMカードではなく内蔵型のeSIMとなっていてSIMカードを入れ替えることなく通信機能が利用できるメリットがあります。
DSDSに対応するモデルは、「iPhone 9」と「iPhone Xs Max」と報じられていて中間サイズの「iPhone X」は対応しないとの情報があります。
一方、中国メディアは「iPhone 9」のみがデュアルSIMをサポートし、中国でのみ販売されると報じています。中国のような広大な土地の場合、1つの回線だけではカバーできないエリアもあるためデュアルSIMに対応したスマートフォンが人気を集めていることがデュアルSIMをサポートする要因のひとつでしょう。
Appleが限定された地域のために異なるハードウェアを設計、開発するとは考えにくいと予想していましたが、やはりデュアルSIMは中国などの限られた地域でのみ利用できるとBloombergなどがレポートしています。
なお、デュアルSIMをサポートしない「iPhone Xs」についてはシングルSIMながらも埋込み型のeSIMをサポートする可能性があると報じられています。
発表直前には、デュアルSIMに対応したSIMカードトレイが流出しました。埋め込み型のeSIMではなく、物理的なSIMカードを2枚挿入する従来型の方式で対応するのかもしれません。
価格
気になる新型iPhoneの販売価格については早い段階から情報が報じられていますが、定まっていないためこれからも変化する可能性があります。
Appleの未発表デバイスに関して最も信頼できる情報を伝えるKuoのレポートによれば、液晶ディスプレイやシングルカメラ、アルミフレームなど性能や機能などが劣る「iPhone 9」は、低価格モデルの位置付けでシングルSIMモデルが550〜650ドル、デュアルSIMモデルが650〜750ドル、9月2日時点の最新のレポートによれば600〜699ドルと、いずれにしても手ごろな価格になるようです。
5.8インチの有機ELディスプレイを搭載する「iPhone Xs」は800〜900ドルで、6.5インチの巨大なフルスクリーンと過去最大のバッテリーを搭載する「iPhone Xs Max」は、900ドル〜999ドルになるとのこと。
iPhone Xの日本での販売価格は、1ドル113円で設定されているため、「iPhone 9」は約67,800円〜約79,000円、「iPhone Xs」は約90,000円〜約101,000円、「iPhone Xs Max」は約101,000円〜約113,000円になるかもしれません。
発表まで1週間に迫った段階で、ドイツメディアのMACERKOPFは過去に実績のある情報源から入手した価格情報として今年と同じ販売価格が適用されると報じています。つまり、「iPhone 9」とされるモデルは78,800円〜112,800円。「iPhone Xs」は89,800円〜123,800円、「iPhone Xs Max」は112,800円〜146,800円になるということです。iPhone 8の価格で顔認証、ベゼルレスなどが採用された最新のデバイスが手に入ることを考えればかなりおトクな価格設定になります。
まとめ
iPhone 9 | iPhone Xs | iPhone Xs Max | |
---|---|---|---|
デザイン | |||
容量 | 64GB/256GB | 64GB/256GB/512GB | |
価格 | 600〜699ドル (約78,800円〜約112,800円) |
800〜900ドル (約89,800円〜約123,800円) |
900〜999ドル (約112,800円〜約146,800円) |
ディスプレイ | 6.1インチ 液晶 1,080 x 2,160ピクセル |
5.8インチ 有機EL 2,436 x 1,125 ピクセル |
6.5インチ 有機EL 2,688 x 1,242 ピクセル |
サイズ | 150.9 x 76.5 x 8.3mm | 143.6 × 70.9 × 7.7mm | 157.5 x 77.4 x 7.9mm |
重さ | ? | ? | 208g |
プロセッサ | A12 | ||
メモリ | 3GB | 4GB | 4GB |
iSightカメラ | シングルカメラ | デュアルカメラ | デュアルカメラ |
TrueDepthカメラ | ○ | ○ | ○ |
バッテリー容量 | 1セル・ストレート型 2,600-2,700mAh |
2セル・ストレート型 2,700-2,800mAh |
2セル・ストレート型 3,300-3,400mAh |
急速充電 | ○ | ||
ワイヤレス充電 | ○ | ||
顔認証 | ○ | ||
3D Touch | × | ○ | ○ |
DSDS | ○ | × | ○ |
カラー | グレイ、ブルー、ホワイト、レッド、オレンジ、ピンク、イエロー | シルバー、スペースグレイ、ゴールド | シルバー、スペースグレイ、ゴールド |